09/22
2014
「挑めばチャンス、逃げればピンチ」
『挑めばチャンス逃げればピンチ』。
これは、アサヒビール名誉会長
樋口廣太郎氏の著書のタイトルだ。
この書籍では、樋口氏の住友銀行時代から
アサヒビール再建時代などの半生が綴られている。
その中で語られるのは、タイトルの通り、
挑むことが確かなチャンスにつながり、
逆に逃げればピンチに追いやられるということ。
これは、まさに今の時代だからこそ
必要な言葉に思えてならない。
それを実感したのは、先日、
リサイクル関連業務のマグネットを開発・販売している
植松電機の植松努氏の講演会を企画し、お話を伺ったときのこと。
5、6年ぶりにお話しを聴いたのだが、
非常に有意義な講演内容だった。
講堂では淡々と語る植松氏なのだが、
その言葉から情熱が伝わってきた
(その場にいた経営者たちからは、
「本当に刺激的だった」という声も)。
子供の頃から宇宙への夢を抱いていた植松氏は、
周囲の大人からどんなに否定されても、
諦めずに挑戦してきた。
その結果、北海道の片田舎の工場にいながら
ロケットの共同開発に成功し、
JAXAと協力関係を結ぶほどに発展したのだ。
中でも印象的だったのが、「楽をすると無能になる」ということ。
「楽・安定・高給」というものさしで
会社を選ぶ人が多いという。
そして、評価以上の努力をしない人も。
しかし、評価だけをあてにしていると、
その評価分の人間になってしまうし、
能力以上の対価をもらえば、
同じような条件を求め続けてしまう。
結果、自分の能力とビジネスの衰退を招いてしまうのだ。
まさに、常に挑まなければチャンスも進化も生まれないのだ。
お話を聞く中でふと思い浮かんだのが、
丁度このタイミングで「夢に挑む」というテーマで
特集されていたある雑誌。
そこには世紀の発明家である
トーマス・エジソンが電球を発明した時の
エピソードが紹介されていた。
「電球を完成させるのに5000回も失敗したそうですね」
という記者の言葉に、エジソンは
「失敗ではない、
うまくいかない5000通りの方法の発見に成功したのだ」
と答えたという。
1回の成功のための多くの失敗は、
そこにたどり着くまでの布石であり、
チャレンジしたからこそ得られた結果なのだ。
現代では、チャレンジした人に対して
「失敗したらどうするの」「誰が責任を取るの」
などと言う人がいる。
自分がチャレンジしないのはかまわないが、
人のチャレンジの邪魔をするとは…。
私からすると最低の人だ。
こんなことを堂々と言う人が多くなったことが、残念でならない。
とにかく、挑戦しないことには何事も前に進めない。
まさに、ビジネスもプライベートも
「挑めばチャンス、逃げればピンチ」ということなのだろう。