時代の流れを定点観測 時流観測所

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カーリングペアレント

先回りして困難を取り除く親たち

失敗は貴重な体験

子どものためを思う気持ちが、時に成長の機会を奪ってしまうことがある。そんな親を指す言葉が『カーリングペアレント』だ。氷上でストーンの進路を磨き、障害を取り除くカーリング競技になぞらえ、子どもがつまずかないよう先回りして困難を取り除く親の姿勢を指す。似た言葉に「ヘリコプターペアレント」があるが、こちらは問題が起きた時に駆けつけるのに対し、カーリングペアレントは“起こる前”に手を打つのが特徴。愛情ゆえの場合もあるが、失敗や葛藤を経験できない子どもは、自分で考えたり立ち直ったりする力が育ちにくく、挑戦を避けるようになることもある。親の役割は、道をならすことではなく、転んだ時にそっと支えること。「失敗しても大丈夫」と伝えることこそ、子どもの自立を育てる最良のサポートだろう。
【参考URL】
https://chanto.jp.net/articles/-/1000693?display=b

3191

ゼッテリア

1号店のオープンから2年で60店舗まで拡大

人気を支える「ワンコイン朝食」

2023年、ゼンショーホールディングスがロッテリアを買収したことをきっかけに誕生した新ブランド『ゼッテリア』。1号店のオープンから2年で全国60店舗に拡大し、ロッテリアが減少する一方で、新業態として勢いを増している。看板メニューは「ワンコインモーニング」。中でも人気のソーセージマフィンセット(490円)は、厚みのある黄身色のマフィンに、スパイス香る生ソーセージとホクホクのハッシュポテトを組み合わせた満足度の高い一品だ。マフィンのバンズはゼッテリア独自の開発で、ふわふわの食感が特徴。さらに、コーヒーはフェアトレード豆をハンバーガーに合うブレンドで提供しており、味にもこだわりが光る。ロッテリアの延長線ではなく、“令和仕様”のアップデートブランドとして、ゼッテリアは新しい朝の外食文化を切り拓いている。
【参考URL】
https://toyokeizai.net/articles/-/885872

3190

イタリア館特別展

万博のシンボリックなアートが再び

事前予約は全日程が完売

10月から大阪市立美術館で開幕した「天空のアトラス イタリア館の至宝」は、大阪・関西万博で話題を集めたイタリア館の展示を引き継ぐ、いわば『イタリア館特別展』。古代彫刻「ファルネーゼのアトラス」とペルジーノの「正義の旗」、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿(紙葉2枚)など、万博でも注目を浴びた作品を各展示室に一点ずつ配し、静かな空間でゆっくり鑑賞できる構成が魅力だ。さらに、日伊親善の象徴である天正遣欧少年使節の主席正使・伊東マンショにも光を当て、会期途中からはドメニコ・ティントレットによる「伊東マンショの肖像」の複製画も展示予定という。一方で、事前予約は開始2日で全日程が完売。当日券販売は停止され、現在は日時指定者のみが入場可能だ。万博で生まれたアートへの熱気は、閉幕後もなお冷めることがない。
【参考URL】
https://www.sankei.com/article/20251022-QWHY33TZOZNTHMDFIGFSEC7YII/?outputType=theme_oriconnews

3189

CO2バター

動植物を介さない代替バター

ニューヨークのレストランで採用

米国スタートアップのSavorが、二酸化炭素・水素・酸素・熱を使って脂肪をつくる独自技術を確立し、今春ついに『CO₂バター』こと「Savorバター」を発売した。風味は本物のバターに近く、乳製品フリーなのにコクがあると話題だ。サンフランシスコやニューヨークのレストランで提供が始まり、年内にはベーカリーや高級レストランにも広がる予定。生産拠点はイリノイ州の旧油脂工場を再生した「SavorWorks1」。週100キロ規模の生産をめざし、将来的にはパーム油や乳脂肪の代替としても市場展開を進めている。微生物を使わず、土地や水の使用を抑えてつくるSavorの脂肪は、従来のパーム油に比べて温室効果ガス排出量をおよそ半分以下に削減できるという。おいしさと環境へのやさしさを両立した「未来のバター」の登場だ。
【参考URL】
https://foodtech-japan.com/2025/05/24/savor/

3188

MUFGスタジアム

国立競技場の新呼称が決定

箱物の従来課題を解決できるか

三菱UFJフィナンシャル・グループが国立競技場のネーミングライツを取得し、2026年1月より『MUFGスタジアム』が新呼称と決定。MUFGは国立競技場の運営会社である「JNSE」とパートナー契約を結び、競技場の価値向上と社会課題解決の両立を目指す方針を掲げている。名称はあくまで通称となり、正式名は国立競技場が維持される。
今後はICT技術の導入や新産業の支援、地域との連携による活用案の実現、文化継承・次世代育成など多岐にわたる競技場の活用を推進していく予定だ。さらに収益性強化のために他企業とのパートナー契約や施設内の命名権販売も進められる。大規模競技場はその維持費が問題となるケースも多く、解決のモデルケースとなるか注目だ。
【参考URL】
https://jns-e.com/mufgstadium/

3187

推し広告

私の推しをもっと知ってほしい

ファンが自腹で広告出稿

『推し広告』とは、自らの応援するアイドルやアーティストの誕生日などに街頭ビジョンや交通広告にファンが自費で出す文化で、韓国発祥のセンイル(韓国語で誕生日)広告が起源と言われている
広告を出す動機としては、推しの誕生日を祝いたい、有名になってほしい、広告を見てほしいなどの声が多く、広告を通じて推しの成功を自分事のように喜び、ファン同士のつながりも強まるなど、新しい「つながり」の形として注目されている。SNSによる情報の民主化は広告の領域まで来たようだ。
【参考URL】
https://prtimes.jp/story/detail/px1NW9U03lr

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コンビニもんじゃ

お手軽だけど味は本格

コンビニグルメの新領域

10月にセブン-イレブンが東京都限定で新商品「もち明太子チーズもんじゃ」を発売。東京名物のもんじゃ焼きを手軽に味わえる『コンビニもんじゃ』として注目を集めている。電子レンジで温めれば食べられる手軽さと、129kcalで間食でも罪悪感のない低カロリーがポイント。
さらに、味の面でもシャキシャキとしたキャベツ、伸びるチーズ、もちの食感、明太子のピリ辛が絶妙にマッチし、もんじゃのおいしさがしっかりと再現されている。SNSでも好意的な投稿が多く発信されており、コンビニグルメの懐の深さがさらに増していきそうだ。
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c5fade00aa86dc819d2d564b85413b4c70e8ed09