06/03
2013
「パンかけ醤油」のギミック
パンにかけるは…醤油?
ユニークなネーミングで話題になっている「パンかけ醤油」。
福岡県の創業160年以上の老舗醤油屋によるチャレンジ商品だ。
和の醤油と西洋のパンという意外な組み合わせが口コミで広がり、
多くのメディアにも取り上げられ若者にも注目されているという。
さっそく私も入手し、輪切りのフランスパンに醤油をかけて食べてみた。
ふむふむ、けっこう美味しい。
普通の醤油と違って、りんご果汁が入っているため(?)、
甘辛いデザートソースのような風味を味わえる。
しかしこの醤油、
「パンかけ」と名乗っているがパン以外とも相性がよいらしい
(と、付属のレシピに書かれていた)。
ということで、いくつか試してみた。
自家製ヨーグルト(私がず~っと作り続けている自慢の…):
けっこういける。もっと甘さが欲しかったが、
はちみつを少し垂らすことで代用。
豆腐:
絹ごし豆腐にかけると、どことなくプリン風味。
牛乳:
コーヒー牛乳風になるらしいが、
美味しい味がついた牛乳といったところだろうか。
バニラアイス:
通常の味に変化を楽しみたい人にはうってつけかもしれない。
今回試せなかった組み合わせもあるのだが、
全体的に美味しくいただいた。
価格は400円前後という普通の醤油より当然少し高めの設定だが、
これだけ楽しめるのなら納得できる価格かもしれない。
これまでの400円前後のヒット商品といえば、
「食べるラー油」か? 「塩麹」も話題になったなぁ。
ラー油は、主婦たちの間で食べ方の工夫などの口コミで大ヒット商品に。
塩麹もSNSやメディアで話題を呼び注目を集めた。
もちろんこれらがヒットしたのは、
話題になる前に商品が“いいもの”であるというのが前提だが…。
では“いいもの”なら何でもヒットするのだろうか。
「いいものは売れる」という言葉がある。
しかし、いまや「“いいものは必ず売れる”とは限らない」のだ。
現代において、いいものを売るためには、
つくるだけでなく売れるための戦略を考えなければならないからだ。
すなわち、“いいものは必ず売れる”は終焉したのだ。
パンかけ醤油のように、
老舗の醤油屋が思い切ったチャレンジ商品を出す際には、
全国の人が購入できるようにネット通販を活用。
さらにクチコミなどで話題になるための仕掛け(ギミック)を
作っていかなければならないということ。
このように、“いいもの”で終わらず、
“何がよいのか”、“どこが違うのか”を伝えるために
しっかり発信していく仕掛けをつくっていくことが大切なのだ。
いまやギミック(仕掛け)なくして、
偶然のヒットなどありえないということだ。
イイ商品づくりと、ギミックはセットで考えよう。