これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

05/12
2025

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“物価高騰”に対抗する 中小企業の“高付加価値化戦略”!

ある調査によると…
2025年2月時点の“おうちカレーライス”1食分は407円。
(→ゲゲッ!おうちカレーが400円超!?)
2024年2月から約3割も上昇したという。
過去10年間を遡ると、15年から21年頃までは
240~300円の間で推移していたが、
2022年5月に初めて300円を超えて上昇傾向に入った。
ここ数カ月もいろいろ上がっていることを加味すると
もしかしたらすでに450円かも?!

24年には天候不順による野菜価格の急騰や円安の影響で
輸入牛肉の値段が上がったことから、急に上昇。
カレーの費用を構成する内訳を見ると…
⇒このところの高騰によりコメは169円で、
前年同月の92円から77円(84%)増加。
⇒肉や野菜などの具材は209円で、
前年同月の198円から11円(6%)の上昇。

何と言っても肉や野菜に加え、米の価格上昇が響いた。
生活になじみ深い“国民食”の値上げは
家計に大きな痛手となりそうだ。

この状況は飲食業界において、原材料価格の高騰が
価格設定やメニュー構成を再考させるものとなる。
特に中小企業やチェーン店での価格転嫁が避けられず、
業務の効率化やメニューの見直しが急務となる。

私たちのビジネスにも当然押し寄せて来るテーマ。
ただ“物価高騰により価格を上げたいのですが…”は、
未来に期待できない経営者のアプローチ。
今後“どう付加価値をつけて価格アップを図るか”である。
ということで、ここからは中小企業における
“ビジ達流”の高付加価値化提案!

【価格アップを図るための高付加価値化⁈】

この状況において、中小企業が価格を引き上げるためには
顧客にとっての“明確な付加価値の提供”が重要となる。
そのためには、まず
“商品・サービスの品質向上”に取り組むこと。

◆差別化であり、サービスの向上!
例えば、地元の有機農産物を利用した飲食店では、
食材の鮮度や味にこだわり、新メニューづくりも含め
他店との差別化を図る。
その結果、顧客からの支持を得るだけでなく、
プレミアム価格での販売が実現できることとなる。
次に、サービスの向上も付加価値の重要な部分。
カスタマーサービスの質を高め、
迅速に顧客のニーズに応えることで
長期的な信頼関係を築くことが可能になる。

◆体験型のワークショップが生む付加価値化!
実店舗における体験型のセールスプロモーションも効果的。
例えば、ホームセンターでは、DIYワークショップを
開催することにより、顧客に自らの手で制作する楽しみを提供し、
店舗への再訪を促すことが可能となる。
これにより、商品購入の際にも少し高めの価格に対して
心理的に受け入れやすくなるという。

◆SDGsへの取り組み!
さらに、環境や社会課題への取り組みも、
現代の生活者にとって重要な付加価値化。
例えば、エコバッグや再利用可能なパッケージを導入することで、
環境意識の高い顧客の支持を受けることが可能に。
このような取り組みを通じて、ブランドの価値が向上し、
高価格でも購買されやすくなるという。

↓ ↓ ↓

これらのアプローチを通じて、中小企業は単なる価格上昇ではなく、
顧客に対する明確な価値提案を実施するとで、
持続的な成長を目指すことができることに。
競争が激化する中で、どのように付加価値を創出し
顧客との関係をどう構築するかが、今後の成功の鍵となるだろう。
ちなみに、例の"文化資本経営”も高付加価値化の一つ!

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一杯のおうちカレーから見えるのは…

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04/14
2025

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“3COINS”の知られざるヒット商品。 いまどきの対応を、柔軟に、かつ迅速に!

先日、東京ドームシティの“3COINS”で、
人気の“吸水アームバンド”を入手して使ってみた。

洗面所で顔を洗うたびにシャツの袖口が濡れていたわけだが、
しっかり吸収してくれて袖口はもちろん、
洗面台も水浸しにならずに済んだのだ。
So good!
(ちなみに、これって女性用?! 今どきは男性も使っているはず…)

洗顔時の袖口や床の濡れを防ぐ機能で注目され、
210万個以上が販売される大ヒット商品になっているという。
今回は、このアームバンドと野球帽(雨のとき用掃除グッズ)、
そしてちょっとオシャレな皿2枚を購入した。

実は、私が通うフィットネスクラブがある
ドームシティにもあり、度々立ち寄っていたのだ。
このところは無印良品でもなく、100円ショップでもなく
“3COINS”を選ぶ若者が多いという。
ということで、改めて人気の理由を探ってみたわけだ…


【“3COINS”の商品企画と店頭までのスピード】

先日の日経MJにもこの辺のことが、紹介されていたわけだが…
“スリーコインズ(3COINS)”は、その名の通り
300円という手頃な価格帯で多彩な雑貨を提供することで、
多くの生活者に支持されている。

運営するパルは、店舗数を全国で350店にまで拡大し、
日経MJ“キラーテナント”でも、アパレル・雑貨部門で
第1位に選ばれるなど、高い評価を受けているという。

“3COINS”の成功の背景には、
商品企画のスピードや消費者ニーズへの的確な対応能力がある。
“3COINS”の強さの一つは、現場が企画した商品を
素早くカタチにして店頭に出せるというスピード感。

この迅速な商品化の背景には、
自由な社風と従業員の裁量の大きさがある。
商品企画担当責任者の下で、ほぼ全ての企画案が
通るようになっていて、実際にこれが数々のヒット商品を生む
原動力となっているという。


【“社内インフルエンサー”の存在と、今どきの戦略】

また、“3COINS”では、生活者の使用シーンやニーズを
“社内インフルエンサー”が紹介することで、
商品の使い勝手の良さを伝える戦略も取られている。
→社内に“インフルエンサー”がいるってことだ!

パルとしては商品広告はほとんどしない代わりに、
SNSで情報発信を展開。
実は店舗スタッフとしても働く
90人に及ぶインフルエンサーが活躍しているのだと。

そして投稿の閲覧数や“いいね”の反応の良し悪しを分析する
スーパーバイザーも存在するという。
→これらの今どきのバックグラウンドがヒットの理由だろう!

そして、シンプル過ぎず色合いやデザインが工夫された商品群は、
消費者に“掘り出し物”に出会う楽しさを提供し、
“今買わなければ次はないかもしれない”といった
購買意欲をも掻き立てている。

“3COINS”としては、更なる店舗展開と共に、
オンライン販売の強化を考えているという。
生活者の購買行動がオンラインへシフトしていることに対応し、
デジタルマーケティングを強化することで、
一層幅広い顧客層に訴求していくことを目指しているのだ。

“3COINS”の商品コンセプトは、
生活者の“日常にちょっとした幸せを提供する”。
そう!“日常のちょっとした幸せ”も
どんどん変わっていくからねぇ~。

今後も消費者のニーズをしっかりと捉え、
その人気はさらに高まっていくことだろう!
“いまどき”の対応を、柔軟に、かつ迅速に!である。

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“3COINS”の吸水アームバンド

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04/07
2025

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大きな変化の70年と、 驚異的変化の令和時代への適応!?

私が生まれた1955年からの70年間、 
私たちは大きな技術革新と社会変化を経験してきた。

私が育った北海道の日高山脈の麓の十勝では、
1960年代の農家には、まだ農耕馬がいて、
一緒の家族として育った記憶が…
その証拠に、私の脚の向こうずねには、
馬に蹴られた傷痕がいまだに残っている。
それから数年でトラクターなるものが現れ、
広い畑を走り回るのは、馬ではなくトラクターに替わっていた。

家族みんなで協力してやっていた手間のかかる牛の乳搾りも、
あるタイミングで自動搾乳機“ミルカー”が現れ、
たくさんの牛を捌ける環境に変化していったのだ。
ということで昭和時代には、
戦後の経済成長と技術の進化があったが、
これらは比較的時間をかけての進展だった。

【平成、令和へとその変化は加速!?】

一方で、平成を経て令和時代に入ると、
その変化は一層加速することに。
コロナパンデミックもあり、特にデジタル技術の発展は、
私たちの生活様式やビジネスの在り方を劇的に変えていった。
この変化を余儀なくされている理由は、
主に情報技術の革新とそれに伴うグローバル化。

まず、インターネットの普及による情報伝達速度の向上は、
世界を瞬時に結びつけることにつながった。
AIやIoT技術の進歩は、産業のオートメーション化を促進し、
リモートワークやオンラインサービスの普及を加速。
これにより、地域や時間の制約を超えた働き方や
生活スタイルが定着した。

また、消費者行動の変化も無視できない。
インターネットの発展により、
消費者は膨大な情報へのアクセスが可能となり、
より高度な選択肢を求めるようになった。
これに対応するため、企業は迅速な変革を迫られることに。

私のような昭和中頃から育った人間にとっては
このところの変化のスピードは、とにかく驚異的なのだ。
ということは、私たちのビジネスにおいても
これらの変化に適応するための手段が必要ということ。

【驚異的変化への対応方法として】

その1 ◆柔軟性と継続的学習の重要性
技術は絶えず進化している。
個人レベルで新しい知識を学び続けることは、
生き残るための鍵となる。

その2 ◆デジタルスキルの向上
デジタル技術が日常化した現代において、
ICTスキルの向上は不可欠。
これにより、変化するビジネス環境にも適応力を発揮。

その3 ◆持続可能なビジネスモデルの策定
短期的な利益ではなく、長期的な視野で
持続可能性を考慮したビジネス戦略が必要。
フォアキャスティングではなく、バックキャスティング思考へ。

その4 ◆社会貢献と環境配慮
技術の進化がもたらす社会への影響を考慮し、
倫理的かつ環境に配慮した取り組みを重視すべき。

ここに“その5”を加えるとすると
「人と文化の資本経営」をおすすめする。
私が経営に関わってきた40数年を振り返ると、
一見お金になり難い“人と文化”に関わる施策であり事業展開が、
ブランディングに貢献したように思えてならないのだ。

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最近の変化のスピードに適応するには

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03/10
2025

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“3秒敬語”って、知ってる? 令和の新常識、続々と!

「先輩に、今日までって言われた企画書、
マジに手をつけてないんだけど...どうしたらいい?!」
↓ ↓ ↓
「先輩に、今日までにご提出いただくよう指示されていた
企画書ですが、まだ着手できておりません。
どのように対応すべきか、ご助言を賜りたく存じます」

【“3秒敬語”アプリが登場!!】

冒頭の文章は“3秒敬語”というアプリを使って出てきた文章。
“3秒敬語”は、カジュアルな日本語を
ビジネス向けの丁寧な敬語に変換するAIツール。
その名の通り、わずか3秒程度で
文章を洗練された敬語表現にしてくれる。
そして、その先輩が外国人だとしても…
→I haven't even started working on the proposal
that was due today, which my senior asked me to do...
What should I do?

いまや、ミレニアル世代でありZ世代のライフスタイルや
傾向に合わせてのさまざまなサービスが登場している。
あの“退職代行”もその一つかもしれない?!

【令和はコスパからタイパへ、そしてスペパへ!】

“コスパからタイパへ”ということだったが
いまや“スペパ”が注目されている。
“コスパ”と“タイパ”の説明はここではしないが、
“スペパ”とは、“スペースパフォーマンス”のこと。
日本語では“空間対効果”のこと。
家庭やオフィスの室内など、限られた空間の
効率的な利用法について言及するときに、
スペパという言葉が使われるようになった。
↓ ↓ ↓
[“3秒敬語”を使って口語訳]

“コスパからタイパへ”って感じで、
今や"スペパ"が超注目されてるんだって!
"コスパ"とか"タイパ"の説明はいいとして“スペパ"ってのは、
"スペースパフォーマンス"のことなんだって。
日本語だと"空間対効果"って言うらしい。
要は、家とかオフィスとか、狭い場所を
めっちゃ効率的に使う方法のことなんだって。
最近、この"スペパ"って言葉よく聞くよね!
→若い子らの話を訳してくれる“3秒口語”も欲しいかも?!

ということで、アイリスオオヤマでは
“新生活はスペパ!”をキャッチフレーズに
新生活シリーズとして“スペパセット”を販売。
限られたスペースを広く有効活用できるよう
スリムな家電や家具を揃えた新生活セットの販売を
スタートさせたという。

【そしてついに“タイパ宴会”が登場!】

 “倍速視聴”“倍速美容”と、時間当たりの効果
“タイムパフォーマンス”を上げる“タイパ”が注目されて
ついに“タイパ宴会”が登場。
これまでは歓送迎会などの宴会が、年間を通して多数
開催されていたのだが、コロナ以降宴会が激減。
その後、働き方やライフスタイルが変わり、
時間に対する意識も変わりはじめ“宴会が長い”の声を反映し
“タイパ宴会プラン”を考案。
上司の挨拶・説教・自慢話禁止(60分コースのみOK)
お酌禁止/一気飲み禁止/割り勘禁止/延長禁止
スマホいじり禁止(15分コースのみ)/二次会禁止…

果たして…
これら若者のライフスタイルであり価値観に合わせた
アプリでありサービスを次から次へと
提供していいのだろうか?!
これもダイバーシティへの流れだとも思うが、
これら価値観がさらに進化していく可能性があることも
理解しておきたい。

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ミレニアル世代でありZ世代に合わせたサービス!?

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02/17
2025

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蔦屋重三郎による“吉原”からの革新!

先日お邪魔した“べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館”。
番組『べらぼう』の見どころを写真や映像により
かなり充実した内容であれこれ紹介されていたのだ。

マイクロバスによる“吉原”含め
ドラマに関係する現地訪問も企画されていたほど。
(もちろん、時間さえ許せば行ったのだが…)

私がそのドラマ館で興味を持ったのは…
「吉原の貸本屋から“江戸のメディア王”となった蔦屋重三郎。
“蔦重”はなぜ、時代の寵児となりえたのか?
“蔦重”は、何が凄かったのか?」
と投げかけ、いろいな角度から発信されていた。

実は、“株式会社クオーターバック”は、
さまざまな大手企業が発信する定期情報誌を
あれこれ多く企画・編集制作していたのだ。

まさに、それらのターゲットを意識して
興味を持って読んでもらえる情報誌を創らないことには、
継続してお手伝いさせてもらえなかった。
だから常に“蔦重”的発想力が求められていたということ。


【“蔦重”の革新と吉原の影響】

蔦屋重三郎が他の本屋と一線を画した理由は、
彼の“戦略”にあった。
それは“広告”という当時の新しい概念を駆使した
ビジネスの革新。

彼は単なる本の販売に留まらず、本自体を広告媒体とし、
販売行為そのものが広告であるという
独自の視点を持っていたという。

たとえば、『吉原細見鳴呼御江戸』の出版では
文化人・平賀源内に序文を書かせ、
吉原という地域のブランドを際立たせることで成功を収めた。
こうして“蔦重”は、自分たちが最先端であるという
イメージを確立していった。

また、“蔦重”の革新の背景にあるのは、
彼が育った“吉原”の環境。

吉原は“通”という美的感覚を競う場であり、
文化度の高い人々が集う場所。
“蔦重”はここでの交流から洗練された美意識や
人との付き合い方を学び、
これを生かして彼独自の出版戦略を構築したという。

吉原という文化のサロンで
多くの知識人とのネットワークを持ったことが、
“蔦重”の発想を豊かにし、
新しいものを生み出す力となったのだ。


【“蔦重”のプロデュース力】

蔦屋重三郎がプロデュースした作品には、
“喜多川歌麿”や“東洲斎写楽”といった、
後に非常に有名になる浮世絵師が含まれている。
でも“蔦重”は浮世絵を多く出版したわけではないようだが…

彼はまず浮世絵出版の権利を得て、
それから斬新なコンテンツを展開していくという手法で
他の出版者とは違った道を歩んだ。

誰も知らない絵師を起用して新しい作品を生み出すなど、
常に新しいことに挑戦していった。
(やっぱり、新しいことにチャレンジしないとねえ~)

彼のこうした挑戦は、
江戸の文化を牽引する存在へと“蔦重”を押し上げた。
厳しい出版統制により逆境に見舞われても、
“喜多川歌麿”の美人大首絵で成功を収め、
“写楽”を見出して大衆文化に影響を与え続けたという。

“蔦重”の成功の裏には、多様な人間との信頼関係と
機敏な市場感覚があり、その発想力は
現代のビジネスにも通じるものがあることは間違いない。

そして、彼が時代を先取りするための確かな基盤は
“吉原”という文化遺産にあったことも間違いないだろう。

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『べらぼう』の見どころが満載の大河ドラマ館

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