これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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熟ジュクア・ラ・カルト

12/22
2014

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バイキングは煩悩の増長

ジュワ~。サクッ!
店内は油の弾けるいい音でいっぱい。
お客様方は具材が刺さった串を手に、
楽しそうに串揚げバイキングを楽しんでいる。
う~ん美味しそう、そして楽しそう!
私もついつい、食べ過ぎてしまった…。

セルフサービスの串揚げバイキング店
「串家物語」は、あらかじめ用意された具材を
お客様が自分で揚げる方式を取っている。

前々から知ってはいたが、
若い知人に誘われて、先日初めて入店した。
この店ではどんな具材を
どれだけ揚げてもOKで、
サラダやデザートなど串揚げ以外の料理も豊富だ。

気になる料金はと言えば、
70分の時間制限付きで、大人1600円!

キャッチコピーの
“揚げる楽しさ。選ぶわがまま。”
通りの楽しみ方ができる店なのだ。

さてここで、ビジネスモデルとしての
「串家物語」を考えてみよう。

普通、串揚げというのは
熟練の職人が揚げるもの。
それを、お客様自ら表示された
目安時間に沿って揚げてくれるのだから、
店員は具材を切り分け串に刺すだけ。
つまり、アルバイトだけでも
十分対応できる仕事だということ。

コストを抑えつつ、
お客様に満足を提供できるという意味では、
なかなか面白いビジネスモデルと言えるだろう。

ただ、私が気になってしまうのは
バイキングという形式だ。

実は、食事をしている最中、
こちらの若い女性はエビの串を15本ほど、
あちらの若い男性客は牛肉の串ばかり、
1人で20本ほども(!)鷲掴みにして取っていくのだ。
う~ん醜い、見たくない…。

かく言う私自身も、
いつになく食べ過ぎてしまった。
バイキングという形自体に、
こうした人間の欲望を増長させてしまうものが
あるということ。

自分が節制すればいいじゃないか、
という意見もあるだろうが、
人は目の前にあるとついつい手が伸びてしまうもの。
深刻な食糧難に見舞われる国がある一方で、
先進国では食品ロスが問題になっている。

食べ物への感謝の念が薄れたこと、
人々のマナーやモラルが低下したことが
その一因だろうが、こんなバイキングの機会が
それをもっと増長させてしまうことは
間違いないだろう。

サステイナブルな社会を実現するために、
これからは人の“煩悩”を抑える方法を
模索するべきなのだ。

ところが、バイキングでは、
人はついつい「食べたいだけ」
「食べたいもの」を食べてしまう。
こうした人の煩悩を増長させる
ビジネスモデルには、やはり問題があるのでは?

人の心も、体も、健康にさせる
「志」のあるビジネスでなくては!

ちょっと胃もたれのお腹を気にしつつ、
改めてそんなことを実感したのだった。

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人気店串家物語!

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お店の前には行列が…

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お得?な料金

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卓上で揚げられる形式!

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熟ジュクア・ラ・カルト

12/01
2014

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“返金保障”は斜陽の証

生鮮食品・満足保障プログラム!
“ど生鮮! 全額返金保障!”

あるスーパーマーケットの店内で、
吊り下げられた横断幕に書かれた
こんなキャッチフレーズ。

店内商品の鮮度や品質に不満があれば、
全額返金するキャンペーンだという。

この店はもともと「低価格」をウリにしており、
これによりお客さまからの満足度を
向上させようという狙いなのかもしれないが…。

私からすると、これはまったくの逆効果、
斜陽の証だと言える!

というのは、お客さまの本当の満足は、
接客や商品の品質、そして値段やアフターケアなどが、
トータルに合わさって生まれるから。
そして、それがカスタマー(常連客)になる
きっかけにもなるのだ。

なので“返金保障”などと
「お金」だけに注力したキャンペーンは、
「お客さま=お金(価格)だけで店を選んでいる」
と解釈されてもしょうがないのだ。

このキャンペーンの傾向は、家電量販店にも見られる。
例えば「他店で当店より安い価格で販売していた場合、
言ってくれたらそれ以下にします」というフレーズ
などが代表的なものだろう。

このように価格に照準を当てた集客姿勢は、
サービスのどこかにひずみを生み、
結果、多くのお客さまの
信頼を失うことにつながるのだ。

冒頭で紹介したスーパーマーケットは、
世界最大のスーパーマーケット
「ウォルマート」の傘下だというが、
近年その経営状況は思わしくないようだ。

実際、「低価格」を実現するために、
価格以外のサービスがしわ寄せを
受けてしまっていることは否めない
(スタッフが少ないこともあり機械的な接客だし、
野菜の上を虫が這っていたこともあった!)。

常にお客さまの立場に立った
サービスを提供し続けることが、
選ばれ続けるためには必要なのだ。

そんなスーパーマーケットの
サービスの質を測る1つの目安として、
私が提唱しているのが「集客アジ理論」。

これは、その店が提供している“アジフライ”の質で、
サービスに対する店の姿勢や
今後の経営を推察できるというもの。

アジフライは、決して高額ではないが、
味は店によって大きく違う。
美味しいアジフライを作るためには、
鮮度の良いアジを用意するのはもちろん、
調理の技術も必要だし、
お客さまの手に渡るまでの品質管理も重要だからだ
(うんうん、すばらしい理論だ)。

つまり、美味しいアジフライを提供している店は、
それ以外の商品やサービスも質が高いということなのだ
(今回の店のアジフライは…言わずもがな)。

価格だけでなく、手間をかけ
お客さま本来の満足につながるサービスを展開しないことには、
お客さまをカスタマーにすることはできないのだ。

食品店に限らずどのビジネスにおいても、
価格を重要視しすぎることは、サービスや品質の劣化にもつながる。
すると、それまでのカスタマーまで
逃がしてしまう可能性が出てきてしまう。

目先の集客ではなく、サービス全体の品質向上こそが、
お客さまから選ばれ続けるための「理由」となるのだ。

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アジフライで見るサービス品質!

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07/22
2014

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エナジードリンクが増大

疲れたときや、頑張りどきに一役買っている、栄養ドリンク。
昔はユンケルやリポビタンDなどの
指定医薬部外品のものが主流だったが、
最近では「エナジードリンク」と呼ばれるものが
若者たちに支持されているという
(実はこれらはあくまで“清涼飲料水”の仲間なので、
栄養素は少ないのだとか!)。

それはともかく、そんなエナジードリンクが最近、
“増大”している。

どこで増大しているのか、
それは「道端に捨てられている空き缶の数」だ。

毎朝のゴミ拾いでレッドブルの空き缶を拾うこともしばしば。
中にはタバコの吸殻が入っている缶も…。

エナジードリンクは若者にとって
かっこいいイメージがあるそうだが、
ゴミを道端に捨てているようでは
「かっこいい」とは言いがたい(むしろかっこ悪い!)。

また、毎朝いろいろな缶やペットボトルが捨てられているが、
コーヒーの空き缶にタバコの吸殻が
入れられ捨てられていることが多い。

すなわち、喫煙者たちはコーヒーを飲みながら
一服する人が多いことが分かる。
また、道端に缶を捨てるマナー違反の人が多いことも
(このデータ分析は、
私の10年の空き缶拾いの実績から割り出されている)。

そのことはともかく、私が心配しているのは、
若者たちの“品格”の低下。

エナジードリンクも、タバコも、
利用するのは個人の自由だが、
こんなありさまでは品格が疑われてしまう。

いま、2020年の東京五輪開催に向けて、
国内では日本を世界に発信するために
様々な準備が進められている。

そんな中、今後も増加するであろう外国人観光客が、
一番多く触れるのは日常的な日本の様子だ。
だからこそ、日常的な部分から
品格ある日本を世界に発信しなければならないのだが…
(残念だが、この現状のままでは
民度が低いと言わざるをえない)。

私も60近くの年齢になったが、
まだまだ品格ある人間を目指して日々の行動を心がけている。
五輪だけでなく、ビジネスにおいても、
日本を世界に発信するためには、
一人ひとりの“品格”をもっと重要視する必要があるだろう。

まずは身近なところでの“マナー”を守ることから!
そして“美しく、生きる”の実践だ!

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“品格”ある発信は、マナーから!

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数十メートルの距離で、こんなに!

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07/07
2014

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ツアー客向け“カモネギビジネス”の民度

弊社クオーターバックは、
十数年ぶりの一大イベントを終えたばかり。
そう、海外研修ツアーとして
台湾に行ってきたのだ!
(スタッフの熱い思いに押されて実現)

私は過去にも何度か台湾を訪れたことがあるが、
やっぱり台湾土産といえば、カラスミ!
(日本酒やワインに合うんだなぁ~)
ところが、今回のお土産選びの際に少し残念なことが。

最終日にお土産を求めて訪れたのは、
街の人も利用するような乾物の問屋街。
カラスミはもちろん、ツバメの巣やエイヒレ、
台湾茶などが取り揃えられている。

しかし、台湾のガイドさんは
「ここにはあまりいいものは置いていない」
の一点張り。そして、
「値段はそれほど変わらず
 いいものが置いてある免税店がある」
と勧めてくるのだ。

私の記憶では、問屋街の方が
安く買い物ができたはずなのだが…。
まぁ、近頃は違うのかもしれないと思い
半信半疑で免税店へ向かった。

ところが、予感は的中。
なんと値段が倍近いのだ!

別の日にスーパーに立ち寄った際も、
一応カラスミの値段をチェックしていたのだが、
形のいいものは1,000元を超えていた
(日本円にすると3,000円~4,000円ほど)。
まあ、そのくらいはするのが
妥当だろうと思っていたが、
問屋街では500元ほど(安い!)。

しかし免税店ではなんと2,000元!
たとえ20%OFFなどと謳っていても、
元の値段が高いので結果的に
高値であることに変わりはないのだ。

結局、冗談じゃないと憤慨し、
ガイドさんには失望し、
問屋街に戻ってもらうことにした。

旅行客は土産物を買う。
当然、その分のお金も用意している。
しかし、その土地の相場は
ほとんど分からないのが実際なので、
旅行客向けの商売をしている人にとっては
“カモネギ状態”というわけ。

だから多少相場より高くても、
品物さえ揃えておけば旅行客なら
ホイホイ買うだろうと思われているのだ。

このような足元を見た“カモネギビジネス”を
いまだに展開しているとその国の
“民度の低さ”が露呈してしまう。

旅行客に買われた土産物は、
さらに別の人へ、そしてその先へ…と繋がっていく。
その際に「どこで買ったの?」
「いくらで買ったの?」という会話も生まれる。

一部のガイドや店(いまどきは、
バスで連れて行かれる免税店は“要注意”!)
が儲けを求めて民度の低い
“カモネギビジネス”を展開すれば、
結果的に民族や国全体の評価に対して
リスクを生むことになる
(真面目にビジネスをしている人もいるのに、だ)。

品格のあるビジネスを展開していかなくては、
民度を下げるばかりだ!
もちろん、“品格あるビジネス”を
展開しなければならないのは、
土産物店だけじゃない!

「人の振り見て我が振り直せ」ではないが、
我々もビジネスの品格を意識して
精進していかなければ…。

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同じくらいのボリュームのカラスミが…

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店によって値段が違う!

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有名な九フン(にんべんに分)

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豚とねずみも不敵に笑う!?

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値段は調べておかないとね!

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06/30
2014

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上期ヒット商品より“もっと本物を選べ”

東の横綱「格安スマホ」!
大関「価値組消費」!
小結「NISA」!
前頭「牛すき鍋膳」!

西の横綱「アナと雪の女王」!
大関「駆け込み消費」!
関脇「妖怪ウォッチ」!
前頭「あべのハルカス」!

ずらりと並んだここ半年間のヒット商品。
これらは、『日経MJ』が毎年6月頃に発表する
「上期ヒット商品番付」の2014年版に
紹介されているものだ。

少額投資の際に課税されない制度「NISA」や、
アカデミー賞を受賞した「アナと雪の女王」は、
誰もが(映画を見てないとしても)一度は
目にしたことがあるのではないだろうか。
また、価格高騰の中でも価値の高い商品を買う
「価値組消費」なんてのも…
(本当に価値があるのかは別として)。

しかし、中島流にこれらを見ると、
宣伝や流通の確保によって人が集まった
「上辺だけのヒット商品」に思えてならない。

なぜなら、「ヒットした商品=本当に価値のある
“本物の商品”」というわけではないからだ。

では、“本物の商品”とはなにか。
最近私がそれに出会ったのは、
先日のイギリス研修で訪れた
エジンバラの“クレイジンズファーム”でのことだ。

ここでは、広大な農地で採れた農作物を
敷地内で販売するだけでなく、
それらを使った加工品も取り扱っている。

そのなかでも、大人気の商品は、
ジャムおばさんことファーム経営者の母による
手作りラスベリージャム
(いまもヨーグルトに混ぜて食べているが、
とっても美味しい)。

その美味しさは大きな評判となり、
大手チェーンストアであるテスコからも
「ぜひ商品として取り扱いたい」という
申し出があったそうだ。

しかし、ジャムおばさんはその申し出を断ったそうだ。
理由は、「美味しさを維持したまま大量生産するのは難しい」、
「そんなところに投資や注力していたら、
他に悪い影響が出てしまう」という。

ここで気づいたこと! それは「“本物の商品”は、
大手チェーン店では手に入らない」ということだ。

このラズベリージャムのように、
人々から選ばれる“本物”は、
大量生産できるものではなく、
市場に大量に出回ることがないということ。

このように、数多く消費されたことで
「ヒット商品」と位置づけられたものと
「生活者が本当に欲しいと思って選ばれた商品」とでは、
かなりの価値の差がある。

価値ある商品は、
ヒット番付の表のような商品には成り得ないのだ。

これから私たちが大切にしなければならないもの、
それは“本物を選ぶ”こと。

少しくらい高くても、本物を選べば、本物が生き残る。
本物づくりの人たちのビジネスが生き残るのだ。

私も上辺だけのヒット商品より、
本物の商品を選んで応援しよう!
本物のビジネス追求を続けよう!

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ジャムおばさんのこだわりの一品!

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空気も野菜も新鮮そのもの!

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スーパーでは味わえない“本物の味”

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