11/10
2014
弘兼憲史氏の“複利”の40周年
先日、私の元に「弘兼憲史氏 画業40周年を祝う会」
と書かれたインビテーションが届いた。
たびたびビジ達にも登場してくれている、
漫画家・弘兼憲史氏がデビュー40周年を迎えられたのだ!
弘兼氏といえば…1974年に『風薫る』でデビューし、
もっとも有名な作品といえば、やはり『課長島耕作』シリーズ。
私は『ハロー張りネズミ』や『人間交差点』など愛読していた。
ご存知の方も多いと思うが、弘兼氏は漫画家になる前に
サラリーマンとして働いていた。
そう“島耕作”が働いていた「初芝電器産業」の
モデルとなった松下電器産業に約3年勤務していたのだ。
その経験が元になっているのが、
大ヒット作である『課長島耕作』シリーズ。
読みきり作品だったというが、
連載となり、30年以上続く人気シリーズとなっている。
そんな長い間走り続けている弘兼氏の人生における座右の銘が
「人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)」!という言葉だ。
人生の幸福や不幸は予測できない。
だからこそ、どんどん前に進んでいくしかないという意味である。
現在ビッグコミックオリジナルで連載されている『黄昏流星群』は、
登場人物たちが思わぬところでさまざまな禍(わざわい)に遭遇し、
それを通して人生の転機を迎えていく。
まさに「人間万事塞翁が馬」を体現した
ストーリーと言っていいだろう。
弘兼さんの40周年を顧みて感じること。
それは“複利”だ。
作品づくりのためにさまざまなところへ出向き、そして出会う。
例えば、ご自身が好きなワインやゴルフは
マンガの中にたびたび登場し、
かなり掘り下げた内容で展開している。
それが読者の興味をより一層引きつける
作品の魅力につながっている。
『黄昏流星群』の登場人物の多くは、弘兼氏と同じ世代だ。
つまり、弘兼氏自身のライフステージや興味と共に歩んでいる作品なのだ。
常に奥深く、新しい境地を切り開く作品づくりこそ
まさに“複利”であり、複利の作家業を続けてきたからこそ、
第一線で活躍してこられたのだろう。
あっ、弘兼氏も40周年だが、
実は私もクリエイティブ業40周年なのだ!
(弘兼氏ほどの名声はないが…)
ちなみに『ヤング島耕作』では、
私とよく似た広告制作会社の社長が登場する。
あまりいい役ではなくて残念なのだが…。
あれっ?もしかしたら弘兼氏は私のことを
そんな経営者だと思っていたのでは…?