これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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先取りビジネストレンド

05/02
2016

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“スターバックス・イブニングス”から

スターバックスといえば、
普通はおしゃれなコーヒーショップを思い浮かべるだろう。
ところがそのスターバックスが、
お酒とおつまみを提供する店舗
「スターバックス・イブニングス」を開店した。

アメリカでは2010年に、
イギリスでは2015年にオープンしていたが、
日本一号店はつい最近できたもの。

実はこの店舗ができる前、
「インスパイアード・バイ・スターバックス」
なるものもあったらしいが…。
(残念ながらこちらの方は、体験していないのだが…。)

そんな「スターバックス・イブニングス」へ、
私も仕事帰りに行ってみた。
サービスのコンセプトが
「仕事帰りに気分をリフレッシュ」ということらしく、
確かに店内は賑わっていた。

「スターバックス・イブニングス」が世間のニーズにも合い、
ほっとできる空間と時間を提供できているということだろう。

私もリラックスできたし、
ワインもまあまあ美味しかったのだが、
ひとつ気になることがあった。

私が帰ろうとする時間になっても、
私より先に来ていた人たちは依然盛り上がっていて、
まだまだ席を立つ気配がないのだ。
(テーブルの上は、最初に注文した物がまだある…。)

そもそもスターバックスがこのような店舗を始めた理由は、
従来の店舗の回転率にあったと思う。

確かにスターバックスは繁盛しているが、
夜にコーヒーを大量に飲む人はそう沢山いないし、
一杯のコーヒーで何時間も座っている人もいる。

つまりお金を使ってくれないし、回転率も悪いのだ。
なのに「スターバックス・イブニングス」でも、
同じ現象が起こってしまっていたのだ。

まあ…これまでにない、
くつろげる空間を提供してくれているのはいいが、
うまく採算に乗るかどうか…。

ちなみに、「インスパイアード・バイ・スターバックス」は
都心の住宅街を中心に8店舗にも拡がったという。

ここで、「インスパイア」という言葉に注目!
インスパイアとは、触発や感化という意味だ。
物事は何かからインスパイアされて発展していくもので、
それはビジネスも同じだ。
業界の最先端を走る人たちにインスパイアされ、
次の人たちが続いていくのである。

かつてスターバックスが
イタリアンコーヒーに感化され、
アメリカにオープンしたように…。
そして、そのスターバックスにインスパイアされ、
次々にコーヒーショップが立ち上がったように。

ビジ達をご覧の皆様ならおなじみの
大里綜合管理株式会社も、
様々な企業に影響を与えている企業だ。

地域貢献をしながら不動産業を営んでいるが、
地域貢献の時間と不動産業の時間の比率は、なんと4:6。
そのお陰でこの地域には良いコミュニティが生まれ、
活性化しつつあるという。

大里綜合管理は特に地域貢献の割合が
かなり大きいビジネスモデルで、
これにインスパイアされた企業も続々と出てきているようだ。

やっぱり、いろいろとチャレンジし、
リーダーシップをとる会社から刺激を受け、
影響され、ビジネスは発展していくわけだ。
今のビジネス社会は、
「インスパイア・ビジネス」と言えるだろう。

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スタバといえばこの緑の看板

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オシャレな店内が特徴だ

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お酒におつまみ

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回転率は悪いが賑わう店内

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選ばれるビジネス

05/02
2016

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「ばぁばのお昼ごはん」を選ぶ理由

にんじん、ごぼう、かぼちゃ、じゃがいも、
ピーマン、パプリカにキャベツ…
そして半熟ゆで卵が乗せられた、
具沢山のスープカレー。
さらに、大きな器に盛られた北海道産のおいしいお米。

この盛りだくさんなスープカレー定食で、お値段はなんと850円。
先日北海道の芽室町へ行った際に、
「ばぁばのお昼ごはん」という定食屋さんでいただいた。
素材本来の味が活かされた調理法で、
地元の食材がふんだんに使われており、とにかくおいしかった。

だが、しかし!
この定食屋、地元産の食材を使った
おいしい食事を提供するだけでない、
それ以上の意味がある定食屋なのだ!

じつはこの定食屋さんは、
食品加工会社である九神ファームと深い関係がある。

九神ファームは、障がいをもった人たちでも
「働いて生きていく」ことが可能になる環境づくりを目標に、
農業関連事業で継続的な就労支援を行っている事業所だ。
地元に住む障がいのある人を多く雇い、
地元産の野菜を地元の工場で加工し、流通させている。

「ばぁばのお昼ごはん」は、
この九神ファームが加工・生産した製品を活用し、
調理や接客といった職域を、新たに開拓するためにスタートしたのだ。

まさに、これらの取り組みは『里山資本主義』の
著者・藻谷浩介氏が提唱する“地消地産”
を実践しているといえるだろう。

“地消地産”とは、
“地元で消費するものは、地元で生産したものにしよう”という考え方。
生活者が地元で作られたものを選べば地元にお金が回り、
結果的に15~65歳の労働人口が維持されることになる。
さらに、場合によってはその労働人口を増やすことにもつながるのだ。

「ばぁばのお昼ごはん」は九神ファームと連携しながら、
この“地消地産”にプラスして、
地元の障がい者の雇用確保・自立支援という
大変価値のある一歩進んだ取り組みをしているのだ。

中国・春秋時代の宰相であった晏子(あんし)の言葉に
「益はなくとも意味はある」というものがあるが、
私が「ばぁばのお昼ごはん」を選び食事をすることは、
同額を払いチェーン店で食事をするのとは
その意味において大きな違いがあると言えるだろう。

チェーン店を選んでしまうと、地元にお金はほとんど回らない。
生活者自身が主体的に、地域を支えるという観点から
どの店で・誰が作った・どの商品を買うか、
という決断を下すことが、生活者としての権利であり、
意味のある働きかけだと思う。

生活者も地域の経済にみずから関われる手段があることを忘れず、
これからも価格以上の意味がある店を選んでいきたいものだ。


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入り口の様子

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いろんな人がみんなで楽しく働くお店

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大満足のスープカレー!

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地元の食材がふんだんに使われている

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客足の途絶えない店内

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