3101
JR西日本は、和歌山県有田市の紀勢線初島駅で全国初となる3Dプリンターを活用した『3Dプリンター駅舎』の建設を発表した。3Dプリンターを活用した住宅を提供する「セレンディクス」の工場でパーツを製造し、終電後に約6時間で組み立てる予定。建設や維持管理コストに加え、潮風の影響を受けやすい立地で耐久性の検証も行い、他の駅への展開も検討している。3Dプリンターは迅速な対応が求められる災害復旧にも活用が進んでおり、能登半島地震の被災地・輪島市では排水設備の建設に導入。従来1週間かかっていた工期が5時間に短縮され、強度も2倍以上になったという。一方で、材料となるモルタルの材料費は通常の約2倍となり、コスト面が課題だ。強度や信頼性が求められる構造物への3Dプリンター活用には不安の声もあるが、今後多くの実証実験を経て、その工法も当たり前になっていきそうだ。
【参考URL】
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20250217/3020023236.html
3100
OpenAIが3月25日にChatGPT用の画像生成機能「4o Image Generator」をリリース。そのリリース告知に「ジブリ風の画像が作れる」とアピールし、CEOのサム・アルトマンもXのアイコンをジブリ風のイラストにしたことで、個人だけでなく世界中の政府機関などもジブリ風イラストを生成して投稿。『ジブリ風生成AI』として世界中で爆発的な話題となった。国内大手メディアなどは「著作権上の懸念がある」と報じたが、サム・アルトマンはクリエイティブの民主化のスタートとして現状をポジティブに捉えている。この話題は国会でも取り上げられ、文科省の文部科学戦略官は、最終的には司法で判断されるとの前置きのうえで、「作風やアイデアの類似のみであれば著作権侵害に当たらない」と答弁した。今後はツールの進化だけでなく、司法・立法の対応にも注目が集まることになりそうだ。
【参考URL】
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6b65ed31532204a023c893d01a3bf7d97ec26cf
3099
東京大学は、創立150周年を迎える2027年9月に約70年ぶりとなる新学部、『UTokyo College of Design』を開設。東京大学が持つ幅広い学術知に、デザインの力を掛け合わせ、その実現に取り組むという。デザインを意匠などモノの見た目ではなく課題解決や価値創出の手法と捉え、気候変動や高齢化など複雑な社会課題に挑む国際的リーダーの育成を目指す。すべての授業は英語で実施され、秋入学を採用するなど従来の日本の学校制度にとらわれず、多様な国際人材の受け入れを図る。AI支援や海外留学も活用可能など、ボーダーレスな取り組みでのイノベーション創出が見込まれ、どのような人材が育つか注目される。
【参考URL】
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400261860.pdf
3098
今季、ヤンキースの開幕シリーズでは、1試合9本塁打を記録するなど爆発的な打撃が話題になった。ここで一部の選手が使っていたことで注目を集めたのが『魚雷バット』だ。先端が細く、芯と言われる部分がややグリップ寄りで、その形が「魚雷」に似ていることからこの名が付いた。先端を細くすることで操作性が増し、スイングや打球精度を高められるという触れ込みもあり、いまや日本のプロ野球界にも広がりつつある。内角球に強くなるメリットが期待されているが、長打力に直結するかは現段階では不明。ただ「技術革新の余地はまだある」と気づかせてくれた意味は大きいだろう。フォーム改善だけでなく道具の最適化でパフォーマンスを引き上げる時代へ。今後はスパイクなど他の道具でも、改良の動きが進むかもしれない。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH167NJ0W5A410C2000000/
3097
「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「新しい学校のリーダーズ」を輩出したアソビシステム。この芸能プロダクションが「原宿から世界へ」をコンセプトに手掛けたアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.(カワイイラボ)」、通称『カワラボ』が今、脚光を浴びている。若い世代の共感を呼んでいるのは、メンバー一人ひとりの個性や弱点すら「かわいい」と肯定し、全員が主役になれるスタイル。SNSでバズを生み出す戦略も特徴的で、第1弾「FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)」はシングル「わたしの一番かわいいところ」がTikTok再生28億回を突破。2024年デビューの「CUTIE STREET(キューティーストリート)」も「かわいいだけじゃだめですか?」が50億回を超えた。日本発の新しい「かわいい」は今後、どのように世界へ広がっていくのか。カワラボの挑戦に今後も注目したい。
【参考URL】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH167NJ0W5A410C2000000/
3096
お笑い芸人が『オンラインカジノ』利用による賭博の疑いで活動自粛を発表し、注目が集まっている。気軽にスマホやPCからアクセスできるオンラインカジノだが、日本国内からの利用は、たとえ海外で合法運営されている場合でも「賭博罪」に該当し、違法となる。警察庁によると、2024年にはオンラインカジノ関連で過去最多となる279人が検挙された。とくに若年層を中心に利用が広がっており、平均賭額は月約5.2万円にものぼる。なかには一発逆転を狙うあまり、依存症に陥り借金を重ねるケースも多いという。政府もこの事態を重く受け止め、法規制を検討している。無料版サイトを入口に利用を促す手口もあるため、違法性を知らずに巻き込まれないよう、正しい知識を持っておきたい。
【参考URL】
https://ascii.jp/elem/000/004/257/4257460/
3095
フジテレビ第三者委員会で注目されたデジタルフォレンジック調査。2000年代以降、企業内の不正調査にも活用されるようになり、専門業者によるサービスも登場している。『デジタルフォレンジック』とはPCやスマートフォンなどの電子機器に残る記録を収集・分析し、その法的な証拠性を明らかにする手段や技術の総称のことで、いわばデジタル版の鑑識活動のようなもの。スマホ上で削除されたデータでも、専門技術を使えば復元が可能とのことで、近年ではサイバー犯罪捜査や企業調査において欠かせない手法となっている。ただし端末そのものが必要であり、依頼者側が勝手に調査することもできないため、あらゆる情報が無制限に暴かれるというわけではなさそうだ。情報社会における「証拠」のあり方を大きく変えつつあるデジタル・フォレンジックは、今後さらに広く活用されていくだろう。
【参考URL】
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2504/02/news146.html