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09/04
2017

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“鹿を追う者は山を見ず”にならないために!

見よ! この満開の朝顔を!

実はこの朝顔は4代目。
2014年に買った初代(F1)の朝顔から
種を採って植え、翌年にはF2が。
その種から去年F3を植えたのだが、
なかなか咲かず…。なんと秋に花がつき、
年を越えて1月まで咲いていたのだ。

そして今年の夏の朝顔は、
青とピンクが混ざった
美しい花をたくさんつけてくれた。
(これらの中にはF2もあればF3もあるのだが…)

少し難しい話になるが、
そもそも売られている植物の大半が
ハイブリッド種(F1)だ。
これは雑種強勢を利用して、かけ合わせることで、
先代より優れた(?)品種を作り出しているってこと。
でもその優れた遺伝特性が現れるのはF1のみで、
次の代には引き継がれない。
いわばこの見た目が綺麗なF1種は、
未来を犠牲にして
「今」を優先している種ということなのだ。

さて、ここでタイトルの
「鹿を追う者は山を見ず」の話。
鹿を捕えようとしている者は、
鹿ばかりに気をとられて
山やまわりの様子が目に入らないということなのだが…、
つまりは「目先の利益を追っている者は
それ以外のことが見えなくなり道理を忘れてしまう」
という意味だ。
これって、まさにハイブリットである
F1種のことではないかと思ってしまう。

ビジネスの場でもこのF1種のような人たちが
たくさん生み出された。
決まったオペレーションは得意だが、
通常と違う問題が起きると対応できなくなってしまう、
いわゆるマニュアル対応型人間。
ただ、これらのマニュアル対応型の人間をつくり出したのは、
アメリカナイズされたシステムを導入した大手チェーンだ。
そこで働く人の成長を考えず、
自社の都合だけを優先させたことによる
弊害と言っていいだろう。

私たち経営者側は、
ついつい今すぐ活躍してくれる人材を求めてしまい
「長い目でみて人を育てる」という考えを
置き忘れてしまうのだ。

しかし、結局のところ
ビジネスの場で30年、40年と長く活躍できる人材は、
どんな状況でもチャレンジし、変化に対応できる人材だ。

だから、目先の利益である
鹿を追ってF1種を選ぶのではなく、
ノウハウや人間力ある人材を
イチから育てる気持ちが必要ってこと。
そういった人材こそが会社を支えていく宝になるのだ。

もしかしたら人材だけの話ではないかもしれない。
長く続く技術やノウハウを育むにも
同様のことが言えるのでは…。
とにかく「鹿を追う者は山を見ず」になっては、
会社のその先はなくなってしまうのだ。

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朝顔が次から次へと咲き乱れる

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今年で4回目の開花となった

key (3)

目先の利益ではなく人間力ある人材をイチから育てる気持ちが必要なのだ

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選ばれるビジネス

09/04
2017

biji (1)

“筒井花火”のビジネス革新とブランディング

日本の夏の風物詩といえば
花火を思い浮かべる人が多いだろう。
儚く煌めく線香花火は特に風情があるが、
今では国産のものは希少な存在になってしまったという。

先日、福岡県みやま市で線香花火を中心に製造している
筒井さんご夫妻が、私のもとを訪ねてきた。
ご夫妻が経営する筒井時正玩具花火製造所は、
約90年もの歴史がある伝統的な花火メーカーだ。
(90年というと、国内の線香花火メーカーでは
No.1の歴史を持っているのではないだろうか!?)
さらに、ここで製造されている線香花火・筒井時正は、
ワラスギの先に火薬をつけたスボ手牡丹と呼ばれる
線香花火では国内唯一の製造所である。

しかし、実のところ筒井時正玩具花火製造所は、
一時期廃業に向かおうとしていた。
そこで現在の3代目が、これまでの歴史と技術を
残していくために尽力したのだ。

3代目とお話をした際、
「昔は駄菓子屋さんで花火を買うことができましたが、
今はどこで花火を買えると思いますか?」
という質問をされた
(セブンイレブンで購入できることは分かっているが…)。

確かに、コンビニで花火は販売されているが、
並んでいるのは海外製の情緒のない安い花火ばかりだ。
そのため価格競争が激しく、コンビニには
参入しにくいというのが日本の花火メーカーの実情なのだ。

それでは筒井時正玩具花火製造所の花火は一体どこで
販売されているのか?
なんと、あのセレクトショップBEAMSだという!

BEAMSで線香花火を売るようになったのは、
東京で行われたギフトショーに出展したことがきっかけ。
そこで次なる新しい商品を探すBEAMSの関係者に声をかけられたそうだ。

ここで私はあることに気がついた。
これまで、WEBからのアプローチを中心に
様々な企業によって流通に大きな変化が起こっていた。
その状況に手を打てない斜陽産業の地方メーカーたちは、
当然のように廃業に追い込まれていたのだ。

そう、地方メーカーたちは、会社の未来のために
ここで次なる一手を打たない限り、
この窮地を脱出することはできないということ。

すなわち、企業はこれまであたりまえだった
流通を当てにせず、新たな流通を開拓して
いかなければならない時を迎えていたのだ。
これこそ、筒井時正玩具花火製造所の行きついた
答えなのではないだろうか。

地方の小さな企業や、その地ならではのこだわりのものを
つくっているメーカーにとって、流通改革は必須である!
小さな企業であってもブランディングを意識し、
ビジネス革新を起こさずして、
次のステージに上がることはできないのだ。

biji (2)

パンフレットも洗練されていてカッコいい!

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線香花火・筒井時正とMr.セイージ

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