時代の流れを定点観測 時流観測所

3248

リジェネラティブ

環境や社会をより良い状態に

農業分野における実践が進む

最近よく耳にする『リジェネラティブ』という言葉。英語で「再生する」「回復させる」という意味を持ち、傷ついた自然や社会を元の健全な状態へと戻していこうという考え方を指す。これまで広く使われてきた「サステナブル」が、環境をこれ以上悪化させないことを重視するのに対し、リジェネラティブは一歩踏み込み、失われたものを積極的に取り戻そうとする発想だ。いわば“守る”から“よくしていく”イメージに近い。たとえば不耕起栽培などの再生型農業や、海藻を育てて海の環境を改善する取り組みがその例にあたる。環境問題が深刻化するなかで、持続可能性のその先を考えるキーワードとして、リジェネラティブへの関心は今後さらに高まりそうだ。
【参考URL】
https://business.ntt-west.co.jp/bizclip/articles/bcl00192-018.html

3247

ダイヤモンド半導体

高温・高電圧・高放射線量でも動作可能

経済安全保障上の重要物質に

ダイヤモンドがいま、最先端技術を支える素材として注目されている。『ダイヤモンド半導体』とは、人工ダイヤモンドを基板に使った半導体のこと。現在主流のシリコン半導体に比べ、高温や高電圧、強い放射線環境でも安定して動作するとされ、発熱が少なく放熱性に優れるのが特長だという。こうした性質を強みに、次世代エネルギーや宇宙開発、原子力関連分野など、過酷な環境での活用が期待されている。さらに人工ダイヤモンドは、半導体の精密加工や量子技術などにも欠かせない重要素材で、特定の国に生産が偏っているとされることから、経済安全保障上の観点でも注目されている。各国が供給体制の強化を急ぐ背景には、先端産業の安定運用を支える基盤を自国で確保したいという狙いがある。
【参考URL】
https://diamond.jp/zai/articles/-/1062763

3246

WILL選考

配属ガチャにサヨナラ

就活生のスタイルに合わせた採用制度

これまで新卒採用では、入社後に会社が配属先を決めるのが一般的だった。しかしその仕組みは「配属ガチャ」と呼ばれ、近年は配属のミスマッチが早期離職につながるケースも指摘されている。そんな配属に関する不安を軽減するために始まったのが、採用時に配属先を確約する『WILL選考』だ。たとえば住友商事では、入社前に希望する部署を選んで応募できる制度を導入。やりたい分野を決めたうえで入社できるのが特徴だ。背景には、将来のキャリアを早くから考える学生が増えていることがあるという。そのほか丸紅やKDDIなどでも同様の制度が導入されている。配属を運ではなく意思で選ぶ、そんな働き方への変化が始まりつつある。若手の早期離職が課題となっている企業は、一度WILL選考の導入を検討してみてはいかがだろう。
【参考URL】
https://diamond.jp/articles/-/362407

3245

AI専用SNS

「Moltbook」が登場

人工知能の自律的進化

人間ではなく、AI同士が投稿し合う『AI専用SNS』の「Moltbook」が話題になっている。掲示板のような空間でボットがやり取りを重ね、人間は基本的にそれを見守る立場だ。背景にあるのは、大規模言語モデル(LLM)を使ったAIエージェントの広がり。クラウド上で動くAI同士がつながり、まるでコミュニティのような動きを見せ始めている。これを「AGI(汎用人工知能)の芽ではないか」と見る声もある。ただし、ボットの発言は人間が与えた設計や指示が出発点。つながって会話しているように見えても、それがすぐに自律した知性を意味するわけではない。それでも、AIが単なる便利な道具から、やり取りを重ねる存在へと変わりつつあるのは確かだ。AI専用SNSという試みは、人工知能がどこまで“社会の一員”のように振る舞えるのかを問いかけている。
【参考URL】
https://forbesjapan.com/articles/detail/91558

3244

CAIO

企業におけるAIの責任者

事業成長のキーマンとなるか

生成AIの普及と企業での活用が急速に進む今、AIの技術面だけでなく倫理面の検討や経営戦略への落とし込みなどを幅広く担う、『CAIO(Chief AI Officer=最高AI責任者)』の重要性が高まっている。
そのタスクは、AI戦略の推進、技術監督、人材・チーム管理、倫理・ガバナンス対応、社内外への教育と発信など多岐に渡る。AIやデータ分析の専門性に加え、経営感覚、リーダーシップ、倫理観や社会性などが求められるため、従来の経営に関わる役職以上に希少な人材とも言える。今後は先進的テック企業だけでなく、多くの企業でも求められることになりそうだ。
【参考URL】
https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/chief-ai-officer

3243

ギフティング

口コミが意思決定に関与

SNS時代の必須マーケティング

『ギフティング(Gifting)』とは、インフルエンサーに商品やサービスを提供し、その感想をSNSに投稿してもらうマーケティング手法。売る側からの広告感を抑えた自然なPRができる点が特徴で、SNSの拡散力を活かした認知拡大や売上促進の手法として一般化している。
無償と有償の2種類があり、無償はインフルエンサーにフィーを払わず低コストで実施できる一方投稿は任意となり、有償はフィーを支払い投稿してもらう形式となる。ステマ防止のための広告表示などは必須だが、ユーザーと同じ目線でのインフルエンサーによる推奨は現在のマーケティングで欠かせない要素と言える。
【参考URL】
https://zeal-security.jp/blog/snsgifting/

3242

100円家事代行

ちょっとしたお願いを頼める

高齢社会でニーズ増加

株式会社「御用聞き」が提供する、5分100円から利用できる『100円家事代行』サービスが注目を集めている。日常のちょっとした困りごとを低価格で依頼できる点が特徴で、2010年に東京で始まり現在は全国13都道府県に拡大。
実際の依頼内容は、換気扇の交換や庭の草刈り、お墓掃除、買い物代行など。ちょっとした家事や外出が難しい人の負担を軽減するサービスとして、分単位料金と柔軟な対応力が生かされている。専門業者より安く幅広い用途で利用できることから、高齢者を中心に生活支援サービスとして今後も需要が高まりそうだ。
【参考URL】
https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20251003_42680