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ファインスピリッツキーワード

11/07
2016

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“現場主義”という仕事道の極意


「事件は会議室で起きてるんじゃない!
現場で起きてるんだ!」

上層部が「本庁の捜査員が行くまで待て」と
指示を出したときに、彼はこう叫んだ。

モッズコートを来た刑事が主人公のドラマのこのセリフ、
みなさんも覚えていることだろう。
実はこれ、とても大切なことを言っているのだ。

先月の第135回αクラブ定例セミナーで、
千葉県にある自然酒蔵元「寺田本家」を視察させていただいた。
24代目にあたる現当主の寺田優氏の案内で、
滅多に入ることができないところまで酒蔵を見学させてもらったのだが…、そのときにハプニングが起きたのだ。

私たち(30人ほど)が麹室へ案内され、寺田氏の話を聴いていると
4~5人の蔵人(くろうど・くらびと)が入室してきて、
種麹が全体に行き渡るように
手で撹拌するという大事な作業を始めた。

これはデリケートな米麹づくりの中の、
温度と湿度を調節しながら行う作業なので、
このタイミングで扉を開けて外に出ることはできない。
麹室の室温は35℃ほどあり、
作業が終わるまでの10分ほどの間、
冬物のコートを着ている私たちは顔を赤くし、額からは汗を流していた。
(まさに現場ならではのハプニングだ)

寺田本家では、酒づくりにおいて
麹菌をつかっているのではなく、
菌のチカラをつかわせてもらっている、
菌たちが私たちに協力してくれているのだと
考えているという。
だから蔵人たちがやっていたのは、麹菌の成長を手助けし、
微生物に気持ちよく働いてもらうための大事な作業だったということ。
直に手で触れるからこそ、いまの麹の状態もしっかりと
感じることができるという。
お陰様で私たちは、作業の真剣な空気感も味わえ、
現場ならではこその体験ができたのだ。

さて、現在のαクラブ定例セミナーは年4回開催しているのだが…、
今年2月には「里山資本主義」を提唱する藻谷浩介氏を招き、
現場を大切にする藻谷氏の、その後の考え方の進化を
皆さんにお届けした。

さらに6月の埼玉のサイボクハム視察セミナー、
7月の北海道十勝での奥田シェフを迎えての地域イベント、
そして今回の10月の寺田本家視察セミナー…。

こうして見ると、私がいかに現場を大切にしているか
皆さんにも伝わるのではないだろうか。
これらはすべて“現場主義”を実践したセミナーなのだ。
そう、私は“現場”をかなり重視しているということ。
大切な気づきも、問題解決の糸口もすべて現場にあるのだ。

中島流の“仕事道”では、「人間性の向上」「プロとしての成長」
「組織の成長」「社会貢献」の4つの実践を掲げている。
実はそれを実践していくためには現場での気づきがとても重要となる。
つまり“現場主義”こそが
“仕事道”を展開していくための極意なのだ。

今後も、沢山中身の詰まった現場体験と気づきの場を
皆さんに提供できるようにセミナーを企画していかなければ…。
2017年も、定例セミナーにどうぞご期待ください!

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第135回αクラブ定例セミナーでは自然酒蔵元「寺田本家」を訪問した。

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24代目当主・寺田優氏

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麹室ではこの後ハプニングが…!!

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酒づくりの歌を披露してくださった

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蔵人たちの真剣な空気感が味わえるのも現場ならでは

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滅多に入れないところまで案内していただいた

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“現場主義”こそ仕事道の極意なのだ

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みんなで集合写真♪ これからのαクラブにもご期待ください!

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選ばれる仕事道

11/07
2016

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“道”の徹底追求が選ばれる

とある特番を視聴していた時のこと。
こんなパン屋さんのエピソードが耳に飛び込んできた。

兵庫県・西宮市にあるパン屋さんの話なのだが…。
彼はまず中学校で不登校になり、一度目の挫折を味わう。
しかし、不登校期間中に観たテレビ番組の影響で
「社長になりたい!」と奮起し、高校卒業後はパン職人に。
そして、超繁盛のパン屋を経営するようになった!
(なんと1日の売り上げは100万円以上だったとか!)

順風満帆に見えたパン屋の経営だったが、
なんとパン屋を突如閉店。
忙しさに追われるような毎日のなか、
お金のために働かされているように感じたという。
結果として、働く意味を見失ったことによる閉店だった。
これが二度目の挫折だ。

そして今度こそ、本当にやりたかったことを追求すべく立ち上がり
自分の手が届く範囲で、納得のいく、どこにもないパンづくりをはじめた。
試行錯誤を繰り返しながらも、
今や存在理由のある伝説のパン屋として大奮闘しているという。
(とてもドラマチックな話だねぇ…)

そういえばこのところ、
意味あるパンづくりを追求するパン屋さんとのご縁が増えてきた。

MEMUROワインヴァレー構想の研究会の一員であり、
水と食材にこだわり、その情熱と美味しさから人気をあつめる「カントリーブラン」。
美味しいパンの缶詰「救缶鳥」による被災地支援を展開する「パン・アキモト」。
先日ご紹介した『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』という本も、
天然酵母による内なる力に着目したパン屋さんが発信した本だった。

彼らは、自分たちにしかできないパンづくりの道を追求している。
道をどこまでも追求する姿は一見特異にさえ見えるが、
パンは多くの人たちが手に取り、口にする食品だ。
コンビニやスーパーで何も気にせず買っているような
利益優先、大量・画一生産のパンのあり方のほうが特殊であり、
本来は豊かな多様性があるものなのではないだろうか。

なんてことを考えていて思い当たったのが、
ビジ達で度々ご紹介している“新・選ばルール7”。
これをいま一度、振り返ってみよう。

1.手間をかける
2.本物にこだわる
3.とことん追求する
4.人に優しい
5.積小為大
6.大胆で潔い
7.徹底の二乗

この7つのルールをきちんと実践しているのが、
これら注目のパン屋さんなのではないだろうか。
選ばれる理由はあるということだ。

まさに冒頭で触れた西宮のパン屋さんはこれに当てはまっており、
加えて、2度の挫折で諦めない情熱と粘り強さがあったからこそ
妥協しないパンづくりの「道」をまい進しているのだろう。

おっ! これって、先日話したGRIT、すなわち
“やり抜く力”が活かされている事例ではないか!
多くの人に選ばれるために“新・選ばルール7”が必要なのはもちろん、
これにGRITがプラスされると、
ある領域に到達するために必要な新しい領域が見えてくるのだ。

「“新・選ばルール7”+GRIT」という“道の徹底追求”こそが、
結果として多くの人に選ばれることにつながり、
“仕事道”の確立にもつながってゆくのだろうなぁ…!


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「カントリーブラン」の人気のブリオッシュ

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語る「カントリーブラン」の延與(えんよ)さん

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「パン・アキモト」の秋元義彦社長

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渡邉格氏の『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』

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新・選ばルール7

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