09/01
2014
十勝の農業と六花亭の関係
十勝のお土産といえば「六花亭」のお菓子。
そう私は当然のように決めているのだが、
これが本当においしくて何より安い。
六花亭のお菓子には、「マルセイのバターサンド」
や「大平原」、「豚とひとつ鍋」などがあり、
地元のみならず全国にもファンが多いものばかり。
特に、原材料のバターや卵はもちろん地元で生産されたもの。
また、ものによっては特別飼育・製造されたものも
使用しており、相当なこだわりが込められている。
先日その六花亭さんで洋菓子ケーキを買ったのだが、
見てみると一番高いものでも240円。
それ以外はみんな200円以下という安さ。
東京でここまで安くておいしい
洋菓子ケーキはまずないだろう。
おそらく普通の商店だったらこの価格で販売はできない。
しかし、六花亭のビジネスのテーマは
儲けることではないからこそ、
この価格で販売しているのだ。
そのテーマとは、“地元の人たちに(生産者に)
気軽においしいお菓子を食べてもらいたい”のだ。
遠方からいらっしゃる観光客の人たちに
たくさん買ってもらうことではない。
これらお菓子に使われている材料(小豆や牛乳)を
作ってくれた農家の人たちに、自分たちの成果としての
お菓子を安く食べてもらいたいという想いが
まず第一にあるのだ。
こうしたことから、六花亭が北海道(十勝)の
地元メーカーとして地域貢献をしていることが十分わかる。
つまり六花亭は、北海道の農業に支えられており、
その恩返しとして、地元で採れた農産物を
おいしくて安いお菓子にしている。
そしてそのお菓子を地元の人が自分たちのおやつとして、
お土産として利用してもらえるよう販売しているのだ。
六花亭の地域貢献はそれだけには留まらない。
帯広を中心に働く約1300人の従業員は、
大半が北海道の十勝出身者。
また彼らの日々の活性化のために、
スポーツをはじめ様々なクラブ活動が
できるように支援している。
さらに私が特に着目しているのが、
六花亭が運営する美術館と建築物。
この北の国・十勝の地では、
なかなかアートと触れ合える機会がない。
そこで六花亭の小田豊社長は、
あえて自然とアートを結びつけ、
十勝に合った文化活動を展開しているのだ。
つまり、地域のお陰である収益を
さらなる雇用の創出に繋げ、人を育み、組織を作り、
地域の文化活動にも広げようとしているのだ。
ただ自社が儲けることを考えるのではなく、
地域の産業を活性化させ、
地域貢献を図るこのビジネスこそ
“仕事道”なのではないだろうか。