これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

05/26
2025

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世界一貧しい大統領と呼ばれた “ムヒカ”ウルグアイ元大統領

“世界一貧しい大統領”として知られた、
南米ウルグアイの“ホセ・ムヒカ”氏が89歳で亡くなった。
5月14日の国葬では、
多くの市民が涙を流し別れを告げたという。
(“ホセ・ムヒカ”氏は、2010年から5年に渡り大統領を務めた)

私の“ウルグアイ”の記憶は、ブラジル、アルゼンチンと共に
南米のサッカーの強い国ということくらいだろうか?!

1935年に貧しい家庭で生まれ、大学卒業後は
花売りとして生計を立てていたが、
キューバ革命に影響を受け、左翼ゲリラ組織に入り、
軍事政権下では13年ほど収監されていたという。

冷戦崩壊後の政治空白や経済危機で、
中南米の左派が台頭した1990年代からは政治家に転身。
大統領になってからは報酬の大部分を寄付して
毎月1000ドルで生活を続け“世界一貧しい大統領”として
庶民に親しまれた。

ということで、ムヒカ氏への追悼の意をこめて
ムヒカ氏から私たちへの価値あるメッセージを紹介したい。

◆現代社会の“貧乏な人”とは…

「人類はこの消費社会にコントロールされてしまっている。
“貧乏な人”とは、モノを少ししか持っていない人ではなく、
無限の欲があり、いくら持っていても満足しない人のことなのだ」
→まさに老子の教えが由来の“足るを知る”ということ。

◆就職に対して不安と迷いを持っていた学生に

「学校は就職するために行く場所ではない。
“生きる理由”を見つける場所だよ。
自分が本当にやりたいこと、進みたい道を決めるのが
大学なんじゃないかな」
→まずは、自分は何をテーマに生きるのかを探さなくては?!

◆この現代の不確実な時代について

「われわれは時代の変わり目にいます。
ひとつの世界が去り、別の世界がやって来ます。
しかし去る者はまだ去っておらず、来る者はまだ来ていない。
だからこそ、今は多くの矛盾を抱えた
不確実な過渡期の時代なのです」
→うんうん、まさに今はさまざまな価値観が混在するとき

◆ウルグアイは、風力や太陽光、水力などの再生可能エネルギーで
電力需要のほぼすべてを賄うことができる国の1つ。

「私たち人間は、エネルギーに関して、
環境に負荷を与えるものではなく、
環境に優しいものを探さなければなりません。
なぜなら、私たち人間は地球上に80億人もいるからです。
人間の活動が自然のバランスを変える可能性があり、
その結果、私たちが苦しむことになるからです。
ですから、私たち人間は節制し、持続可能な生き方を学び、
地球上の生命の調和を維持することを学ぶ必要があります」
→SDGsの必要性を分かりやすく語ってくれている。

◆ロシアによるウクライナ侵攻について

「すべての人にとって非常に危険な過ちで、
これはプーチン大統領の責任です。
ロシア国民の責任ではなく、あくまでロシア政府の責任であり、
政府と国民を混同すべきではないと信じています」

「一方で、西側諸国も賢明な態度をとっていません。
ドイツもフランスも、政府の無能に責任があります。
私が若かった頃、世界は似たような危険を経験しました。
ソ連がキューバに核兵器を運び込もうとしたとき、
戦争寸前の混乱にありましたが、政治によって解決しました。
交渉をしたからです」

◆2015年、80歳を目前にして大統領を退任。
翌年、広島を訪れた際には、こんな言葉を残しています。
「地球上で人間だけが同じ過ちを繰り返す」
「私たちは過去の過ちから学んだだろうか」

ムヒカ氏のメッセージは、いかがだろうか?
常に世界であり人類に対して
責任を持って生きてきた人の言葉である。

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ムヒカ氏の言葉から何を思うか

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先取りビジネストレンド

05/26
2025

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5万5657店舗のコンビニが描く、 2030年の新しい経済戦略

2024年の調査だが、日本のコンビニの数は5万5657店舗。
セブンイレブンは21,438店舗、
ファミマ16,295店舗、
ローソン14,694店舗、
ほかコンビニ3230店舗となるわけだが…

日本社会が直面する少子高齢化やAIデフレという
厳しい環境において、一歩先を行く経済戦略が、
身近な存在であるコンビニで行われている。
ある専門家の分析によれば、
コンビニはただ商品を提供する場ではなく、
小売業の未来を切り開く場として進化を遂げているという。
今やコンビニは、今後のさまざまな社会課題をも
解決してくれるかけがえのない基地とも言えるのだ。

【“たかがコンビニ、されどコンビニ!”の理由】

現在、日本が抱える課題は多種多様。
人口減少、働き方改革、医療介護の需要増加など、
いずれも企業にとって難題である。
コンビニはその解決の一端を担うべく、新しい役割に挑んでいる。
“近くて便利”だけでなく“上質なサービス”を提供することで
地域社会に不可欠な存在へと成長している。

AIやIoTの導入により、セルフレジや効率的な在庫管理を実現し、
顧客にとっての利便性と接客の質をも向上させている。
また、健康志向や高齢者向けサービスの充実、
さらにはエコ商品開発を進めることで環境問題にも対応している。
これらの取り組みはすべて、
日本社会が抱える課題に密接に関連しており、
コンビニが推進する中で、人に関わる経済戦略を示している。

【2030年のコンビニエンスストアへの大きな期待!!】

いまや5万5657の店舗が、テクノロジーと
サステナビリティを融合させ、
地域社会に貢献する役割を担ってくれるはず⁈
店舗作業の効率化、環境負荷の低減、
そして社会課題解決への取り組みがキーポイントとなる。

◆店舗オペレーションの効率化
→あるコンビニチェーンは、ロボティクスとAIの導入により
2030年度までに店舗作業を30%削減する目標を掲げている。
ロボットによる品出し、陳列、
厨房調理の自動化が進むと予想される。
→デジタル化によるセルフチェックアウト、オンライン注文、
AIを活用した顧客サービスなども普及。

◆環境負荷の低減
→環境配慮型素材の導入により、容器包装の軽量化、
再生資源の利用、バイオマス素材の使用が進み、
プラスチックごみ削減を目指す。
→省エネ対策のためにLED照明の導入、CO2冷媒冷凍機の導入、
エネルギー管理システムの導入などが進み、
店舗のエネルギー消費量を削減する。
→フードロス削減をテーマに、
食品ロスを減らすための取り組みが強化される。

◆社会課題解決への貢献
→地域防災拠点として防災用品の充実、情報発信、
避難所の役割を担うことに期待。
→生活困窮者支援のための食料支援、生活物資の提供、
相談窓口の設置などが進む。
→高齢者向けサービスとしては、デリバリーサービス、
食事サポート、健康相談などのサービスが充実する。

◆新たなサービスの展開
→ドローンによるデリバリーにより、配送範囲を広げ、
より迅速なサービスを提供。
→AIによるパーソナルな提案により、顧客の嗜好や
ニーズに合わせた商品やサービスの提案が期待できる。
→健康管理サポートをテーマに、健康測定、栄養相談、
運動指導などのサービスが提供される可能性がある。

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コンビニのこの先の経済戦略は

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ファインスピリッツキーワード

05/19
2025

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健康志向なのに?! “背徳グルメ”が拡大する理由

ファミマの“背徳のコンビニ飯”は、
“本能にあらがえない、禁断のウマさ。”がテーマ。
そして先日ある新聞に紹介されていた
プリマハムの“ギルティソーセージガーリックバターチーズ”も
背徳感がコンセプトで、
なんと計画の1.3倍の売れ行きだという。

コロナ禍で健康志向が一気に高まった時代、
私たちは今も何かを我慢しながら日々を送っている…
なのに、なぜか心は“背徳”に惹かれてしまう――
(ダメだと分かっているのに…)

そんな現象が今、グルメシーンを席巻しているのだ。
高カロリーやジャンクフードの魅力を最大限に引き出した
“背徳グルメ”は、単なるトレンドを超え、
現代人の本能と裏側にある“ご褒美欲求”の象徴となっている。

まず、背徳感とは何か?
なにか道徳や常識に反する誘惑、
それが罪悪感と表裏一体で存在するのだ。
健康な食生活を心がけている人も、
夜中にラーメンをひとり楽しんだり、
ダイエット中にお菓子を食べてしまった経験は誰しもあるだろう。

その葛藤の中でも、やめられない理由が
“背徳グルメ”の持つ魔力。


【背徳感ブームの背景とマーケティング効果】

昨年の9月にファミリーマートが打ち出した
“背徳のコンビニ飯”は、背脂やバター、チーズといった
"罪の味"を集めた全8種類の極上ラインナップを展開。
これらは一見して“これはやめられない”と思わせる
パッケージで、SNS映えも抜群。
実際、SNSには“買った!” “作った!”といった投稿が殺到し、
背徳感を楽しむ人々の輪が広がっていたという。

同様に、韓国の進化系ガーリックパン・マヌルパンや、
ドーナッツの生地に肉を挟むルーサーバーガーも、
罪悪感を伴いながら絶品の味わいを追求している点が面白い。

あの山岡家の背脂ラーメンが若者に人気なのも同様だろう。
これらは、まるで“悪いこと”をしている感覚と同時に、
“おいしい!”という幸福感も提供している。

さらに、この背徳ブームの背景には、
単なる美味しさを超えた“自己表現”の側面も見える。
SNS映えを狙ったインスタ投稿や、
ちょっとした贅沢感を味わうための手軽なアイテムとして、
背徳グルメは“自分へのご褒美”“ストレス発散”の
ツールにもなっているのだ。


【“我慢と解放”は食だけでなく、さまざまなところに!】

今後は背徳感を楽しむ文化が定着しつつあり、
健康志向と背徳の両方をうまく取り入れる商品やサービスが
増えていくだろう。

私たちのビジネスでも、健康に気をつかいつつも、
魅力的な背徳グルメも楽しめる提案が大切になる。
また、会社のイベントやキャンペーンでも、
“我慢と楽しさ”のバランスを工夫して、
参加者が喜ぶ新しい体験を作ることが重要となるのだろう。

欲望と健康を上手に両立させることで、
より多くの人に喜ばれる商品やサービスが
生まれる未来となるはず。

そういえば、私が通う整骨院グループでも
院長?!(院の先生方)たちが鍛えた筋肉を競い合う
ボディメイクコンテストを開催しようとしていた。
(なぜか私も、特別参加メンバーに入っていたような…)

これも“我慢と楽しさ”の社内イベントなのだろう。
こうしたムーブメントは、
“我慢と解放”の狭間で揺れる現代人の心を直撃し、
“おいしさと罪悪感”を絶妙に融合させた、
新しい"快楽"の形を提示しているのかもしれない。

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背徳感を楽しむ文化とは

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目からウロコのおすすめ本

05/19
2025

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書店員がおすすめする『カフネ』と 本屋大賞の意味!

2025年4月に発表された本屋大賞は『カフネ』阿部暁子著。
いつもの大手町の丸善で手に取り読み始めた。
3日間で300ページ強を読んでしまった。
(私にしては早い読み終わり)

→法務局に勤める“野宮薫子”は、溺愛していた弟が急死して
悲嘆にくれていた。
弟が遺した遺言書から弟の元恋人“小野寺せつな”に会い、
やがて彼女が勤める家事代行サービス会社
「カフネ」の活動を手伝うことに。

弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。
食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく…
(出版社の紹介文より)という物語。

「カフネ」とはポルトガル語で
“愛する人の髪にそっと指を通す仕草(しぐさ)”のことだという。
そのタイトルは、ラストシーンに呼応するわけだが…
もっと物語にハラハラどきどきを期待してた感はあったのだが、
結果として面白く読ませてもらった。


【書店員の思いが込められた“本屋大賞”は、結構読んでいた!】

もちろんご存知だと思うが…
本屋大賞は、全国の新刊書書店で働く書店員が、
最も読者に薦めたい、または自分の店で売りたいと思う本に
投票して選ぶ文学賞。

読者に読んで欲しいという書店員の思いが込められている書籍。
あの半年に1回選ばれる“芥川賞”や“直木賞”とは
その選ばれるコンセプトが違うわけで…
だからつい手にとってみたくなるわけだ。

◆2019年の『バトンは渡された』瀬尾まいこ著
→読みながら涙したような…映画も観た。

◆2018年『かがみの孤城』辻村深月著
→これはフィクションなればこその展開が…

◆2016年『羊と鋼の森』宮下奈都著
→真面目なピアノの調律師の物語だったような…

◆2014年『村上海賊の娘』和田竜著
→史実に基づいた瀬戸内海の村上海賊の話だった。

◆2016年2位の『君の膵臓をたべたい』住野よる著
→映画も観た記憶が…略称は「キミスイ」である。

ああ2013年の『海賊とよばれた男』百田尚樹著も読んでいた。
鍵山相談役が勧めてくれたあの出光興産の創業者
出光佐三をモデルに描かれたノンフィクション歴史小説だ。
これは上巻、下巻があり結構読み甲斐もあったのだが
ノンフィクションなのに物語の揺さ振りも多く、
楽しく読んだ記憶がある。

これ以外にも手にした本屋大賞の書籍もあるのだが、
さまざまな理由でフィニッシュされずに本棚に並んでいるものも。


【書店員の推薦の本たちを、耳で楽しむ新しいスタイルも?!】

本屋大賞は、本に愛情を注ぐ書店員によって選ばれるため、
選ばれた作品には深い愛着と推薦の理由がある。
日々多くの書籍に触れる彼ら彼女らの視点は、
私たち読者にとって非常に貴重なもの。

本選びに迷うことが多い中、
この賞が示す基準は信頼できる指針であり、
私たちの読書体験を豊かにする大きな役割を果たしてくれている。
この賞を通じて、まだ知らない名作や新しい作家との
出会いが生まれ、読者はより広い世界を楽しむことができるのだ。

先のビジネスイノベーションのゲストに
あの“オーディオブック”の創業者、
株式会社オトバンク 上田 渉会長が出演してくれたこともあり、
もっとたくさんの本を楽しみながらも体験したい私としては、
そろそろ2倍速でも楽しめる
オーディオブックにしてみようかなぁ〜。

みなさん“本屋大賞”に選ばれた書籍、読んでますか?!

耳で聴く“オーディオブック”活用してますか?!

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“本屋大賞”の書籍、読んでますか?!

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シナジースペシャル

05/12
2025

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ソクラテスの質問の哲学と、中島流コンピテンシー・ディスカッション!

このところの私のセミナーでは、
あるテーマに絞りながらも質問を投げかけ
グループディスカッションしてもらうことが多い。
互いにその質問に関しての意見交換を重ねるわけだ。
これが中島流“コンピテンシー・ディスカッション”。
すなわち、成果に結びつくディスカッション
として位置付けている。

そこで、先日手にした『QUEST“質問”の哲学』
(エルケ・ビィス著)という書籍。
この本の“はじめに”には、
ソクラテスに学ぶ“質問の哲学”について書かれていて、
私たちは誰かと一緒に質問を通じて知恵を探ることで、
自分自身に対する理解を深め、
新たな視点を得ることができると…書かれていたのだ。
(うんうん、そういうことだよね)

そしてこの展開により、私たち人間は
互いに“つながりを求めている”のだとも。
個人の成長や社会的な発展において
人々との“有意義なつながり”は非常に重要な要素だという。

【質問を投げかけること、それがソクラテス流“真理の探求”!】

ソクラテスといえば、みなさんもご存知の
“私は何も知らないことを知っている”の哲学者である。
彼は、デルフォイの神託所で最も賢い者と評価されたものの、
自分自身を知識の所有者としてではなく、
常に学び続ける者として位置づけた。
ソクラテスが生きた2500年前頃、確固たる知識を持つことは
名誉であったが、彼はその知識が固定的であることを避け、
常に問いを続けたわけだ。
だから彼は、常にこの姿勢を持ち
誰を相手にしても質問を投げかけ真理を探求したという。

この探求的な姿勢は、私たちが既成の答えにとらわれず、
自らのアイデアを見つけ出す手助けとなる。
良い質問は、単に情報を引き出すだけではなく、
相手との本物のつながりを築く。
相手の意見や経験を尊重し、
対話を通じてお互いの違いや共通点を理解することが、
つながりを生み出すことになるという。
このようなプロセスは、私たちが自分自身をより深く理解し、
他者と有意義な関係を築くための礎となるのだと。

【有意義なつながりをつくる“問答法”?!】

私たちは仲間との“有意義なつながり”を感じたいと願い、
これが私たちの生きる力の源となっている。
特に現代社会では、デジタルコミュニケーションの普及により、
一見つながっているように見える一方で、
本質的なつながりが希薄になりがち。
そのため、意識的に深いつながりを求めることが重要。

ソクラテスの問答法は、
こうした“有意義なつながり”を促進する有効な手段。
彼の対話スタイルは、相手の言葉を尊重しつつ、
深い考察を促すもの。
このアプローチをビジネスや日常生活に応用することで、
チーム内での情報共有や問題解決が
より創造的で本質的に行われるようになるのだ。

例えば、定期的なフィードバックセッションや
ディスカッションを通じて、社員同士の信頼関係を築き、
相互理解を深めることができる。
最終的に、今この世界が必要としているのは
“有意義なつながり”ということ。
これにより、私たちは個々の成長だけでなく、
組織やコミュニティの発展も促すことができるのだ。

うんうん、私の考案した“コンピテンシー・ディスカッション”は
的を射たディスカッションということ。
(自画自賛になってしまった?!)

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ソクラテスに学ぶ

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