08/24
2015
“マクロの優先順位”を持て!
生活者にとって魅力的なサービスを展開する、
株式会社ベアーズ(経営者仲間の会社だ)。
なんと、買物、掃除、洗濯、料理など、
なんでもこなしてくれる“家事代行”を行っているのだ。
私もお願いしたいと思っているのだが…。
いかんせん家事は“自分でこなすこと”にしているので、
今のところお願いしていない。
ベアーズの場合は切実な需要もあってのサービスなのだが、
今や必要以上の“便利でラク”を
提供するサービスが多様になりつつある。
生活雑貨でも少し重いものを買おうと思えば、
自宅配送のネットスーパーを使う人も多いだろう。
引越しも、依頼者がほとんど労力を使わない
荷造りからのパッケージサービスが増えてきた。
常にかゆいところに手が届くサービスが目白押しだが、
私はこれに疑問を持っている。
このようなサービスを、自分で何もかもできるはずの
元気な人間が使うべきだろうか?
確かに、不自由なこともあるだろうし、生活環境によっては
非常にありがたいサービスであることは確かだ。
ただ、生活環境に問題のない私たちが
それを全て享受してしまうのは本当にいいのだろうか。
例えば、現在はあちこちに自動販売機が並んでいる。
一人分に詰められた飲み物、
しかも魅力的で種類の多いメニューが目の前に揃っているのだ。
そんなものを目の前にすると、
子供はもちろん、大人だって
欲求のままに「これが欲しい!」と思ってしまうだろう。
これは現在の“便利でラク”を
提供するサービスと同じ状態なのだ。
ラクができる方へと行ってしまうのが人間だが、
目前に並んでいるサービスに対して
“便利かどうか”、“高いか安いか”ではなく、
“自分にとって必要か”をベースに
優先順位をつけなければならないと思うのだ。
企業の提案するものをあれこれと受け入れ、
流されてしまっていては、人々は本来の生活循環から
逸脱してしまうのではないだろうか。
これはビジネスにおいても同じことが言える。
一から勉強しなくてもビジネスソフトを活用すれば、
これまでの手間をかけずに完結できる。
例えば、メールでやり取りすれば、
ほとんどお客様のところにお伺いしなくても
仕事を終了することができる。
しかし、相手と直接やりとりをしなければ
伝わらないニュアンスもあるだろう。
あれこれ便利を優先していると…
のちのち仕事上での歪みが生じてくると思えるのだ。
それに、どの世代も同じような仕事に
従事していればいいのかといえば、そうではない。
自分の年齢や立場を踏まえ、
人生のステージによって優先順位をつけるべきなのだ。
若い社会人ならば、下働きによって“仕事とは”の
てにをはが学べるということ。
ある程度、仕事の経験を重ねた人ならば、
次は人材の育て方、ノウハウの伝授、
技術の継承に目を向ける段階となるのだ。
このように、先を見据えながら自らの役割を自覚し、
優先順位をつけ、行動を起こすことが大切ということ。
自身の健康や会社の未来など、
長期的な計画の基本には、マクロの視点が必要となるのだ。