時代の流れを定点観測 時流観測所

2891

心理的安全性

生産性が高くイノベーティブな組織に必須

安心して仕事に集中できる環境づくり

日本の労働生産性が低いと叫ばれ早数十年。その要因の一つと言われているのが『心理的安全性』の低さだ。心理学用語の「psychological safety」を日本語訳したもので、組織の中で恐怖や不安を感じず、常に安心して発言や行動ができる状態のことを指す。Googleが「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」との研究結果を発表したことから注目されている。安心して発言や行動ができると、ルーティン化した業務の見直しや上司への反対意見も積極的に行われ、より組織が効率化していく。一方で、挑戦による失敗で評価が下がらないようにするなど、人事評価を含めた取り組みが求められるため、組織全体を見据えた視点を持つことがカギとなるだろう。「忖度」という言葉がはびこる”古き良き”日本組織は、時点ではまだまだ心理的安全性を高める余地がありそうだ。
【参考URL】
https://mba.globis.ac.jp/careernote/1448.html

2890

ニューロダイバシティ

能力の優劣ではなく特性の多様性

脳分野に進出したダイバーシティ

性別や国籍等を問わず、誰もが働きやすい組織づくりの必要性として、ビジネスの世界ではかなり認知が広まったダイバーシティ(多様性)。それを脳の分野に拡張するのが『ニューロダイバシティ』という考え方だ。経済産業省は「自閉症スペクトラム症や注意欠如・多動症、学習障害等で生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念」と提示。
具体的な取り組みとして、デジタル分野で高いパフォーマンスを発揮する事例がある自閉症・ADHDといった特徴を持つ人物の雇用を促進し、ダイバーシティの普及に加え日本のデジタル分野の発展につなげることを模索している。誰もが自分の力を発揮できる領域で、自分らしく生きられる時代が少しずつ近づいてきているようだ。
【参考URL】
https://www.ntthumanex.co.jp/column/neurodiversity/

2889

東スポ居酒屋

東スポの世界観をそのまま居酒屋に

新聞社のフード・外食事業への挑戦

新聞社の東スポ(東京スポーツ)が2024年1月に東京・上野に『東スポ居酒屋』をオープンした。店内は東スポの一面をポスター化した掲示物なども豊富で、長年の東スポユーザーが楽しめる雰囲気が作られている。なぜ東スポが居酒屋? という疑問も大きいが、実は東スポは以前から「東スポ餃子」「東スポからあげ」といった商品の通販を行うフード事業を展開するなど、経営の多角化に挑んでおり、今後は食以外も含めた商品展開を予定しているという。新聞各社が発行部数の落ち込みで苦戦する中、試行錯誤しながら新たな事業領域をつかもうとしているようだ。
【参考URL】
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/289463

2888

たまてつ

鉄道部品をカプセルトイ化

整備士の魂が込められた商品

鉄道産業各社は、乗客数減少などの影響により軒並み苦境となっているが、鉄道レジャー市場は年々盛り上がりを見せている。そんな中、JR東日本が打ち出したのが、車両整備の際に交換して使わなくなった鉄道部品をカプセルトイとした商品『たまてつ』だ。「たまてつ」の由来は、鉄道を整備する人の魂をカプセルに込めたことから命名された。鉄道部品の役割や整備に関する豆知識などを掲載した「鉄道部品説明書」も同梱され、車両整備の業務や、社員の鉄道魂が込められた商品となっているという。1個辺り500円(税込)で、2月10日からレールヤード秋葉原、レールヤード大宮で販売され、売り切れ次第終了となった。廃材資材が再利用され、さらに鉄道ファンの心を掴む、このような取り組みは、現代に最適な市場として、更なる拡大を見せていきそうだ。
【参考URL】
https://news-trains.com/?p=22404

2887

インスタントハウス

段ボール製の簡易住宅

被災地でプライベート空間として活躍

令和6年元旦に発生した能登半島地震。今も尚、被災地の復旧作業が続く中、移動式住居「ゲル」のような外観を持つ、段ボール製簡易住宅『インスタントハウス』が大活躍しているという。「インスタントハウス」は、名古屋工業大学大学院の北川啓介教授と、株式会社LIFULLが連携して開発した新たな構築物。1棟あたり1時間での設置が可能なだけでなく、断熱性や耐久性、耐震性にも優れていることから、避難所の医療救護室や小さい子供の休憩所としても活用できるという。また、避難フェーズに応じて、移設、備蓄なども容易にできるため、利用後も将来の被災への備えとして再利用していけるというのだ。災害直後、大雪などの影響もあり、体調不良を起こす人も多くいたため、ゆっくり寛げる暖かな空間で、心休まる人が増えていくことに期待したい。
【参考URL】
https://president.jp/articles/-/77942?page=1

2886

メノテック

更年期とテクノロジーを合わせた言葉

海外では6,000億ドル以上の市場拡大見込み

女性特有の健康課題をテクノロジーで解決しようとする「フェムテック」の動きが、ここ数年で活発化しつつある。そこをさらに細分化し、女性の更年期に働きかける『メノテック』市場もまた、注目を集めているという。 女性の更年期や閉経期を意味する「メノポーズ」と、「テクノロジー」をかけあわせた造語である、「メノテック」。特に海外では、職場における更年期障害への理解が進んでおり、社会全体で更年期女性の健康を支えようとする風潮が見られ、メノテック市場の拡大予想はなんと、6,000億ドル以上とも言われている。また、国内では、2022年に厚生労働省にて更年期に関する調査が始まり、更年期に伴うサービスを導入する企業数の増加が期待されているようだ。今後の市場動向も、注視していきたい。
【参考URL】
https://news.infoseek.co.jp/article/prtimes_000000008_000102901/

2885

お祈りエール

就活過程が評価されるスカウト

採用人事側からも、効率化ができると高評価

経済環境の先行き不当面感の高まりなどにより、就活生の安定志向が高まり、大手企業への採用競争が激化しているという。そんな中、テンプレートで来るお祈りメールを、『お祈りエール』として前向きな形に変換しようという取り組みがある。それは、株式会社ABABAがスタートさせた、就職活動の過程が評価されるスカウトサービス。流れとしては、ユーザー企業が、最終面接の不採用通知メール内で「採用できないが、素晴らしい人材だから他社に推薦したい。」という文面でABABAへの登録を促すのだという。そして就活生がメール内のリンクから登録することで、最終面接まで進んだ者としてスカウトを受けることができるというのだ。「お祈りエール」が新たな採用文化として根付いていく日も、そう遠くはないかもしれない。
【参考URL】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000068609.html