03/05
2018
里山“志本”主義の実践
なまこで、さざえで、きのこと小松菜の和えもの、
そしてじゃこ天…
見た目も美しいし、美味しい。
この後も、つぼ鯛の焼きものに金目の煮つけ、
ごぼうと竹の子の揚げ物と続く。
神楽坂の裏路地には、こんなこだわりの店があるのだ。
こだわりのキーワードは“宇和島”。
これらほとんどのものが宇和島から直送されている。
そして、ここの店主でもある板長さんも宇和島産。
だから、四国とかかわりの深い人にとっては、
この店で“じゃこ天”に出会っただけでも一家言あるようなのだ。
(先日も、一緒に来店した仲間が“じゃこ天”を語っていた記憶が...)
そう、“じゃこ天”と言うと愛媛の南予地方であり宇和島の特産品として有名。
ところがだ、この“じゃこ天”、もともとは初代伊予宇和島藩主の伊達秀宗が
故郷仙台をしのんで職人を連れてきて生産させたのが始まりだという。
あの仙台藩藩主の伊達政宗の長男である。
その時代、秀吉であり家康の権力争いの波にのまれて、
行きついた先が四国の宇和島だったということ。
約 400 年前、この伊達秀宗が仙台から職人を呼び寄せなければ、
この“じゃこ天”の存在もなかったのだ。
(文化とはこんなきっかけもあって形づくられていくということ)
日本は歴史と里山文化が深く結びついて今に続き、
その見た目の美しさもあるが、奥行きも備えた国なのだ。
この神楽坂にある“季彩やひで”もそうだが、
“志”を持って立ち上げ、徹底したこだわりでお客さまをもてなす。
こんなこだわったお店こそが、
日本の文化や里山もその先に繋いでいってくれるのだと思う。
だから私たちは“Fine Choice の実践”。
すなわち、こだわりの贔屓の店を選ぼうってこと。
安さやポイントにごまかされるな。
こだわりで勝負できないから、
価格やサービスに重きを置いているだけ。
次の世代に日本の文化や価値観、そして里山を残すなら、
こだわりの店を選ぼうではないか。
こんな志を持ったこだわりの店づくりであり、意味ある“Fine Choice の実践”を
“里山志本主義”と呼ぶことにしよう!
藻谷浩介さん、次回のイベントでは
里山資本主義でなく、里山“志本”主義でよろしく!