これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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シナジースペシャル

04/18
2016

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仕事道は発酵道へ

大豆に塩と水、そして麹菌を混ぜることで、
元の素材とはまったく違う性質の味噌や醤油が出来上がる。
米に酵母菌が働くと日本酒に、
ぶどうに酵母菌が作用すれば美味しいワインに。

元は大豆や米、果実だったものが、
どんな作用でこれほど変化してしまうのだろうか?
そのプロセスには、「発酵」が関わっている。

今回のタイトルにもある『発酵道』というのは、
以前ビジ達でもご紹介した、
寺田啓佐(けいすけ)氏の著書のタイトルである。

寺田氏は300年続く造り酒屋、
寺田本家の23代目当主だったのだが、
経営が上手くいかないストレスもあり、
病気になったという。

病床で過去を反省した寺田氏は、
これを機に一念発起し、
寺田本家の酒造りをガラッと変えてしまったという。

様々な菌が本来あるべき環境で活躍できるよう、
自然な酒造りに挑戦したのだ。
我慢の時期もあったようだが、
結果として低迷していた売上も上昇し始め、
今や寺田本家の日本酒は大人気だ。

私はこの『発酵道』を読んで共鳴し、
まさに人の生き方にも“発酵”があるのではないかと考えた。
そして、ビジネスでも発酵というプロセスを経ることで、
米がお酒に変わっていくように、
会社や人が大きく変わるのではないかと…。

例えば、ビジ達で何度もご紹介している、
石坂産業株式会社の石坂典子社長。
ごく一般的な産業廃棄物処理会社から脱するため、
作業場所をすべて建家で覆うという改革を行った。
今や働く人が生き生きし、
地域に喜ばれる“美しい”産廃処理会社となった。

ほかにも、新宿調理師専門学校の
上神田梅雄(かみかんだうめお)校長。
それまで学校として厳しい背景にあったところに、
上神田校長が改革を行ったのだ。
様々な施策や徹底した掃除の取り組みによって、
学校職員だけでなく、
学生をも変えることにつながったという。

これらの例のように、経営者が明確な理念を持ち、
アイディアある施策を実践していくことで
「発酵」が起こるのである。

発酵とは、1+1が2になることではなく、
1+1が4にも5にもなり得るということ。
(1+1が2になるのは、発酵とは言えない。)
それまでの会社や業界の常識から、
まったく違う性質のものに変化する。

すなわち、発酵のプロセスを辿ることで、
「仕事道」を全うするのだ。
中島流の「仕事道」とは、仕事を通して「プロとしての向上」、
「人間としての成長」、「組織の成長」、
「社会貢献」を実践するという考え方だ。
このように、収益を上げるだけがビジネスではないということ。

「仕事道」を全うするには、
発酵というプロセスが必要不可欠とも言えるだろう。
そしてビジネスの“発酵”には、
経営者のしっかりした哲理とアイディア、
情熱が酵母になるのだ。

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寺田啓佐氏の『発酵道』

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儲けるだけじゃない!

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石坂典子社長

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04/04
2016

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“経営の質”が見えてくる三段論法

AはBである。
BはCである。
よって、AはCである。

こういった理論を三段論法というのだが、
みなさんも学校で習った記憶があるだろう。
今回はこの三段論法により、
経営のあり方について語ってみたいと思う。

私は4年ほど、あるフィットネスクラブに通っていたのだが、
先日ついに、別のクラブへ入会することを決断した。

それまで通っていたクラブは自宅からも会社からも近く、
機具もメニューもある程度は揃っていたのだが…。
実は入会当時から不満に思っていたことがあったのだ。
(ま~積もり積もっての決断だったということ。)

その決断のポイントは、“お客様の質”。
柔軟体操用のマットのところで
長い間ぺちゃくちゃ会話する常連客たち。

耐え難い臭いのウェアでトレーニングに励む客。
ウォーキングマシンで大きな足音を立てながら
走り続ける客など…。

行くたびに不満を抱えながらトレーニングをしていたのだ。
実際のところ、客のマナーで気になる点はもっともっとあった。

それに加え、スタッフの
気のきかない対応にも不満を抱えていた。
客のマナーが悪くても、
それをきちんと注意してくれないのだ。

そして、常連客とかなりくだけた会話をするスタッフもいて、
施設全体のサービスレベルが高くなかったのだ。
はっきり言えば、レベルは低いということ。

そこで私は前述の三段論法になぞらえ、
中島流のこんな論法を考えたのだ。

 経営はスタッフの質をつくる。
 そのスタッフは客の質をつくる。
 よって、経営の質は客の質をつくる。

その事業の理念を伝え
(しっかりした理念がない場合は論外だが。)
良い教育を受けたスタッフは、当然良い対応ができるもの。
(だめなスタッフを採用していた場合は別。)

そして、良い対応と良い気遣いを受けた客は、
節度ある振る舞いをしてくれる。
ところが経営の理念や方針がしっかり伝わっていないと、
スタッフもきちんとした気遣いや
対応をすることができないということ。

以前、人生の先輩方に教えてもらったのだが、
この論法を有効活用した、こんな言葉がある。
「銀座で良いクラブを見つけたければ、
一度は店に行って、相手をしてくれる女性ではなく、
客を観察しろ」というものだ。

すなわち、“その店の質は客で決まる”ということ。
どんな客がいて、その客がどういう振る舞いをしているかで
その店の質、スタッフの質まで見えてくる。

これは今回のフィットネスクラブや夜のお店だけの話ではなく、
私たちのビジネスにおいても同じことが言える。
経営の理念が明確で
しっかり教育されていれば社員の質も良くなり、
商品やサービスも上質となる。

ひいては購入してくださるお客様の質も良くなるということ。
逆に考えれば、客層を見るだけで経営の質も見えてくるのだ。

「あそこは良いお客様ばかりだね。」
そんな風に言ってもらえる企業を目指したいものだ。

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ジムでは黙々とトレーニングしたいのだ。

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そして遂に新しいジムへと!

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良い教育を受けたスタッフは良い対応が出来る

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経営の質が客の質を作るのだ。

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03/07
2016

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人間万事塞翁が“投資”

ん!? 「人間万事塞翁が“馬”」ではなくて!?
…と思った方もいらっしゃるだろうが、
まずはお読みいただきたい。

これは、幸不幸は予想ができないという
有名な故事成語である。
先日テレビを見ていたら、まさにこの故事成語を
体現している人物が出演していた!

男子史上最年少で2013年の世界選手権金メダルに輝いた、
白井健三選手である。
(いささかこの故事成語には若すぎると思うが…。)
“後方伸身宙返り4回ひねり”という技を成功させた当時、
わずか17才1ヶ月という若さだった。

これでギネス記録をとった白井選手は、
翌年の2014年に行われた中国世界選手権でも
同じように練習を重ねて挑んだという。
その結果は、まさかの銀メダル…!
(当時はかなりショックのようだったが…。)

白井選手はこの時のことを振り返り、
金メダルを獲れなかったことが
良い経験になったと語っていたのだ。

このことによって、トップであり続けるには
常にチャレンジをしなければならない
ということに気づけたという。
つまり金メダルを獲れなかった
“不幸”が“幸”に転じたのだ!

私の場合で言えば、
株式会社クオーターバックを創業してから30数年が経ったが、
本当に様々な失敗を経験してきた。

しかし一度失敗すれば、「どうして失敗したのか」
「次はどんなチャレンジをすれば良いのか」を
知ることができる。

こうして身についた経営のノウハウは“暗黙知”となり、
次は成功率の高い選択肢を選べるようになったのだ。

ほかにも、私が経営デザイナーをやってきたなかで、
こんな経営者の話を聞いたことがある。

ついつい散財の日々を送って非常に苦しい思いをしたり、
無理な生活を続けた挙句、病気になってしまったり…。

そして生死に関わる状況での入院中、
いろいろと考えを巡らせたという。
行き着いた先が、それまでと大きく違う
あるべき姿を追求した理念経営。

人生の失敗に気づいたことで大改革を実行し、
傾きかけていた会社も徐々に戻すことができた。

実は、失敗という経験も
ある意味では“投資”ということ!
誰も失敗したくてチャレンジするわけではないが、
チャレンジこそが“投資”と言えるかもしれない。

チャレンジする前から、
失敗するかもしれないと考えるのはもったいない。
チャレンジして、うまくいかなかったとしても
それもいい経験をさせていただいたと
受け止めようではないか。

つまりこれが今回のタイトル、
中島流の『人間万事塞翁が“投資”』ということ。
例え失敗したとしても、
その経験は未来の成功につながっていくのだから。

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白井選手、あの若さで快挙!

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失敗も投資なのだ

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02/15
2016

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ビジ達流“出もの腫れもの、ところ嫌わず”

株式会社クオーターバックを創業してから34年が経ち、
ついに私は退社することになった。
退社と言っても同じフロアに居させて貰っているので、
他の会社に移籍しただけのようなものなのだが…。

創業から今までを振り返ってみると、
タイトルのことわざ“出もの腫れもの、ところ嫌わず”を
思い出してしまったのである。

「出もの」とはおならや便のことで、
腫れものとはおできやニキビのこと。
こうしたものは時や場所を選ばずに
現れるという意味のことわざなのだが、
ビジネスに置き換えても、
禍いや思いもよらない出来事は突然やってくる。

私が1982年に起業した“クオーターバック”は、
現在までに何度も好景気と不景気を経験してきた。

1980年代後半から
1990年はじめにかけてのバブルとその崩壊。
2000年に入ってからは景気回復が見られたものの、
2008年のリーマンショックがあり、
2011年には東日本大震災…。

わずか30年の間にこれだけの
好不況の波があるわけで、
景気の上下はこちらの意図とは関係なく
やって来てしまうものなのだ。

さて、弊社の仕事の大部分は
コーポレートコミュニケーション関係に分類されるが、
実のところ月刊や季刊などの定期的な情報誌を
お手伝いすることが多い。

これらは定期的に決まった収入が見込めるため、
会社にとっては、安定した「うれしい」仕事だ。

しかし、クレームや事故などのトラブルがきっかけで、
これらの定期物が一気に消えてしまうことも起こり得る。
定期物が無くなれば、
その関連でいただいていた仕事まで
なくなってしまうことがあるのだ。
結果として、会社の大きな損失につながることもある。

だからこそ、「定期的にもらえる仕事だから…」と慢心せずに、
気を引き締めなければいけない。

先日、総務の人間と健康保険の番号の話になった。
もちろん私の番号は1番なのだが、
今年入った新人の番号を聞くと、130番近くだという。
(創業者から順番に割り振られるのだ。)

もちろん現在は退職してしまった人もいるが、
私は創業から100人を超える社員と
共に歩んできたんだなあ…としみじみしてしまった。

不況やトラブル、退職者…。
こういったものは、どんなに対処しても
避けられないことがある。
マクロ的視点で見てみると、
色々な禍いや好不況は必ずやってくるということ。

ただ、その体験のお陰で、
そのあとに良い影響があることも多いのだ。

つまりは「人間万事塞翁が馬」。
例え「出もの腫れもの、ところ嫌わず」であっても、
「雨降って、地固まる」というところにどう持っていくかだ。

「出もの腫れもの、ところ嫌わず」から何を得て学ぶか。
その発想こそが、何事においても
大事なのかもしれない。

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不況やトラブルに見舞われても…!

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いつかは好況にたどり着く

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01/25
2016

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“深化”への投資

聞きなれない言葉と思われるだろう。
“深化”とは、深く変化するということ。
(親しいという意味の“親化”でもいいのだが…
その話はまたのちほど。)

今回はそのための投資がいかに重要か?
についてお話しようと思う。

昨年から本格的に動き出した、
私の…いや十勝のワイナリー構想。
北海道十勝の芽室町にぶどう畑や醸造所、
様々な施設を併設し、情報を発信しながら
地域活性化につなげようというものだ。

この活動のための十勝里山デザイン研究所が発足したので、
先日は役員とワイン醸造アドバイザー、
さらに農家にも東京へと足を運んでいただいた。

その目的は、我々に苗を提供してくれている会社、
植原葡萄研究所(山梨だけど…。)の
植原宣紘(のぶひろ)代表に、
ワイナリー構想をプレゼンすること。

ズバリ、私たちのワイナリーに適した
ぶどうの苗づくりをお願いしに行ったのだ。

というのも、北海道の十勝は日高山脈の東側にあり、
冬にはマイナス20度、いや
25度((>_<;))にもなるほど寒い地域。

これまでは、一般的なヨーロッパ品種の
苗の越冬は難しかったと聞いている。
しかし温暖化と技術の向上によって
越冬が可能なのでは…と思い、
ヨーロッパ品種にもチャレンジしようということになったのだ。

苗の本数を確保するのも、寒さに強い苗を入手するにも、
植原葡萄研究所の協力が必要不可欠。
「そんなものはメールや電話で注文すれば済む話では?」と
思う方もいるかもしれない。

しかしそのような関係では、
これからのワインヴァレー構想において、
いい未来を作り出すことはできない。

例え移動費含め様々な経費がかかったとしても、
十勝里山デザイン研究所の取り組む姿勢、
将来への期待値を伝えたいと思った次第だ。
これが関係の“深化”ということ。

さらに大里綜合管理株式会社や
ワイン輸入会社であるミリオン商事株式会社に伺い、
視察や懇談会に参加。

そして上京した人たちにも、
その思いの“深化”を期待することに…。
芽室町出身の人たちでつくられた
“東京芽室会”にお邪魔し、
ワインヴァレー構想をプレゼンしてきたり、
東京国立博物館のワイン展にも足を運んだりなど、
充実した時間を過ごすことができた。

このような活動は、既につながりのあるものを、
さらに深い関係にしていく行為。
それが冒頭でお話した中島流の“深化”であり、
なかなか目に見えず数値にも現れにくいもの。

物事が上手くいくためには、関係の深化が欠かせない。
もちろん人間関係の“深化”だけでなく、
知識、ノウハウの“深化”も重要だ。
すべてをひっくるめて、
“深化”というキーワードが大切になってくる。

つまり“深化”によって物事が良い方へ流れ始め、
人々のエネルギーは目的に向かって集約していく。
すると相乗効果がどんどん現れるということ。
“深化”への投資なくして、目標の実現はない!

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ご協力ありがとうございます!

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植原宣紘氏と

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東京芽室会

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