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シナジースペシャル

05/19
2014

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“顧客第二主義”の理由

まずはタイトルを見て驚かれる方もいるのではないか。
お客様は神様、という言葉もあるのに
“顧客第二主義”…!?
もちろんこれには理由がある。

15年ほど前、アメリカ国内航空の会社である
サウスウエスト航空の取り組みが話題になった。
CA(当時でいうスチュワーデスだ)の制服に
キュロットやパンツスタイルを採用したのだ。
その裏には「従業員の満足(Employee Satisfaction)」
と「顧客第二主義」というポリシーがあった。
つまり、まずはそこに従事する者が
気持ち良く働ける企業であること。
それが、結果的に顧客満足につながるという考え方だ。

現在でも徹底されているこの理念によって、
1967年に設立され、当初は赤字続きだった
小さな航空会社が現在では全米に路線網を持つ
大手航空会社となった。

従事する者が気持ちよく働く現場であれば
サービスも向上し、お客様も自然と満足を覚える。
すると当然リピーターとなり、
社員はさらに生き生きと働き…。
従業員満足:Employee Satisfaction=ESと、
顧客満足:Costomer Stisfaction=CSは互いに
相乗効果の関係にあるのだ。

最近私が見た企業では、
産直市場グリーンファームはまさに
ESとCSがうまく噛みあっている例だろう。

農家の人たち(生産者兼顧客である)
は自分の作物が食べてもらえることに喜びを覚え、
買いに来たお客様も活気あふれる
市場の様子に笑顔になっていく。
もちろん市場で働いている人たちも含め皆、
実にいきいきとしているのだ。

それから、北海道のお菓子メーカー、
六花亭の取り組みにも感心したことがある。

従業員約1000人を超えるこの会社では、
なんと「日刊」社内報を出しているのだ!
B4のタブロイド判なのだが(その当時は)、
そこには従業員の顔写真と一言コメント、
表彰事例などが掲載されていた。

日刊であるから、いかに1000人企業といえど
年に一度は(あるいは二度三度??)
載る機会もあるだろう。

そして、多くの社員に自分のコメントを
見てもらえるとなれば、それはかならず
モチベーションに繋がるのだ。
これも、立派なES施策である。

ESをどのようにしてつくり出すか、
という問題に答えはいろいろあるだろうが、
一つ言えるのは決して金銭の
報酬だけに頼ってはいけない、ということだ
(一時、成果主義というものが流行ったけれど…)。

お客様から「期待してるよ」「これは良かったよ」
と言ってもらえる環境作りも良いだろう。
それから、上司や社長から
直接褒められる機会があることも大切だ。
人の気持ちは金銭のみによって動くのではなく、
目には見えない満足があってこそ、本当のESとなる。

そしてそのESがやがてはCSにつながり、
会社全体の満足にも繋がっていく。

ESなくしてCSなし!
CSはESとの相乗効果でこそ生まれる。
「顧客第二主義」という一見奇抜な発想の裏の、
こんな相乗効果がこれからの時代必要になってくるのだ。

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サウスウエスト航空の奇跡、というキーワードで知られる

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グリーンファームでは、皆がいきいきと…

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