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01/09
2024

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超短編の“140字小説”が大ヒット! その訳は?!

知ってるだろうか、数十秒で読み切れる140字の小説を?!
出会いと別れ、そして再会の恋愛物語。
あるいは一瞬でオチに至るミステリー。
いま、超短編の「140字小説」が話題を呼んでいる。

ベストセラーの『すべての恋が終わるとしても』(冬野夜空著)は、
140字小説で凝縮された恋愛小説を描く。
そしてもう一つの注目の超短編は、方丈 海(ほうじょう かい)著の
『#140字小説 -「1話30秒」の意味が分かるとゾクッとする話 -』だ。

『すべての恋が終わるとしても』 はTwitter(現X)で発表されていた
140字の小説をまとめたもので、TikTokで紹介されて口コミで評判となり、
品切れからの重版が相次いでベストセラーとなった。
140字小説は1投稿で1話が完結する新ジャンル。
これ以上なく手軽なエンタメ性に若い女性たちが魅了されているという。

せっかくの140字超短編なので、選りすぐって一つだけ紹介しよう。
タイトルは「僕の影響」。

↓ ↓ ↓

君の勧めるご飯も曲も好きになった。
君との共通の話題が欲しくて触れていたから。
「ふふ、好きになってくれて嬉しいなぁ」
そう陽気に笑う君。

でもそれがなんか悔しくて、聞いてしまった。
「じゃあ君は、僕の影響で好きになったものとかないの?」
1拍の逡巡を置いて、答えた。
「……あなたのこと、かな」

↓ ↓ ↓

いかがだろうか。 
140字でも、その心の動きが伝わっただろうか。
140字という制約の中で恋の始まりと終わりを描いた作品は読みやすく、
そして心に刺さりやすく、次もまた次もといった感じに読み進んで行く。
そしてまた読み返して、しみ出してくる感動を味わいたくなるわけだ。
タイパの時代には打って付けのエンターテイメントかもしれない。

その昔、超短編小説”ショートショート”という星新一さんの小説があった。
『ボッコちゃん』『気まぐれ指数』『未来いそっぷ』etc.
星新一さんのショートショートだけは、結構読んでいた。
それらの作品はSF小説だったこともあり、どれも不思議でユーモラスで、
ちょっとブラックで、そしてあっという間に読み切れる。
そして装丁であり挿絵を描いていた和田 誠さんの絵のイメージも良かった。
私もその頃は長編の小説を読む時間もなく、ほとんど読まなかったわけだ。

あ〜そういえば1990代に星新一さんに直にインタビューした記憶が…
(急に思い出した?!)

ある外資系の大手化学会社の季刊情報誌の企画編集を
お手伝いさせていただいていたころ、
星新一さんが日本のある科学会社の社長をしていたこともあり、
取材させてもらったのだ。
いま思えばスゴい人に取材させていただいたのだが、
やっぱり気さくで、SFチックなセンスある人だったなぁ。 
(ちょっと自慢)

話は戻るが…
いまや、ミュージックや映画、注目のキーワードやパフォーマンスはもちろん、
ヒット商品も、お店の行列も、そして今回の小説のベストセラーまで
そのほとんどにSNSが関わり社会を演出するようになったということ。
これまでの新聞・雑誌やテレビ・ラジオなどのマスコミが
リード役では無くなったことは間違いないようだ。

多分、これらヒット商品やキーワードだけでなく、
企業における働き方や仕組みづくりも含め、
ビジネスのさまざまなものを次なる時代に向け
しっかり舵を切る時が来ているということなのだろう。

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『すべての恋が終わるとしても』(冬野夜空著)

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