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はなまるア・ラ・カルト

01/31
2022

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『儲けないがいい』“3人の仕事”の行方

拙著『儲けないがいい』のプロローグにある“3人の仕事”。
これが今後どこに進んでいくのかが今回のテーマ。

この本は、10年以上前に書いたのだが、
SDGsの流れをくんでなのか、
時代がこの価値観を求めているのかもしれないが、
最近けっこう反応がある。
この物語“3人の仕事”を紹介しよう。

ある小さな島に3人の人が住んでいました。
狩りが上手で獣や鳥をたくさん獲れるA。
畑を耕すのが得意で、立派な野菜をつくるB。
そして、狩も畑づくりも苦手だけど、料理が上手いC。

あるとき、Bが言いました。
「Aさんはとても狩りが上手いですね。
僕は畑づくりには自信があるけど、狩りは上手くないんです。
できれば僕の分も獲ってきてくれませんか。
そしたら、Aさんに僕がつくった野菜を分けてあげましょう」

その話を聞いていたCが言いました。
「私は狩も野菜づくりも上手くありません。
だけど美味しい料理をつくる自信はあります…
と続き、この3人が協力して生活することになる。
3人はそれぞれ得意な分野で協力し合うことで
より効率よくヤリガイも感じながら
生活を営むことができるようになった。
この3人の社会の生産性も上がった。
それぞれのモチベーションも上がることに。
すなわちこれが中島流の“仕事の概念”だ。

1.得意分野だから効率がいい
2.みんなが喜んでくれるから、モチベーションも上がる
3.それぞれの存在理由も明確
4.結果としての生活レベルの向上も

ただし、期待されるので、そこに責任も出てくるというわけ。

ただ、この話もここでは終わらず、
3人で分業して、楽しく暮らしていたところに漂流者Dが流れ着く。

特に得意分野を持たないDは3人の間を取り持つ中継所の役割を担い、
それぞれの生産に対して引換券を発行することに。
そして、この得意分野を持たないDが
いつのまにかイニシアチブを持つことになり、
ひいてはほとんど何もしないDが島の王様になってしまう。

ABCだけの時は、本来の仕事の意味が見えていて、
社会課題の解決にもなっていた。
このDは金融機関の役割にも見えるし、
メガプラットフォーマーのGAFAのようにも見える。
(私たちの仕事の多くがそうなのかも・・・!?)
そしてDの役割は“経済効率性の追求”となっていく。
その結果、取り残された社会課題と、
新たな社会課題が発生してきた。
これが今の地球上の私たち。

産業革命から250年経ち、すでに成熟しつつあるにも関わらず、
まだ同じ資本主義をかかげ、経済効率を追っている。
それが、新たな社会課題、すなわち格差と環境問題に
つながっていく。
これからは、今までの資本主義とは違う発想や、主義を
取り入れていかない限り、現状の課題解決は難しいだろう。

資本主義の問題点が露呈した昨今、皆さんはこの4人目の
Dの存在をどう解釈し、どう対応するのか!?

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『儲けないがいい』の物語から社会課題を考えよう

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