10/19
2015
鍵山流“遠慮の仕事道”
つ、ついにこのときが来た~~!!
私が人生の師として仰ぎ、
その考え方に多くを学ばせていただいている、
日本を美しくする会の鍵山相談役が、
人間学を学ぶ月刊誌 月刊『致知』の表紙を飾ったのだ。
(当然、中身の特集ページにも登場)
表紙には、今月の特集のテーマとして『遠慮』の二文字が…!
この場合の遠慮は、一般的に使われている
「人の態度や行動に対して、
慎みを持つ」という意味とは少し違う。
実は、「遠慮」の本来の意味とは、
“遠きを慮る”ことであり
“遠い将来のことをよく考え、
すぐに行動をとらないことで、
態度を控え目にする”というものなのだ。
この『致知』によれば、遠慮とは、「いま」、「ここ」、
「自分の都合」だけではなく、
遠い将来に思いを馳せ彼方此方を慮るという、
つまりは「遠きを慮る」ことの大切さを語っているのだ。
さらに “遠き”には二つの意味が隠されているという。
ひとつ目は、将来の人への思いやり。
ふたつ目は、距離の遠いところにいる人を慮る空間的な広がりだ。
おや、この考え方は、最近私が様々なところで発表している
“タテの発想”に非常に近いのでないだろうか。
例えば、鍵山相談役の考え方に
「日々の積み重ねた通りに人生は創られていく」
というものがある。
それはつまり、今すぐ徳に繋がらないことであっても、
続けていけば自己の成長に繋がるということ。
自身を成長させていくことがタテの精神を伸ばすことになり、
結果的に“徳”を得ることにもなりうる。
鍵山相談役自身、イエローハットの社長時代(当時の社名はローヤル)に
厳しい条件を突きつけられたことにより、
売り上げの6割を占めていた取引先との取引を
鍵山相談役の方からお断りした経験を持っている。
しかし、その決断は当然、大きな痛みを伴うものだった。
薄利で厳しい仕事を社員にやらせ続けることが
果たして遠きを慮った考えなのか?
また、将来的に一緒に仕事をしていく相手なのか?
という疑問を抱き、大きな決断に踏み切ったのだ。
鍵山相談役は、いわずと知れた
掃除道を徹底している方。
凡事とされる“掃除”を徹底することは、目先の得にはならない。
しかし、ロングレンジに考えると
社会にも自分にも徳を積むことができる。
それこそ、先義後利。つまり遠きを慮ることを実践しているのだ。
こうした考えの下
「人間は自分の得にならないことをやらなければ、成長できない」
という信念を通したことで徐々に結果が実り始めた。
鍵山相談役の会社は全体の売り上げも回復し、
一部上場の大企業にまで成長したのだ。
つまり、遠き(将来、広範囲)を重んじて、その時に我慢できるのか?
すぐ目の前にある結果ばかりを求めずに遠きを見据えた行動がとれるのか?
それを徹底することにより、自分自身、会社が成長できて、
選ばれるビジネスにも繋がっていくのだろう。
鍵山相談役の人間性も、ビジネスもまさに『遠慮』が成す仕事道なのだ。