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02/28
2022

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『人新世の「資本論」』 斎藤幸平著

『人新世(ひと・しんせい)の「資本論」』は2020年9月発行の本で、
新書としては異例で、既に40万部突破している。
私は発刊されてから数ヶ月のうちに買い、
持ち歩いていたが・・・なかなか読み進まない本だ。
(難しいがわかりやすい本なのだが・・・)

ビジ達でもたびたび紹介している大里綜合管理では、
100冊購入し、社員はもとより関係者にも配布したという。
この3月には斎藤幸平氏を大網白里市にお呼びして
講演会をするという。(私も楽しみにしている)

中島流に書いてあることを勝手に解釈すると・・・、
この本のテーマは温暖化対策と
地球規模の社会課題に対してどう対処していくのか?だ。

250年くらい前の産業革命以降から始まった
先進国中心の経済活動は地球に大きな影響を及ぼしてきた。
それが気候変動や環境問題へと発展していったと言い切る。
資本主義社会が到来して以降、資本が資本を呼ぶ構造は
人の資本増加への欲望を肥大化させ、地球環境や社会問題を
ないがしろにさせてきた。
だから今、ここで、資本主義の見直しが必要だと書いている。

今、環境負荷軽減目的で推進されようとしているのが
経済成長と気候変動を切り離す“デカップリング”という考え方。
具体例で言えば、電気自動車の普及や、プラスチックを使わず
自然に戻れる素材に置き換える発想のこと。
しかし、斎藤氏はこれだけでは温暖化は止められないと述べている。
なぜなら、経済成長が順調に伸びていくと結果的に
資源の消費量は増大する。結果として二酸化炭素排出は
抑えることは可能だが、削減までは困難だと。

ここで斎藤氏が“新しい資本主義”として提案しているのが、
“脱成長コミュニズム”の提唱。
中島の解釈では、資本であり事業展開を
マクロ的に管理していくやり方で、
共産主義に近い発想。(私もこの案に賛成だが・・・)

そこで私からのかなり身勝手な提案。
このままの資本主義で“SDGs”を掲げ進んで行くか?
(温暖化は止められないと思うが・・・)
斎藤氏の言う“脱成長コミュニズム”で行くか?
地球の総人口78億人のうち12歳から70歳までの約50億人と
未来のまだこの世に生まれていない50億人の合計100億人で
多数決をとろうではないか!
(未来の人にどう参加してもらうかは問題だが・・?)

現実に困難な提案であることは承知しているが、
私が言いたいのは、この判断を現在、存在している人たちだけで
してしまっていいのだろうか!? ということ。
当然、未来の人たちのほとんどは地球環境が破壊され、格差拡大する
資本主義はすぐにやめてくれという方を選ぶだろう。
ということで、“脱成長コミュニズム”が選択されるという推測だ。

今、真剣に未来に向き合い考えないと、
このツケは必ず未来にまわされる。
肝心なのは、孫子とその先の代のことまで考えて、
“今をどう選択するか”ということ。
とにかく・・・いろいろな発想や考え方をシミュレーションできる
『人新世の「資本論」』だった。

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本書では“新しい資本主義”が提案されている

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