これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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目からウロコのおすすめ本

12/12
2022

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『イーロン・マスクはステーブ・ジョブズを超えたのか』 竹内一正著

竹内一正氏はスティーブ・ジョブズの本を10冊以上、
イーロン・マスクの本もすでに8冊くらい上梓している。
私と同い年のジョブズからビジネスのヒントを学びたいと
ジョブズの本を手にしてみるとそのほとんどが竹内一正著。 
これからはイーロン・マスクの時代と思い、
イーロン・マスクの本を手にしてみても竹内一正著だ。
そしてついに『イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズを超えたのか』
という二人を掛け合わせた本を出版した。

アップルを創業したスティーブ・ジョブズ。
「電気自動車企業テスラと宇宙開発企業スペースXを
率いるイーロン・マスク。
二人は希代の天才経営者と称されるが…」という流れで始まる。

竹内氏はそもそも、この二人を比較し、
白黒つけようとしているわけではない。

この書籍の読みどころを紹介しよう。
まずはジョブズ。
もし今も“アップル”のCEOをしていたら、アップルはきっと
大変なことになっていただろう。
場合によっては倒産していたかも?!。
ジョブズが関心があるのは新製品開発だけであり、
環境問題など眼中になかったのだ。
(今のCEOのティム・クックは別だが…)

そしてイーロン・マスク。
“テスラ”は2020年に時価総額でトヨタを抜き、
自動車メーカーとして世界一になった。
その背景は地球温暖化への危機感が
テスラの背中を押してくれたことは間違いない。
(そもそもテスラは2003年の創業から17年間は赤字続きだった)
もう一つの会社“スペースX”は
“人類を火星に移住させる”とマスクは豪語したが、
当時は誰も信じなかった
2000年代に入ってから、NASAによる
宇宙開発の民営化推進がスペースXを後押しした。
結果としてマスクがもし10年早く生まれていたら、
テスラのEVも、スペースXのファルコンロケットも
失敗していただろう。
と書かれている。

いずれにせよ、天才経営者でも、時代の流れに逆らって
成功を手にすることはできないということ。
すなわち、地球規模で流れるビジネスの時流をどう捉え、
どう乗るかが重要なポイントとなってくるわけだ。

そして、私が本の中で“言い得て妙”と思った見出しフレーズが、
◆「今を見て、未来を創ったジョブズ」
目の前の時代の波に乗ることで成功をつかんできたジョブズ。
◆「未来を決めて、今を創るマスク」
時代の波を自分で創ることで、思い描いた未来を実現しようとするマスク。

時代的にも近くにいた二人だが、同じ土俵に上げて
比較することはできない。
それは、今活躍する大谷選手と
ベーブ・ルースを比較するようなものなのだ。
とはいえ、ジョブズとマスクのスゴさが分かる
書籍であることは間違いない。

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ジョブズとマスクのスゴさが分かる書籍

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10/11
2022

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『社長が席を譲りなさい』と『“捨てる”思考法』

丸善本店で出会った2冊の書籍。
『社長が席を譲りなさい』と『“捨てる”思考法』は
今まさに私が言いたいことを語ってくれているではないか。

①『社長が席を譲りなさい』

“令和のことは令和の頭で考えよ”という小見出しから。

「新型コロナが収束に向ったとしても、変革した新社会が
再び元の姿に戻ることはない。新しい日常が普通の日常になる。
もはや昭和や平成の成長モデルが通用しないことは明らかである。
人口減少の下の日本で、なお成長を求めるのであれば、
昭和、平成の考えを捨てて、令和の頭で考えることが必要だ。
社会が変われば、人も変わらざるを得なくなる。
企業にあっては、まず社長からその言動を刷新することが求められる。
それができなければ早々に退任するべきだ。
最悪の老害とは、正に権力の長期にわたる掌握に尽きる」

著者の丹羽宇一郎氏(83歳)は伊藤忠商事の社長・会長を歴任し、
民間出身では初の中国大使にも就任した方だ。
この年齢でこれをしっかり言い切っているところが、素晴らしい!

②『“捨てる”思考法』

著書の出口治明氏は2008年にライフネット生命を開業し、
2012年には株式上場。
創業から10年目に当たる2017年に古希を迎えた後、
ひょんなことから立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任された方だ。

本書はこんなプロローグから始まる。

「日本生命、ライフネット生命と歩き、保険業界から教育業界に
転身しましたが、振り返れば僕の人生は“捨てる”と“得る”の連続でした。
いわば人生は毎日がトレードオフ。
人間の器が小さくても、トレードオフによって何倍にも活かすことができます。
その第一歩が“捨てる”にあることは間違いありません」

そして現在74歳である出口氏が
“こだわりを捨てれば仕事はうまくいく”という小見出しで
こんなエピソードを書いてくれていた。

「ライフネット生命を創業してまもない頃、
限られた予算で広告効果を得る必要があったので
20代のマーケティング担当者に“どんなアイデアにものるで”と伝えたところ
“ハトが選ぶ保険”という企画を持ってきました。
河原に紙皿を何枚か置いて、そこに“1,000万円” “2,000万円” “3,000万円と書き、
それぞれ大豆、ピーナッツ、マカデミアナッツを何粒か入れておく。
河原にいるハトがどのお皿の豆を食べたかで、
加入する保険を決めるというコマーシャルです。
さすがにこの内容には度肝を抜かれ、“おまえ、アホか”という一言が
口をついて出たものです。
ところが、“アホなのは出口さんです”と言い返してくるではありませんか。
“出口さんは60歳を超えた年齢だから、
この企画をうさんくさいと感じるのですよ。
ライフネット生命のコマーシャルは、
これから家庭を持つ20代、30代のお客様に届けたいわけですよね。
それなのに60代の感覚で文句を言うのは、出口さんのほうがアホです”
なかなか辛辣な意見ですが、ロジカルで筋が通っているので思い直し…
(中略)
やがてこのコマーシャルはインターネットで話題となり、
ライフネット生命といえば「ハトの保険」と言われるまでに周知されました。
僕の固定観念を捨てるきっかけをつくった担当者がいなければ
実現しない企画でした。
そして現在でも、ライフネット生命は年功序列の人事採用とは無縁です」

このエピーソードでだけでも、一冊全体が見えてきたのではないだろうか。

このお二人に共通しているのは(私も含め)、
昭和のビジネスであり社会の常識を身に纏っていることは認めていて、
それがすでに通用しないことも分かっているということ。

いかにこれからを担うミレニアル世代以下の人たちに席を譲り、
どうサポートするかなのである。
すでに彼らの方が、これからくるだろう時代をよく分かっているのだ。

「女性社会起業家アカデミー」もその若者たちのサポートのつもりなのだが…
果たして!?

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昭和のビジネスや社会の常識はすでに通用しないのだ!

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目からウロコのおすすめ本

08/08
2022

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『日本の未来戦略 JAPAN TRANSFORMATION』 “アントレプレナーの力で日本を変えよう” 新経済連盟著

この本は楽天グループの三木谷浩氏(代表)が率いる
新経済連盟(新経連)10周年の節目に、
“自分たちの存在を発信していこう”
との思いで出版されたという。
今、大手本屋に行くと、この本がところ狭しと平積みされている。

“日本を変えていこう! 自分たちの力で!”
この言葉に三木谷氏の思いが集約されている。

この本のプロローグには、
「島国ニッポンで暮らす私たち日本人は、
保守的で変化を好まない国民と言われてきた。
それは良い面で発揮される場合もあるだろう。
しかし、この激動の時代に、アントレプレナーとして抱く感情は、
歯がゆさと悔しさ、焦燥ばかりである。

半導体や自動車を輸出して世界で稼げる時代はとうに過ぎた。
インターネットの出現により国境は実際になくなったも同然で、
世界がシームレスに融合する時代において、
“日本で通用すればいい”という内向きの精神では
生き残れるはずもない。
薄々気づいているはずなのに変わろうとしない。
“お上がなんとかしてくれるだろう”と悠長にかまえている。

あと5年か10年やり過ごせばいいゲームなら、
それでもいいかもしれない。
もちろんそんなはずはなく、
日本の未来が明るいものであってほしいと私は切に願っている。
だから待つことはできない」と。

結果として
「私たちはかつてないほどの緊急性をもち、
“自ら変わる力”が問われていることを自覚せねばならない」
と結んでいる。

その通りなのだ。
世界がかくも動いているときに、
「今動かないで、いつ動くの?!」ということ。

三木谷氏の発信に共鳴!!
我田引水だが、以前からビジ達でも
“令和トランスフォーメーション”と発信し、
これからのビジネスを研究する
【2030 Business LABO】を提案している。
この8月スタートで毎月開催予定。
詳しい内容はこちら
https://labo.q-b.co.jp/
参加希望の方はこちら↓までお問い合わせください。
https://labo.q-b.co.jp/?page=business-labo

話は、おススメ本に戻るが…、
Part 1では、「逆襲のために日本社会の“前提”を替えよう」は
三木谷氏と副代表のサイバーエージェント、藤田晋氏との対談。

Part 2の「DX化で行政もエフェクティブな組織に変われる!」は
幹事のサントリーホールディングス社長、新波剛史氏と
東京都副知事の宮坂学氏の対談。

Part 4の「“カッコいい日本”をブランディングしよう」は
三木谷氏、理事の井上高志氏、そして星野リゾートの星野佳路氏の鼎談。

いかがだろうか。
経団連や経済同友会などの
古い体質ではどうにもならないとして発足したのが“新経済連盟”。
今の世界のビジネスに対応できる
日本のビジネスをつくろう! という
意気込みを感じることができるおススメ本だ。

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新経済連盟(新経連)10周年の節目

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目からウロコのおすすめ本

06/20
2022

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“日本を美しくする会”会報誌「清風掃々」

今、私の手元に“清風掃々”第41号がある。
これは“日本を美しくする会”の会報誌。
表紙のタイトル“清風掃々”には
「この時、この場所、このご縁、よりよく、美しく」
とショルダーコピーがある。

「清風掃々」の表紙をあけた2ページ目に、
初めてこの広報誌を手にする人のことを考え
以下のような会の理念が毎号書かれている。
この理念こそが、この“日本を美しくする会”の存在意義だ。

改めてここで紹介させてもらうと…
【日本を美しくする会の活動理念】
「掃除を通して心の荒みをなくし、
世の中を良くすることが私たちの心願です。」

「人は、いつも見ているもの接するものに心が似てきます。
目の前の汚れたものをきれいにしましょう。
特に人の嫌がるトイレをきれいに磨くと、心もきれいになります。
トイレ掃除は『自分を磨くための』一番の近道で確実な方法です。
すべては一人から始まります。
家庭や学校、職場、地域で、一人からでも掃除を始めましょう。
そして仲間を増やしましょう。
掃除をする人は汚さなくなります。
『一人の百歩より、百人の一歩』。
人々が毎朝一斉に身の回りを掃除したら、
日本中に心地よい風が吹き、穏やかな一日が始まります。
そうなれば人々の心が美しくなり、
日本はそして世界はかならず良くなります。」

いかがだろうか。
これがこの会の創始者であり、相談役の
鍵山秀三郎氏の思想でもあるのだ。
さて、手元に届いたばかりの清風掃々41号の
コンテンツのいくつかを紹介しよう。

【その1】講演会レポート
2月に認定NPO法人「日本を美しくする会」の総会があり、
その時のゲストスピーカーが野口健さん。
野口さんは、ご存知のようにアルピニストとして
数々の記録を打ち立てた人。エベレスト、富士山の
清掃活動も行っている。外交官の父から、
「ものごとのB面を見よ」と小学生の頃、現地のスラム街で
教えられた話などを4ページに渡り紹介。

【その2】特集として紹介されていたのが…
“忘れがたき日々、あれから十年”として
2011年の東日本大地震により掃除の会が中心となり結成された
“東日本救援隊”のレポート。

【その3】“教育と清掃”をテーマに
掃除を授業として取り組む新宿調理師専門学校を紹介
【その4】“SDGsと経営”として
【その5】シリーズ“SDGsコーナー”
【その6】シリーズ 鍵山秀三郎「一日一話」(PHP研究所)から
他にも“ひとり掃除の喜び”、“ちいき通信”定例の
全国の掃除の会や掃除人の紹介、そして川柳コーナーもある。

どうですか?読みたくなったでしょう!
昨年この“清風掃々”をwebマガジン化したので
ぜひこのWEBサイトをみてほしい。
清風掃々webマガジン “ONE by ONE”はこちらです。↓
https://www.souji.jp/webmagazine/


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会の理念が毎号書かれている

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06/06
2022

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ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」桑原 晃弥著

投資家として紹介されることが多い
ウォーレン・バフェット氏(91)。
バフェット氏がCEOを務める
“バークシャー・ハサウェイ”という会社を知っているだろうか!?

世界の時価総額ランキングを見ると、
毎回ベスト10に出てくるのがこのバークシャー・ハサウェイ社。

この4月のランキングで見ると
1位がアップル、サウジアラコム、
マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、テスラ、
そして7位に“バークシャー・ハサウェイ”だ。

ここ数年、GAFAMが上位を独占する中、
バークシャー・ハサウェイも常にランクイン。

私がバフェット氏でありバークシャー・ハサウェイ社に
興味を持ったのは、GAFAMの株価が気になりだしてからだから
もう3年は経つだろうか。

このところは日本のメディアでもバフェット氏が
紹介されることも多くあり、
世界にその名声が高まった今、
どうやってここまで財を築いたのか気になるところだ…

その裏付けとなるのが
バフェット氏のモットーを著者(桑原晃弥氏) なりにまとめた
“仕事と人生を豊かにする8つの哲学”だ。

今回紹介する理由もバフェット氏の多くの言葉は、
“投資家“というより、
私たちにも当てはまる汎用性ある言葉だからだ。

激しい時代の変化の中では、
“時代遅れ”と揶揄されることもあったというが、
それでもバフェット氏は“原理原則”や“良き習慣”に忠実だったという。

◆以下が紹介されていた“8つの哲学”
1. バフェットの見方 「短期ではなく“圧倒的長期”でものを見る」
2. バフェットの考え方「周りの声にまどわされず、自分の頭で考える」
3. バフェットの守備範囲「自分の“能力の輪”を決して出ない」
4. バフェットのリスク対策「原則は“損をしない”こと」
5. バフェットの習慣「一度身につけたルールはぜったいに守り抜く」
6. バフェットのお金のルール「毎年着実に成果を上げ、社会に還元する」
7. バフェットの時間管理「決して無駄遣いせず、使うべきところには徹底的に」
8. バフェットの自分磨き「良い人生はお金では買えない」

8つ目の哲学の後に書かれていたバフェット氏の言葉を
もうひとつ紹介すると
「成功も幸せも、一夜にしてならず」

成功と幸せのどちらも手にしたいなら、
自ら信念を打ち立て、それを貫き通すこと。
自ら原則を設け、それを守り抜くこと。
理想のために、努力を惜しまないこと。

とにかく“自分のルールを徹底することが大事”
ということをバフェット氏は語っている。

もちろんこれらのモットーから投資に対する考え方も学べるが、
私たちが“どう生きるべきか”にも通ずるところが多くある。

これを読んで思い出したのは私の座右の銘。
「美しく、生きる」である。

この言葉は10年以上名刺の裏側に書かれていたのだが…
この言葉は私自身の行為行動を戒めるためのフレーズ。
これら自分の価値観を常に貫き通せるかということだろう。

世の中には“成功の法則”や
“こうすれば儲かる”などの本やYouTubeが溢れているが、
バフェット氏はこの著に書かれている8つのモットーを
90年以上(?)貫いた結果が現在の資産であり、
みんなが期待する企業になり、人物になったということだ。

やはりアメリカでも日本でも、いやこれまでもこれからも
私たちのより充実した生き方の価値観は変わらないということ!?

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バフェット氏の“8つの哲学”とは

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