12/09
2019
うなぎをいただき、そしてうなぎをいただく
今回の浜松出張で、久々の“うな重”に舌鼓。
それも二段重。
するとなぜか次の日も、東京の老舗“野田岩”で
贅を感ずる“うな重”をいただくことに。
滅多に口にできない“うなぎ”なのにだ。
これだけでも、盆と正月が一緒やってきたように
思ってしまう私なわけだが…ははっ(^_^)
(うんうん、やっぱりうなぎは美味しい)
このように立て続けに、違う土地のうなぎを食べさせてもらうと
その違いが明確にわかってくるのだ。
やっぱり野田岩のうなぎは、江戸時代の武士たちの多くが
食べていたということもあり、その味にデリカシーがある。
お重にも品があり、うなぎも柔らかくご飯との塩梅がほどよい。
そして、浜松天龍川近くの“納涼亭”のうなぎは
香ばしさにしっかりした歯ごたえもあり、
“これぞうなぎ”という存在感も感じられたのだ。
(こちらは蒸さずに焼かれているということだろう)
とはいえ、同じうなぎでも料理の仕方で
こんなにも違いが出るとは。
今回の野田岩でのうな重をいただく経緯は、
五代目“金本兼次郎(かねじろう)”さんの月刊CDの収録取材でのこと。
(→Business Today 3月号に登場)
五代目はもうすぐ何と92歳。
未だに朝4時起きし、40匹ほどはうなぎを裂くという。
(素晴らしい!)
そして足下を見ると素足。
普段も素足に下駄で厨房に立っている。
定かではないが、五代目が12歳でもう厨房に立っていたとしたら
なんと80年もうなぎと向き合ってきたということになる。
うなぎは「裂き8年、串3年、焼き一生」とか言われるわけだが、
この道80年の兼次郎さんですら、思うように上手く焼けた時は
一日がすごく気分よく過ごせるという。
日本の“うなぎ文化”もなんと奥が深いことか!?
まさにプロフェッショナルと言える職人技なわけだが…
(NHKプロフェッショナルの流儀にも出演)
このところ稚魚が少なくなったと言われるうなぎだが、
この贅を感じられる日本の“うなぎ文化”を
次の時代に残して欲しいと思うのは私だけではないだろう。