これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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06/17
2024

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拙著『儲けないがいい』での紹介企業は、 すでに“文化資本経営”を実践していた!

このところ改めて拙著『儲けないがいい』を手にして気づいたことだが、
紹介させていただいた企業のどれもが“文化資本経営”の会社であり、
明確な「How To Be(どうあればいいのか)」を持った企業だったのだ。 

なぜ、新しい業種や業態を構築して上手く成長している企業や
今どきの先端テクノロジーを駆使した企業でなかったのか⁈
私自身、存在意義があり、意味あるビジネスを展開している企業に
スポットライトを当てたかったのだ。
その結果として、“文化資本経営”を展開している企業を
取材し紹介していたということ。

【『儲けないがいい』に登場する、“文化資本経営”】

◆東京福生の“石川酒造”
敗戦直後、先に紹介した「先義後利」の“半兵衛麸”10代目当主と
同様の決断をしたのが“石川酒造”の16代目当主。
私の経営者会議に参画してくれているのは18代目当主だが、
その祖父にあたる方がこの16代目の石川彌八郎氏。
400年以上続く東京福生市にある酒蔵だが、
江戸時代には地域の名主(なぬし)として貢献していたという。
地域のこと、業界のこと、これからの社会のことを考え、
そして自社の“存在意義”と照らし合わせて
決断しているということだろうか⁈
(18代目の彌八郎さんも、地域を背負ってあれこれ走り回ってます)

◆仙台市の秋保温泉にある“スーパーさいち”
コンビニより少し広い売り場面積80坪ほどの
田舎の(?)小さなスーパーマーケット。
駐車場も第5駐車場まで存在し、惣菜とおはぎの並ぶ通路は
いつもお客さまでいっぱい。
ある時、社長の奥さまである専務は、
300にも及ぶ惣菜づくりのレシピでありマニュアルを捨てたという。
それはスタッフに自分がつくった味が店の味だと
自信を持って欲しいからだという。
そこからマニュアルに頼らない手間のかかる惣菜づくりが
始まったわけだが…
その惣菜ももちろん人気だが、おはぎは1日5000個も売れるという。
(そういえば、何度も経営者仲間を連れて、社長の話を聴きに行った!)

◆テレビドラマ『虹色のチョーク』のモデルとなった日本理化学工業
日本のチョークのシェア約70%を占めているチョーク製造販売会社。
社員のうちおよそ7割が知的障がいをもっているが、
一人ひとりが自分の役割をきちんと把握しながら働ける環境を
健常者とともに創り上げている。
1959年にある養護学校の先生が飛び込みでやってきて、
障がいをもった生徒を2週間預かることになったことから始まったという。
私が主宰する経営者会議やリーダーズセミナーでも
視察セミナー先として何度もお世話になっている会社。
(大山会長、いろいろありがとうございました)

◆足利市の三角山のブドウ畑が活躍する“ココ・ファーム・ワイナリー”
知的障がい者更生施設“こころみ学園”と共に運営する
“ココ・ファーム・ワイナリー”。
“こころみ学園”は1968年にスタートし、ワイナリーは1980年に設立。
1989年にはアメリカから醸造技術者のブルース・ガットラブ氏が加わり、
本格的なワイン醸造所へと変貌していく。
今では美味しいワインを創り出すワイナリーとして大人気。
障がいをもった生徒の教育者として関わっていた川田 昇氏(創業者)が、
目指したのは、“仕事に人を合わせるのではなく、
人に仕事を合わせる職場”。
(何度もお邪魔もしたが、いま思えば北海道十勝でのワイナリー構想も
この出会いがきっかけだったような…)
↓ ↓ ↓
これら企業の多く経営者の方々は、もう引退していると思われるが、
“How To Be”すなわち“存在意義”をしっかり持っていたからこそ、
“文化資本経営”の実践につながったということ。
自社の“企業文化”を意識的に創り出すのも経営者の仕事。
これからの企業の“強さ”であり“支援者づくり”につながるのも
この“文化資本経営”ということだろう。

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仙台市の秋保温泉にある“スーパーさいち”

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