
03/10
2025

私たちのビジネスの意思決定にも 影響する“行動経済学”!
という投げかけで1年半前に紹介した“行動経済学”。
思った以上に人気だったのだろう…
『マンガでカンタン!行動経済学は7日間でわかります。』
(相良奈美香著・西野みや子漫画)が登場した。
ちなみに、私たちがついSNSであり動画を
見続けてしまうのは、すでに“行動経済学”的考え方を
あれこれ取り込んでいるからに違いないのだ。
タブレットやスマホなどを使ったショッピングの方が
より多く買ってしまうのも…
あの“ポイント5倍デー”に惑わされて
ついつい買い過ぎてしまうのも…
ふむふむ…この令和の時代には“行動経済学”は
かなり重要な学問かもしれない。
ということで、改めて“行動経済学”を学んでみよう!
【脳の2つの思考モード“システム1 vsシステム2”】
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、
人間の脳には“システム1”と“システム2”
の2つの思考モードがあり、
人は情報処理をする際にこの2つの思考モードを
使い分けていると指摘する。
“システム1”はファストとも呼ばれ、
直感や経験をもとに素早く判断する思考モードを意味する。
一方、“システム2”はスローとも呼ばれ、
注意深く時間をかけて判断する思考モードを意味する。
論理的な考察やデータの分析は、
この“システム2”によるものといえる。
この2つの思考モードは、時と場合に応じて配分が変わり、
無意識に連動しながら同時に動いている。
ただし、“システム1”での判断は、
合理性から外れた意思決定につながることが
往々にしてあるため、人間がいつ“システム1”を
使いがちになるのかを知っておくことが、
誤った判断をしないための助けになるという。
【人は「状況」によって意思決定させられている?!】
人の意思決定や行動は、置かれた状況や環境に
強い影響を受けている。
例えば、“錯視”でよく使われる図を思い描いて欲しい。
周りの丸の大きさが異なることで、
中心の丸が大きく見えたり小さく見えたりする。
この目の錯覚と同じように、天気、順番、
無意識に与えられた刺激、提示のされ方など、
自分の頭の外にある状況によって、
人の意思決定や行動が決定させられているという。
事例①買い物中も人の存在に影響を受ける“単純存在効果”
スーパーでの買い物で、1人だと1番安いものを選ぶのに、
周りに人がいるだけで高いものを選んでしまう。
周りに誰かがいるときと誰もいないときでは、
意思決定に違いが出るという。
事例② モチベーションが下がってしまう“過剰正当化効果”
もともと好奇心や興味などの内発的動機から
取り組んでいた作業に、報酬や評価などの
外発的動機が用意されると、“やりがいがあるからやる”
という本来の欲求が“人にやらされている”という感覚に変わり、
モチベーションが削がれてしまう。
↓ ↓ ↓
“行動経済学”は、人々が非合理な選択をする理由を
理解するための重要な視点を提供してくれる。
すなわちこの“行動経済学”のノウハウは、
発注企業を決めるコンペティションのときなど
そのプレゼンの仕方によっては優位に展開可能ということ。
そして多くの人は、購買行動やモチベーションのための
施策内容によっても大きく左右されるという。
ということは、より興味を持ってもらい
つい買ってしまいたくなる演出をどうするかなのだ。
令和の時代において“行動経済学”は、
売る側にとっても買う側にとっても
意思決定をより豊かにする鍵となる学問ということだ。