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11/25
2013

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『芝浜』流仕事道

5代目 三遊亭圓楽師匠の現役引退高座の演目でもあった、
古典落語『芝浜』。
ある時ビジネス本を読んでいると、
「律する」という言葉を説明する題材として、
『芝浜』が紹介されていた。

腕はいいが酒好きの魚屋の主人。
いつまで経っても長屋住まいの貧乏暮らしだったが、
ある日とてつもない大金が入った財布を拾う。
そして大金をアテに、仲間と一緒にドンチャン騒ぎ!

しかしその翌日、女房から
「こんなに飲んで、支払いはどうするんだい!」と責められる。
主人は昨日拾った財布の話をするが、女房は
「そんなものはない、夢を見たのだろう」と一蹴。
愕然とした主人は、すっかり酒に懲りて死にもの狂いで働くように。

さて、それから3年。酒も飲まずにひたすら働き続けた主人は、
店を構えて人を雇えるほどに出世!
そんな年の大晦日、女房からあの財布を見せられる。

実は、主人が拾ったあの財布は、
女房によって役所に届けられていた。
しかし、結局落とし主が現れなかったため、
拾い主である主人のもとに大金が下げ渡されたのだ。

事実を知った主人は一度は憤慨するが、
道を踏み外しそうになった自分を
立ち直らせてくれた女房に感謝する。
女房は主人を労い、酒を勧める。
最初は拒んだ主人も、やがてゆっくりと杯を口に運ぶ。

しかし、ふいに杯を置きこう言う。
「よそう、また夢になるといけねえ」

店や会社の規模が大きくなると
、自分の行動に責任が生じるため、
己を律しなければいけない。
だが、責任が生まれるからこそ、
多くの人たちとの関わりが生まれ、人生は活性化するのだ。

そして、組織や社会に自分の“価値観を置く”ことは、
“仕事道”へと繋がっていく。

どういう客観的視点から律すれば
“仕事道”に繋がるのだろうか。
中島流では、地球のため、日本のため、地域のため…など
大きな枠組みの中から自分を律し責任を果たしていく
という流れがいいと考えている。

いや~それにしても「よそう、また夢になるといけねえ」の
セリフはいいねぇ。己を律し、
責任を持ち、一生懸命働いたことで
自らを高めた事実を、再びお酒で帳消しにしたくないという気持ちと、
女房を含め周りの人たちに対する主人の責任感が表れている。
この気持ちこそ、まさに「自分を律する」ということ。

“仕事道”を貫くために必要な価値観が、
『芝浜』には詰まっている。


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古典落語『芝浜』

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“仕事道”を貫く秘訣は、己を律することにあり!

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