これからの選ばれるビジネス!

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先取りビジネストレンド

10/26
2015

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スパイバー流ソリューションビジネス

スパイバー(Spiber)?
スパイダー(Spider)の綴りを
間違えたのだろうか?

そう思ってしまうようなこの言葉は、
スパイダーとファイバー(fiber)を
掛け合わせた企業名。

その名の通り、世界で初めて
人工の蜘蛛の糸の量産化技術を確立した、
いま大注目の企業である。

一体なぜ、“蜘蛛の糸”の製造で
注目されているのだろうか?

一般的には、蜘蛛の糸というと
人の手でプチンと切れてしまう
イメージがあるかもしれない。

しかし、実はとてつもなく丈夫で強固な糸なのだ。
それが一体どれほどのものかと言うと…。
・鋼鉄の4倍の強度
・ナイロンを上回る伸縮性
・既存の繊維のなかで最も丈夫
・300℃以上の熱に耐える
ざっと挙げただけでも驚きの性能ではないか!

しかもシルクと同じように
タンパク質でできているのだが、
自然界に存在する物質“糖”が原料なのだという。

つまり特別な材料は不要で、
害もなく地球にやさしい製造が可能なのだ。

すなわち人工の蜘蛛の糸は、
再生可能な生物由来の資源=バイオマス。
まさに “スーパー繊維”!

しかし、これまでは量産するのが難しかったそうなのだ。
そんな中でスパイバーはとある大手の
自動車部品メーカーと提携し、
ベンチャーキャピタルなどから
50億円もの出資を募って開発を進めてきたという。

スパイバーの代表執行役である関山和秀氏は、
元々慶應義塾大学の研究室で蜘蛛の糸に携わってきた方で、
在学中に会社を起ち上げたのだという。

いかにも研究者らしい真面目な印象を受けるが、
関山氏は元々「地球規模の課題を解決できる
ビジネスを展開したい」という志を持っていたそうなのだ。

世の中に役立つ仕事でないと長続きしない、
という信念を持ってのチャレンジである。

これはまさに “ソリューションビジネス”であり、
私が言うところの“タテの発想”!
そんな素晴らしい想いがあったからこそ、
創業から現在までの短期間に
ここまでの援助や協力を引き寄せられたのだろう。

資源をむやみに消費せず、
自然に存在する物質を原料とする技法や、
課題解決のために“蜘蛛の糸”の量産体制を実現させたことは、
今までのものづくりの常識を変えてしまうような出来事だ。

目先の利益にばかりとらわれていると、
関山氏のようなアイディアは出ないし長続きもしない。
私が思うに、ソリューションビジネスは
“タテの発想”をしている方々が生み出すものではないだろうか。

地球規模で見た課題を解決しようとする姿勢があるからこそ、
“タテの発想”、“タテの経営”を行う人には
大勢の協力者が傍にいてくれるし、
長期的に続く事業となり得るのだ。

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スパイバーの関山和秀氏

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先取りビジネストレンド

10/13
2015

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いまどきのソリューションビジネス

最近のビジ達でもたびたびご紹介している、
ソリューションビジネス。
ソリューション(solution)とは、課題解決という意味。

近年、日本では儲けるためのビジネスより、
時代の移り変わりによって浮き彫りとなった問題や
困っている人々の課題の解決に向けたビジネスが増えてきている。
今回はそんな“いまどき”の
ソリューションビジネスをご紹介したい!

新聞を読んでいたときに見かけた、
「不満買い取ります」という文字
(買ってどうするの? と思ってしまった)。
その名も「不満買い取りサービス」!

これは製品やサービスについての不満を顧客から集め、
データ解析を行った上で、その内容を
調査レポートとして対象の企業に販売するというもの。
専用のスマートフォンアプリで不満を集め、
不満の内容は製品にまつわることから接客のことまでさまざまだ。

そして不満を投稿してくれた人には、
Amazonでの買い物に使えるお得なポイントをあげるというもの。
企業と生活者、どちらにも利点のあるサービスとなっている。

ふたつ目のソリューション事例としてご紹介するのは、
「まごころサポートMIKAWAYA21」。
全国に数多くある新聞販売店のうちの約300店舗や、
地域密着ビジネスを行う会社を拠点に、
いま日本が迎えている超高齢化社会のためのサービスを展開している。

例えば、足腰を悪くして切れた電球を取り替えられない、
近所への買い物もままならないなど、シニア層が抱える
生活の中の「ちょっと困ったこと」を手助けしてくれるサービスだ。

新聞購読者が年々減り続ける現代では、
新聞販売店にとっても、これまでのネットワークが
活かせるビジネスとして期待ができるだろう。

そして、よくビジ達でもご紹介している株式会社マイファーム。
ここでは、農業体験ができるレンタルファームや、
週末農学ビジネススクールなど、
農業に興味のある人に向けてのサービスが展開されている。

ソリューションビジネスの鍵となるのは、
耕作放棄地の再生と有効活用の追求で、
これからの日本が抱える問題解決に向けて、
必要な技術を学ぶことができるのだ。

最後にご紹介するのは、
山形県鶴岡市にあるスパイバー株式会社。
世界的にもビッグニュースとなった、
「クモ糸タンパク質」の人工合成と
量産化技術の開発に成功した企業だ。

自然界においても、クモの糸というのは
強さと柔らかさを兼ね備える究極の素材であるが、
この高強度繊維を人工的に作り出し、
我々の生活に役立てることが期待されている。

このスパイバーについては、
改めてこのビジ達で詳しくご紹介する予定なので、乞うご期待!

このように、現在では多方面で
ソリューションビジネスが展開されている。
解決策をビジネスとして社会に提供する企業は、
これからも増えていくかもしれない!

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不満を買い取って有効活用!?

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農業にまつわるさまざまな事業を展開

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08/24
2015

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いまどきのプロフェッショナル度チェック発信

はい・いいえ・どちらともいえない。
これから出す10個の質問に、
この3つのどれかで答えていただきたい!

1. 仕事に対して常に能動的にチャレンジを心がけている
2. 1週間にする運動メニューが決まっている
3. プロとしての日課を持ち、ルール化して継続している
4. 部下など、自分より若い人のことを考えた言動を心がけている
5. あえてスマートフォンに頼らずに行動をすることがある
6. 先のことを考え、前倒しで仕事を終わらせることが多い
7. 始業時間の15分前には出勤している
8. 何ごともとことん追求するほうである
9. 常に正直・勤勉・倹約を心がけている
10.量は質に転化すると思っている

全部で10個の項目で、まず「はい」と答えたら2点。
「どちらともいえない」は1点、「いいえ」だったら0点。
さて、いま読んでくださっている方は、
いかがだっただろうか。

実はこの10個の質問は、
“いまどきのプロフェッショナル度”を
チェックするためもの。

以前からビジ達でご紹介している、
“相乗効果は行動の二乗に比例する”。
これは行動すればするほど、
さまざまな相乗効果が期待できるという意味だが、
プロフェッショナルは
チャレンジを続けなければ成りえない! ということ。

何ごとも先周りして行動する意識、
そして本物であるために持つ意識は、
プロとして活動する上で重要なものだ。

『7つの習慣』の「成功者の共通点」では、
“成功者たちの共通点は、
成功していない人たちの嫌がることを、
実行に移す習慣を身につけているということである”とある。
そして成功者は、お金ではない報酬の貴重性も知っているのだ。

う~ん、やはり何かを成し遂げられる人っていうのは、
多くの人が「嫌だなぁ」と思うようなことを
徹底して継続できる人なのだろう!
“習慣”を身につけることができれば、
おのずと成功への道は近づいてくるはずだ
(私もビジ達を続けて、早12年目だ…)。

一つ、この“プロフェッショナル度チェック”に
入れようとしていた項目がある。
それは、社会貢献をする意識だ。
自分がプロである理由に、
プロとして何かしらの形で社会に対して
貢献するという気持ちは持つべきだということ
(すでにある項目にもその意識は入っていると考えてみたが…)。

プロフェッショナルと呼ばれる人たちは、
目的意識があるからこそ継続できる。
自分を信じているからこそ、成し遂げられる。

さて、皆さんはこのプロフェッショナル度チェックで、
何点と出ただろうか?
15点前後まできたあなたは、
もうプロフェッショナルかも!?

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これがチェック項目だ!

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行動すればするほど相乗効果が期待できる

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お金ではない報酬の価値とは?

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08/10
2015

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ワイン産業の行方から読む!

先日、仲間と2人で神楽坂のワインバーで飲んでいたときのこと。
お店のスタッフにワインの試飲を勧められたのだが、
これが非常に美味しかった。
ラベルを見て見ると…
なんとニュージーランド産(思わず買ってしまった)!

ワインの産地と聞くと、生産国一位のイタリアや、
フランスあたりを思い出すことが多いが、
このニュージーランド産ワインのように、
いまやさまざまな国や地域でワインはつくられているという。

そういえば、30年前に飲んだカルフォルニアワインは
安くて量が多かったことを思い出した
(味はイマイチだったが…)。

また、5、6年前にナパで飲んだ
ブランドワインの「オーパス・ワン」は、
当時でも一杯約35ドルもしたのを覚えている。

もちろん、カルフォルニアだけではない。
最近では新しくカナダ産ワインというのも
注目されているという。
他にもポルトガルやブルガリア、
ハンガリーやオセアニアなどなど。
あ! 南アフリカのワインを口にする機会も増えた。

う~ん、そう考えただけでも
かなりの国でワインはつくられているということだ。

では、もともとイタリアやフランスを中心に
飲まれていたワインが、何故ここまで世界中で
飲まれるようになったのだろうか。

私が思うに、先進国から新興国への事業拡大による
ワイン文化の広がりが関係しているのではないだろうか。
というのも、先進国で培われたワイン産業は、
その国の醸造家たちが新興国にて安い労働力を活かして
大量生産することでビジネスを広げた。

それに伴い、新興国ではその土地の富裕層が
ワインを飲むようになり、ワイン文化が広まっていったのだろう。

中島流では、この現象を
“地球規模の成熟化”と呼んでいる。
この成熟化によって、
ワインは一部の国だけの飲み物ではなく、
世界で飲まれるものとなったのだろう。

しかしこの“成熟化”、
一見すると良い現象のように思えるが…。

ワインに限らず、先進国で育まれた文化・産業
(食事や衣類などあらゆるもの)が、
地球規模で成熟化していくと、
さまざまな国で似たような価値観・消費の趣向が広がるのだ。

そうなると、需要と供給のバランスが崩れ、
本来必要としている国や地域に供給されなくなってしまうことも。
値段の高騰はもちろん、品不足となり、
ある地域では生活文化が変わらざるえなくなるところもあるだろう
(現在の国際的な和食ブームによる、マグロの品薄も同じことだろう)。

このように、一部だけ見ていては
それが本当に良いモノ・コトなのかは分かりづらく、
俯瞰してみると見え方が変わってくることも多い。

ここまでボーダーがなくなりつつある現代においては、
ビジネスももちろん、地球規模にまで俯瞰して
考えていく必要があるは当然となるのだ。
まさに“Think Global Act Local”ということ。

と、ニュージーランド産のピノワールを楽しみながら、
今後のビジネスの在り方について考えていたのだった…。


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各国のワインが楽しめる現代

trend (2)

ワイン文化は世界中へ

trend (3)

物事は俯瞰して観察してみることが大切だ

trend (4)

Mr.セイージもワインに夢中!?

trend (5)

ワインのお供にぴったりだ

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07/27
2015

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Happy Outdoor Weddingの可能性

「結婚式」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

真っ白な式場の中で…
バージンロードを歩き…
新郎新婦がケーキ入刀して…

こんなことを思い浮かべる人も多いかもしれない
(かくいう私もほとんど記憶がないのだが…)。

しかし今、従来の結婚式の常識を裏切る、
新しいウェディング
「Happy Outdoor Wedding(H.O.W)」が
人気を集めているという。

先日、そんなH.O.W代表の柿原優紀氏と
お会いする機会があり、お話を聞いてきた。

H.O.Wは、“Outdoor”とついているとおり、
主に野外での挙式を提案している。
それはキャンプ場やビーチだったり、
朝の公園だったりと様々
(地元の広大な畑で挙式する人も)。

また、基本的に準備は
新郎・新婦を中心とした仲間と共に手作りする
“参加型”のウェディングでもあるのだ。

このように、H.O.Wが提案するウェディングの特徴は、
従来の「企業が用意したウェディング」ではなく、
「当事者たちが仲間と共につくり上げるウェディング」
であるということだ。

中でも大切にしているのは、
「どんな結婚式がしたいか」
「どこで挙式したいか」
「どこにお金をかけたい(こだわりたい)か」
だという。

そして、H.O.Wは
あくまで新郎・新婦たちの
こだわりの内容を実現するための
フォロー役なのだとか。

確かに、「結婚式」とは本来なら
結婚する本人たちにとって、
また、その周りの人にとって
どうあるべきかが大切だ。

だが、これまでのウェディングは定型化し、
商売のライン上に乗せられて
しまっていると言っていいだろう。

だからこそ、あえて当事者たちや仲間たちが
プラン考案・準備などに参加することで
価値の高いウェディングとなるのだろう。

ここで私が注目したのは、
このウェディングによって生まれる相乗効果だ。

H.O.Wのウェディングは、アウトドアであること、
そして挙式場所や催し内容の自由度が高いこともあり、
様々な場所でその地域の人の協力を得ながら開催される。

そのため、式に集まる人たちは
これをきっかけにその場所に訪れ、
魅力を知るという人も少なくない。

また、その地域にとっても、
ウェディングを通して
経済的貢献・地域活性化につながる。
まさに、ウェディングを中心に
周囲にまで“相乗効果”が広がるのだ。

H.O.Wはスタートしてまだ4、5年で、
事例もまだまだ少ないが、
2014年にはウェディングコンクールで
総務大臣賞を受賞するなど、
大きく注目されている。

柿原氏は「儲かる商売ではない」と言うが、
今後もっと多くの人に“選ばれる結婚式”
すなわち“選ばれるビジネス”となっていくのだろう。

定型化したものが多く溢れる現代において、
生活者が「何を選ぶか」
「どこで買うか」を見定めることが、
次代で選ばれる企業につながる。

H.O.Wにはそのヒントが
沢山秘められていると言っていいだろう。

trend

ウェディングから見た、次代のビジネスとは?

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