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2015
“青天の霹靂”がNO.1に!
“青天の霹靂”といえばことわざを思い浮かべるが、
今回ご紹介するのは「青天の霹靂」というお米。
商品の背景を聞いてみると、
このネーミングがあまりにも見事で驚いてしまったのだ。
“青”は青森から、“天”は北国の青い空から、
“霹靂”は業界の鮮烈な存在になるように、
という意味で名付けられたのだ。
そんな「青天の霹靂」を知ったのは、
新宿高島屋の米蔵山田屋という米屋。
そこの売れ筋商品を聞いてみたとき、
最も売れていたのが青森県産の「青天の霹靂」だった。
今年から販売を開始した商品なのだが、
もう売れ筋NO.1とは驚いたものだ。
青天の霹靂とは、予期せぬ事態が突然起きることを指す。
ちなみに霹靂とは稲妻や激しい雷雨のこと。
そもそも、何故雷のことを稲妻というのだろうか?
それは稲が実る頃に雷が多いから。
言葉の意味も成り立ちもお米にかけた、
見事なネーミングである。
米蔵山田屋の売れ筋は、青天の霹靂に続いて
「つやひめ」、「ゆめぴりか」、
「南魚沼産コシヒカリ」、「魚沼産コシヒカリ」
の順になっている。
多くの人たちから選ばれていたコシヒカリは、
ベスト3からもれてしまっているのだ。
ということで、近年人気なのは青森県、
山形県、北海道というより寒い地方のお米。
温暖化で美味しい生産地が北上したということかと思ったが、
寒い地方が台頭してきた理由はそれだけではない。
地道な品種改良を行うことで、
寒さに強く美味しい品種が増えているようだ。
「青天の霹靂」も、2015年の発売までに
10年もの開発期間があったそうなのだ。
ということで、中島流はもちろん“体験”である。
先日3合炊いて食べてみたが、これが本当に美味しい。
一粒一粒大きく、粘りとキレがあり、
上品な甘みが口に広がるのだ。
(あ~、この表現は産地からのメッセージそのままだった。)
とにかく、水加減もほどよく、
美味しくいただくことができた。
この美味しさでお値段は5キロ3,500円!
山田屋の他の人気商品は同じ量で
4,000円を超すくらいの値段なので、
美味しさを考えれば割安に感じられる。
とはいえ、10キロ4,000円などの安いお米と比べたら、
高価であることは間違いない。
それでも多くの人が美味しいお米を買う時代になっているのだ。
現在はどの家庭でもお米をそんなに食べない傾向にある。
すると、求められるのは安さではなく質。
安いものをたくさん食べるのではなく、
質の良いものを美味しく食べたいという声が、
これらの高級米のヒット要因の1つだろう。
生活者は本物嗜好に移り変わり、
安心安全で美味しいものの需要が高まっているのだ。
私が以前から唱えている
“パラダイムシフト75”で考えてみても、
価値観の変化のタイミングが訪れていることは間違いない。
値段の安さだけで選ばれる時代は既に終わった。
質の高い本物や支援する理由があるものを
選ぶ時代が訪れつつあるということだ。