これからの選ばれるビジネス!

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11/07
2022

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石門心学は、“心徳の学”!!

とある雑誌の対談に取り上げられていた横井小楠。
横井小楠(1809年―1869)は、
幕末維新期の思想家、政治家、熊本藩士。
藩校“時習館”に学び朱子学的教養を身につけ、
実学にも関心を寄せた。
吉田松陰をはじめ西郷隆盛などたくさんの
人物が大きな影響を受けたという。

その雑誌では、このところの戦争は“西洋的な考え方”が要因かも?
とのことで横井小楠の言葉を取り上げていた。
曰く、西洋の学は“事業の学”、これに対し東洋は“心徳の学”だと。
その対談の記事をピックアップすると…

西洋の学は「事業の学」。
つまり商売の学問なので、
引き下がるということがない。
成果を出したか出さなかったか、
儲かったか儲からなかったかの一点を追求する。
これに対し東洋は「心徳の学」。
人としてどうあるべきかを学ぶ。

“事業の学”は徳を高める学問ではないがゆえに、
人としてどうあるべきかを問わず、
事業上の互いの都合に合わせての契約社会。
その互いの都合が合わず煮詰まるとすぐに争いになる。
争い(戦争) になっても事実をつめてお金を払えば
それで解決ということにもなる。

東洋の“心徳の学”によって“事業の学”を是正しないと、
地球の将来が危ない。
それが東洋人、さらに言うと日本人のこれからの
役目だという雑誌の対談内容だった。

そこで、石田梅岩(1685~1744) に話をうつすが…
石田梅岩没後56年後に横井小楠は生を受けている。
その関連性は不明ではあるが、
私は少なからず影響を受けているととらえている。
京都の商人だった石田梅岩が創始した石門心学は、
「性理」(=人間の本性であり、天の支配する運命、人間の存在原理)
を追求し、“人はどう生きるのが正しいのか”を
ひたすら考え抜く学問。

梅岩は“人はどう生きるのが正しいのか”を洞察し、
そこから経済や経営などさまざまな分野に
反映させているところがいい。
人類の存在意義などの哲学的視点がないことには
人類が地球上に長く存在することは難しい状況に
なってきたのだ。
石田梅岩は、約300年前に人類としての根本である“心徳の学”を
発信していたということ。

やっぱり“心徳の学”を追求しないことには、
次なる私たちのあるべき行動が見えて来ないのだ。
石門心学を学ぶにはこちらから
お問い合わせしてください↓
https://bt.q-b.co.jp/wp-content/themes/qb/pdf/sekimon2022.pdf

ちなみに、このビジ達では「不易流行」の“流行”側、
すなわち“すべてが加速する2030年”やDXに
関わる発信が多いが、
変わらない価値観である“不易”をも
しっかり押さえていないと、
糸の切れた凧になってしまう可能性が…。

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石田梅岩の石門心学を学ぶ

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10/17
2022

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価値観も多様化、価格も多様化の時代へ  “Diversity of Price”

“ダイバーシティ”という言葉、
最近ではビジネスにおいての重要なキーワードだ。
今回のビジ達では、“Diversity of Price”、
すなわち、“価格も多様化”する時代になったと発信したい。

地球規模でみると、日本はここ約30年の間、
ほとんど物価は上がってこなかったが…、
ウクライナ問題で小麦粉が…、
ガソリンが高騰し輸送費が…、
輸入原材料が…、
円安が…、と物価は上昇し続け、
必然的に価格上昇の時を迎えていると言っていいだろう。
世界からすると、これまでが安過ぎたのかもしれないが、
この価格上昇の着地点がまだ見えてないのも事実だ。

そんなときに、このタイミングで、小阪裕司氏から
『“価格上昇”時代のマーケティング』
という新書が届いた。
「“値上げの仕方”を忘れてしまった日本人」
「“安さこそが価値”からの脱却」
「“価格”は“価値”に従う」
「“値付け”の作法」
これらの小見出しが並んでいる。

その中に「“意味合い消費”が求められている」という小見出しが!
その事例として、赤羽にある定食屋が紹介されていた。
ここの店長は、“ランチは1000円以内であるべき”
という意識があった。
しかしこの度、価格帯を広げ、
旬を味わえる高価格の新メニューをつくったという。
すると、ほとんどのお客様が、価格の高い旬のメニューを
選んだというのだ。
顧客単価も上がり評判も上々とのこと。

小阪氏曰く、ここに現代の消費心理があるという。
つまり「どうでもいいものにはお金は使わないが、
自分にとって意味あるものには惜しみなくお金を使う」
という価値観の広がり。
これを小阪氏は「意味合い消費」と表現。
あれ? どこかで聞いたフレーズ?
そうなのだ。私は、「モノの消費から、意味の消費へ」と表現している。
小阪氏とは価値観も近く、仲良くさせて頂いており、
このタイミングでこの表現には驚いた。

話は戻すが、“この商品の価格帯はこのくらい”という時代は
もう終わったということ。
その人にとって意味ある商品、サービスであり、
タイミングによっても価格は違う。

例えば…
クルマのブランドやデザインに興味のない人にとっては、
車は移動手段でしかない。
時計のブランドに興味のない人にとっては
時計は時間を知るためのもの。
旅行も、目的により価値ある“意味あるモノ”となる。
高いお金を出しても手に入れようとすることが“意味の消費”。
意味により価格は変わっていくので、
“Diversity of Price”、すなわち“価格のダイバーシティ”
時代到来ということ。

さて、この“Diversity of Price”時代は
そのプライスのつけ方が難しい。
どのような人のどのタイミングを対象にするかが
ポイントとなっていくだろう。

とはいえ、値づけの前に“意味の創出”をしないことには、
その商品・サービスは選んでもらえない!?

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値づけの前に“意味の創出”を

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10/03
2022

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先達から学ぶ、起業に向けた二大フレーズ

先日紹介した「縁は求めざるには生ぜず」(森信三先生)と
白隠禅師の言葉なのだが、鍵山秀三郎相談役から教えてもらった
「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」。

この二つの言葉は、私たちのビジネスに多くの示唆を与えてくれる。
この二つのフレーズを、今スタートしようとしている
「女性社会起業家アカデミー」のスローガンにしようかと思っている。

“NBC Beyond Business Channel“という
動画番組をお手伝いして丸1年超。
月に2回の収録だが、合計8人を超す経営者のインタビューの
お手伝いをさせてもらっている。
ということは既に100人以上のメンバーを紹介しているということに。

今、NBC会員が600人を超したこともあり、
注目の企業の経営者たちも多く、ユニークで魅力的な人たちなのである。

この動画チャンネルのパーソナリティ役は、
もちろんボランティア的お手伝いなわけだが、
ここでの出会いがきっかけで、動画番組“Business Today”や
“月刊CDビジネスイノベーション”のゲストになってもらうことも多いのだ。

まさに“縁は求めざるには生ぜず”である。

仕事柄、注目のビジネスや意味あるビジネスを取り上げ、
セミナーやメディアを通して紹介させていただくことが多く、
常に注目に値する経営者との縁を求めているわけである。
私自身の発信においても、
今どきの具体的ビジネス事例を知っていることは
話の説得力にもつながるわけだ。

そして「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」。

QB社も今年で創業40年になる。
私自身、十分にビジネスモデルを練り込んでからスタートする
というタイプではなく、まず“動き出してみて”から考える派。
常に“動きながら発想する”の繰り返しだった。
その方が目指す方向も明確となり、活きた発想が頭に浮かんでくるわけだ。

常に熟考してから行動に移しているように見える鍵山相談役が
この言葉を度々口にするわけだから、
“動中の工夫”がいかに効果的で意味があるということだろう。

実は「女性社会起業家アカデミー」は
“動中の工夫”から生まれたアカデミー構想だ。
【1】QBの浅草オフィスがお洒落に完成したこと
【2】リーダーズセミナーを15年に渡り毎年開設運営していること
【3】今年“2030 Business LABO”をスタートしたこと
すなわち、これらを踏まえての動中の工夫によりいきついたアカデミーというわけだ。

この40年を振り返っても、多くの出会いによって成り立ってきたわけで、
まさに“縁は求めざるには生ぜず”である。
もしかしたらその縁を上手く利用するだけでなく、
その縁がお互いにいい機会となることを考えてきたことも
よかったのかもしれない。

さて、先達から学んだこの二つの言葉を
今から起業しようとしている人たちのスローガンにしたい
という意味は伝わっただろうか。

「縁は求めざるには生ぜず」
「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」
“会社を起業・経営する”とはそういうことなのだろう。

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鍵山相談役から教えてもらった“動中の工夫”

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“縁は求めざるには生ぜず”まさに出会いが大事!

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09/26
2022

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なぜ、いま“リベラルアーツ”なのか?

昨今“リベラルアーツ”という言葉を耳にすることが増えた。
書店には表紙に“リベラルアーツ”が使われている書籍もパラパラと。
また、大学の学部が“リベラルアーツ”だったという若者もいる。
ということから、
なぜ、いま“リベラルアーツ”なのかを紐解いていきたいと思う。

リベラルアーツと検索してみると…
日本語に直訳すると“教養教育”や“一般教養”となるわけだが
“元来、人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、
生きるための力を身につけるための手法”とあり、
欧州の大学制度においては、“人が身につけなければならない
学芸の基本”と見なされていた自由七科・自由学芸のこと、となっている。
幅広い教養というのが今までの訳され方だ。

時代がどんどん変化するいま、自分のアップデートも欠かせないわけだが…
とはいえ、先にも紹介したように、人のアップデートはなかなかできないもの。
リーダーとしての必要な決断力を養う為にも、マクロ的視点による
普遍的価値観を持ちたいと思うわけだ。

そこで、“リベラルアーツ”が重要になってくる。
このところ私が手にした2冊の “リベラルアーツ”関連の書籍を紹介しよう。

1)『自由になるための技術 リベラルアーツ』山口 周著
「リベラルアーツとは、“教養”と訳されることが多いが
本来意味するところは“自由”になるための“手段”にほかならない。
自分たちを縛り付ける固定観念や常識から解き放たれ、
自らの価値基準を持って行動していかなければ、
新しい時代の価値は創り出せない。
いままでの正解から突破するヒントがここにある」

更に山口氏は、
「“リベラルアーツ”の存在は、パソコンで言うところのOS。
私たちの行動や判断を司る“ソフトウェア”のような根本思想だ」
「OS(Operating System)」とは、システム全体を管理する様々なアプリケーションの事。
すなわち、山口氏はあらゆる課題に対してリベラルに発想するための
基本的な価値基準だと説明する。

2)『“リベラルアーツ”思考』阿部 博人著
リベラルアーツを…
“自由で、多元的で、主体的な物の見方・考え方、
そして行為”と定義し、この定義に基づいた思考法のベースとなる
“リベラルアーツ思考”について解説している。

「これまでの学校制度ではマルかバツかで正解を求められてきたが、
いまの社会は答えのない問いに囲まれていると言っていいだろう。
もしかしたら“問い”さえも自ら見つけることを求められる。
リベラルアーツ教育により多角的な視点で世間を見られるようになること
で、社会に対しての疑問も生まれてくる。
すなわち問題発見能力を養えるということ。
多角的な視点を持って、様々な意見を受け入れる力を…」と続く。

先にも話たように、“モノの消費から意味の消費へ”と価値観がシフトしている今、
“問題を発見し、意味を創出する”ことが重要視されてくる。
その為には、リベラルアーツ的思考が必要だということだ。

以前 “アップデートの実践”でも語ったように
昭和の価値観であり、昭和のビジネスに精通してきた私たちは、
その常識も知見もかなり深く“昭和”が染み込んでいて、
新たな価値基準に一挙に入れ替えることは難しいだろう。

とはいえこれからも活躍したいなら、ここで“自身のパラダイムシフト”に
チャレンジしなければならないのは分かっているのだ。
まずは難しく考えず、目の前の常識を相対化するための思考技術だけは
身につけようではないか。
そのためには“人と話す”、“本を読む”、“旅に出る”の3つが重要だという。
(これなら誰でもできるリベラルアーツへのプロローグかも)
この中でも“旅に出る”だけは一次情報に触れることができ、
自分だけのユニークな発想につながるのかもしれない。

“リベラルアーツ”について、その必要も含め
理解していただけただろうか!?

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リベラルアーツに関する書籍が多数ある

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09/05
2022

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浅草は“不易流行のまち”!

ついに浅草演芸ホール体験!
QBオフィスが浅草に引越したこともあり、
浅草を知るために、日本の演芸のメッカ、
六区にある演芸場の老舗“浅草演芸ホール”を初体験。

私が訪問したのは昼の部の13:00~16:30の約3時間半。
内容によっては途中で退出も考えていたが、思った以上に面白く、
昼の部のフィナーレ“大喜利コーナー”まで観てしまった。

◆途中からの入場だったのだが14(各約15分)もの出し物を体験

1、コント/“コント山口君と竹田君”から始まり
2、落語/古今亭 今輔
3、落語/三遊亭 遊之介
4、モノマネトーク/松村 邦洋
5、落語/桂 小南
6、落語/瀧川 鯉昇
7、お楽しみ/山田 邦子
8、落語/桂 歌春
9、落語/三遊亭 吉馬
10、落語/春風亭 昇也
11、落語/雷門 小助六
12、漫才/宮田 陽・昇
13、落語/桂 竹丸
14、大喜利/落語家7人による

落語だと真打ちの人もいたし、落語以外の出演者も含め
思った以上のメジャーでベテランの芸人が登場していたのだ。
土曜日ということもありほぼ満席の状態で、
笑いも多く、私も楽しい時間を過ごすことができた。
(よかったよかった。ウケるとリピート客も多くなるし…)

この浅草演芸ホールはフランス座も含めると、
渥美清、由利徹、東八郎、コント55号、
ビートたけしなど、多くの芸人を輩出している。
あの“浅草キッド”もここが舞台だ。

ということで、お笑い含め日本の文化があちこちに感じられるまち。
そう、浅草は浅草寺を中心に日本の文化を体験できる 『不易流行のまち』なのだ。

新宿や渋谷など全てが入れ替わる流行中心のまちとは大きく違う。

すなわち“時代をこえて変わらない価値あるもの (不易)”と
“時代の変化とともに変わっていく必要があるもの(流行)”との
両方があり、それらがしっかり体感できるまちということ。
(松尾芭蕉という人は今でいえば哲学家でもあったのだろう)

仕事柄、ついビジネスの変化であり新いビジネスに
スポットを当てることが多いが、世の中には
変わっていいものと変わってはいけないものがある。
すなわち、私たちのビジネスも“不易流行”なのだ。
(これを間違うと流れに押し流されてしまうことも!?)

このところは“流行”にスポットを当て
“2030年すべてが加速する時代”と言ってはいるが、
私たちはこの日本人の価値観と仕事をする意味、
そして自社のパーパスは“不易”と捉え変えてはいけないということ。
今思えば、拙著『儲けないがいい』はまさに“不易流行”がテーマでもあった。

クオーターバックの新社屋がこの浅草周辺にきたのをきっかけに
この浅草ならではの歴史や文化に、次なるアート思考であり
感性思考をプラスして、もっと魅力ある浅草としたいものだ。

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ベテラン芸人も多く充実した演目

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ほぼ満席の状態の昼の部

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