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2017
“美しい花”ばかり、求めちゃいけない理由。
なんと可憐なピンクの花。
真冬だというのに花をつけてくれたのだから、とにかく愛しい。
そして、ちょっといじけた花に見えるには、理由がある。
実は、この朝顔の花、F1種の3代目、すなわちF3 なのだ。
F1と言っても300キロのスピードで走るF1ではない。
メンデルの法則で言うところの、交配により優性が活かされた雑種の一代目ということ。
そのF1から、代々種を取り、3代目の朝顔がこの一輪のピンクの花をつけたのだ。
2014年7月、入谷の朝顔市で買ったときは、一つの鉢の中にも色の違う花がいくつも咲き乱れ、
さすが「恐れ入谷の鬼子母神」と言いたくなる程、美しい朝顔だった。
そして次の年の朝顔は、たくさん花をつけてくれたが、なぜかすべてピンク一色。
(あのブルーは? 団十郎は? どこへ!?)
でも、たくさん種をつけてくれたこともあり、
その意図に従って、昨年の春は6鉢にも種をまいたのだ。
(果たして、どんな花が咲くのか…)
ところが、夏になっても…一向に花が咲かない。
どの鉢も、ひょろひょろながらも朝顔の茎は成長するのだが、花は咲かない。
やっぱり、F1種の二代目三代目は、期待できないということか…。
と、あきらめかけていた秋。
ついにピンクの一輪の花をつけてくれた。
待ちに待った花を見ていると、思わず感動している自分に気づくのだ。
時間をかけ、苦難を乗り越えて、
ここまでたどり着いてくれたのかと思うと、その喜びはひとしお。
何と、花が咲くまで、4カ月以上かかったのだ。
そこから、この1月まで、給水さえ忘れずにしておくと、
葉を枯らしながらも、思い出したかのように、蕾をつけてくれる。
そして、満面の花とは言えないが、花を咲かせてくれるのだ。
彼女ら(彼ら?)は、この9カ月間、ず~っと花を咲かそうと、
試行錯誤してくれていたということ。
そして、この真冬まで、夏を代表する朝顔が花をつけてくれたのだ。
とにかく私が“愛しい”と思う気持ちが伝わっただろうか。
どんなに時間がかかろうが、手間がかかろうが、結果は満点でなくても、
ある目的に向けて進んでいる姿には、人は感動する。
その花は、ちょっといじけた状態であっても、
人はそのプロセスを察知し、心を動かしてくれるのだ。
比較論ばかり展開し、結果ばかり求めていると、
本来人として大切な“感動の素”に気づけない人となってしまうということ。
ところで、人にとって都合のいいF1種ばかりをつくって行くと、
当然本来の循環がなされなくなり、将来の土壌を劣化させるということにも。
やっぱり循環する摂理を人の都合で止めてしまうと、どこかに弊害が出て来る。
やっぱり、私たちの世界は、循環であり、
“回ってる”ことがいかに大切かということ。
花も人も、ビジネスも回ってないとだめなのだ。
回っていることが、順調に進んでいるということ。
実は、そんな3代目のF3朝顔から、少ないが種が採れている。
ふっふっふっ、もちろんF4をつくり、美しい花を咲かせますよ。
美しい朝顔の花を…。
(やっぱり、バーチャルではなく、生きているものとのやり取りは楽しい…)
我家では、7年目(?)のシクラメンが、なぜかこれから活躍する…。