
02/17
2025


“クリスピー・クリーム・ドーナツ”から令和の“異業種競争”を知る!
ある朝、京葉線特急に乗るために
東京駅周辺でコーヒー店を探してのこと。
すなわち有楽町寄りの東京駅周辺で
程よいお店を物色していたわけだ。
すると国際フォーラムの敷地内の
クリスピー・クリーム・ドーナツに行き着いた。
(私の通常のカフェ選択には出てこないお店)
オシャレで広い空間を見ながらコーヒーを頼むと、
思わぬサービスが…
それは、無料で提供されるドーナツ。
そして“温めましょうか”とまでスタッフが投げかけてくれる。
嬉しさの中で、このようなサービスが今のカフェ業界の
新たな戦略の一環であることに気づかされる。
単なる客寄せだけでなく、
業界の競争構造をも反映してのことなのだろう。
【そこには業界を超えた競合が迫る】
過去10年間、ドーナツ業界は新規参入者で沸き立ってきた。
クリスピー・クリームの人気は並外れ、
参入したセブンイレブンのドーナツも定番かと思われたが、
実際には撤退を余儀なくされた。
(またセブンは試し復活もしていると聞くが…)
その中で、ミスタードーナツが地位を維持し続けたのは、
直接の競争相手だけではない競合に対しても
備えをしていたからだという。
特に昨今の消費者のライフスタイルの変化が
業界全体に影響を与え、
業種の壁を越えた競争が日常化している。
コーヒーチェーンやコンビニが提供するカフェメニューが、
広義の競争相手と化している。
顧客は、コーヒーとドーナツの組み合わせを求めるが、
それをドーナツ専門店以外でも十分に楽しめるわけだ。
この“異業種の競争”に対処することの重要性が増している。
【業界を超えた競合に私たちはどう対処していくのか?!】
ミスタードーナツが一定の成功を収め続ける背景には、
消費者に対する柔軟なアプローチと
ドーナツ本来の魅力に立ち返ったことがある。
百円キャンペーンなどの戦略が功を奏し、
信頼を築き上げている。
(実は私もときどき、ミスタードーナツに並んでしまうことも)
時代がデフレに傾いていたこともあり、
消費者はお得感と価値を求めるようになり、
それが古典的なドーナツ店の強みとなっている。
今後、ドーナツ業界の企業たちは、異業種間での競争を
どう乗り切るか、どのように新しい顧客体験を
提供し続けるかが重要な課題となっている。
さて、ここまではドーナツでありカフェ業界の話だが、
実は私たちのビジネスにおいても、
異業種間での競争がすでにあちこちで起こっているのだ。
例えば、派遣やアルバイト市場では、
タイミーのようなスポットワーク企業が登場し、
即時働きたい人と人手を求める企業を繋ぐ
新たなモデルを提供している。
また、中古品市場にはメルカリのような企業が参入し、
個人間取引を一気に活性化させた。
今や、高価な中古品市場を含むさまざまな領域で
競合はますます激しくなっているようだ。
このように、多様なニーズに対応する革新的なサービスが
次々と現れる中、業界を越えた視点で顧客価値を再考し、
市場の変化に柔軟に対応することが求められているのだ。
私たちのビジネスにおいても、その競合は
すでに違う畑でメキメキと育っているのかもしれない。