03/24
2014
“仁義”は継続の父
ミドリムシビジネスで知られる株式会社ユーグレナの
出雲充社長は、力強くこう語っていた。
「コンビニなら多少遠くてもファミリーマートに行き、
航空会社は必ずANAを選択し、ガソリンが切れたら
車を押してでもENEOSに行きます!」
東大時代にミドリムシの可能性に着目した出雲社長。
2年間で500社以上にアポイントをとり、
ミドリムシのビジネスチャンスについて語り続けたという。
しかし企業の担当者たちは、最初のプレゼンテーションの食いつきはよくても、
導入企業の前例がないと知った途端に難色を示す。
その度に話は立ち消え、またふりだしに…という繰り返しだったそうだ
(特に大手企業じゃ、トップ以外の人には
会社の意思決定をする権限がないからねぇ…)。
しかし、地道に売り込みを続けるうちに出雲社長は
とある大手商社の担当者と出会う。そして、ついに商社内の稟議書が通り
ミドリムシの商品が日の目を見ることになる。
大手商社での取り扱いが決まると、ファミリーマートやANA、
ENEOSなど他企業も可能性を見出してくれ、
次第にミドリムシビジネスは拡大していった。
そこで、冒頭のセリフにつながるというわけ。
出雲社長はビジネスにおける“義理”を大切にし、
お世話になった企業への感謝を忘れないのだ。
継続してビジネスを展開するうえで、
“仁や義”が重要なのは言うまでもない。
仁は、相手に思いやりを持つこと、つまり人間関係の基本。
義は、道理にかなった行いのこと。
老舗うなぎ料理店・野田岩の五代目当主である
金本兼次郎(かねもとかねじろう)氏も、
固定の取引先との信頼を大切にしながらも、
決して値段を買いたたくようなことはせず、
共存・共栄できる関係を築いている。
つまり、長く続く企業は当然のように“仁義”を大切にし徹底しているのだ。
利益や合理性だけを求めていては、いい関係はつくれない。
人間がビジネスを展開している以上、
道徳や倫理に合った付き合い方をすることが必要であり、
“仁義”が重要なファクターとなる。
まさに、“仁義”は継続のために必要な人間性だと言えるだろう。
すなわち、人間は“仁義”を欠いちゃいけない!
…えっ!? これって任侠映画の世界みたいだけど…果たして!?