これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

03/09
2015

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十勝池田ワインのブランディング

北海道池田町の「十勝ワイン」といえば、
既に多くの人が知るワイン。
実はその十勝ワインが誕生して、
50数年が経ったそうだ!!

今でこそ、「十勝ワイン」として
しっかりとしたブランディングがされている…。

ここまで来るには
多くの困難との戦いがあったという。

1950年ごろからの十勝沖地震や二度の冷害など…。
池田町の多くの農家は、
不作が続いたことで、大きな損害を被ったという。

そんな時、町長が斜面で
元気よく実っている山ブドウを見て
ワイン作りにチャレンジしようと
決断したのだ。

そこから、試行錯誤の
50数年間が始まったということ。

先日、仕事の一環で
北海道に訪れる機会があった。
里山の話やワイナリーの話をする者として、
ここはしっかり勉強しなくてはと、
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(通称:ワイン城)を
見学することに。

そこでは、所長自ら細かく、試行錯誤の経緯や、
ワインづくりに対する考え方を語ってくださった。

様々なブドウの掛け合わせによって多種多様な品種をつくり、
その環境適応力を観察していった。

それを幾度も繰り返し、その結果
厳選したオリジナルの品種へと至ったという。

一番のポイントは、十勝・池田町の気候や
風土にあった品種を作らないといけないということ。
そうして、寒さに強くワインに適した
品種にたどり着いたのだ。

今では、多くの人が
「十勝ワイン」を知り、愛飲している。
「池田町」の名前を知る人も多い。

しかし、50数年前に
災害が起き、その新たなチャレンジに
行き着いてなければ、
「十勝ワイン」もできていなかったし、
池田町の名前が日本全国で
知られることもなかったのだ。

自分たちの地域で作った特産品が、
全国区になったことは
地元の人たちにとって、
大変誇らしいもの。
だからこそ、もっと知ってもらいたいという気持ちになり、
情報の拡散の動きに繋がる。

こうした街を挙げたブランディングが
地域への帰属意識や、
活性化に繋がっているということ。

“ブランディング”は、
当然短期間でできるものではない。
地道な努力、手間と時間をかける
ことが必要なのだ。

そう思いながら、
今夜は、「十勝ワイン」を嗜んでいる。
うん、うん。これが十勝ワイン…。

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池田町のワイン城

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ここで十勝ワインがつくられているのだ!

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様々な種類の十勝ワイン

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はなまるア・ラ・カルト

03/02
2015

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時代におもねらない繁盛店“龍朋”

ビジ達では何度かご紹介させてもらっている、
神楽坂にある中華料理店「龍朋」。

先日、ジムで一汗かいてスッキリした気持ちで
帰路についたときのこと。
帰宅してからの食事の用意では、
遅くなりそうだったので
閉店する23時の10分ほど前に、
「龍朋」に立ち寄ったのだ。

急いで店に駆け込み、大盛りチャーハンを
テイクアウトでお願いした
(顔を見ただけで「いつもの?」と聞いてくれる)。

チャーハンを待つ間、
ふと周りを見渡すと30席近くある客席は満席!
いや~びっくり。

神楽坂にあるものの、
表通りに面しておらず、
立地がいい場所にあるわけではない、
町の中華料理店だ。

それにも関わらず、
閉店10分前に人で賑わっていたのだ。

そういえば、私が25歳の頃には、
すでにこの「龍朋」で食事をしていた。

当時、神楽坂近辺でサラリーマンをしていたので、
職場の人と時々食べに来ていたのだ。
すでに35年前から存在していたわけなので、
その歴史は長い!

今も昭和の時代を感じさせる、
懐かしい雰囲気を演出し続けている。

ビールや紹興酒といった
お酒を嗜んでいる人も見かけられるが、
だいたいの人は長居せず、
ラーメンやチャーハンで腹ごしらえをしたら店を出る。

なのに店内がお客様でいっぱいということは、
多くの人が訪れている証だ。
インターネットで口コミを覗いてみると
「飽きない美味しさで、食べ応え抜群!」
「繊細な味というより、純朴に美味い!」
といった声が寄せられていた。

長い間、地域の人々に親しまれ、
支持される“存在感”がある店なのだろう。

龍朋は創業から37年、
つまり1970年代に開店している。
その当時から変わっていないであろうものといえば
店内の雰囲気、料理の味、
そして、良いとは言えない立地。

しかし美味しく、いつでも手を抜かない!
時代に迎合しない、そんな“おもねらない”姿に
お客様は安心して訪れてくれるのではないだろうか。

時代におもねらなくても、
徹底した姿勢を貫いていれば、
来店する世代が移っていこうと、
変わらず繁盛していける。

すなわち、そこに“存在理由”が
しっかりと確立されているのだ。

あらゆるものが移り変わろうとも、
己の主軸を曲げずに徹底する。

時代におもねらなくとも、
繁盛店は継続することができる。
そんなことをふと気付かせてくれた、
龍朋のチャーハンだった。

ちなみに、その美味しい大盛りチャーハンは、
何度かに分けて食べています!
(誤解のないように!)

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気になるメニューがズラリ!

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食欲をそそる匂いがたまらない

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なんといってもチャーハンがおすすめ!

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はなまるア・ラ・カルト

02/23
2015

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“経営マトリックス”が推進力

「マトリックス」という言葉の由来を
ご存知だろうか。

実は、Mater(母)+ixという組み合わせで
「子宮」を意味するラテン語に由来しており、
そこから何かを生み出すという意味を持つそうだ。

何かを生み出す…。

会社の経営推進において、何が一番機能しているのか?
それはもちろん人であることは間違いない。
しかし、実のところ会議体こそがマトリックスの根本にあるのだ。

一時、「すごい会議」という会議が新聞などで、
大きく取り上げられ注目されていた。
仕事として取材もさせていただいた記憶が…。

やっぱり、会議体こそが会社の経営推進の原動力なのでは…。
そして、組織内にある様々な部署の連携が行われているのも会議体なのだ。

注目すべき点は、5W1Hの徹底。

誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように
進めていくのかという最低限度のことをきっちり決定すること。

それが、一人ひとりに責任感をもたらすのだ。
その役割があってこそ、会議が経営の推進力を生む
きっかけになる。

こうした取り組みは弊社でも行っている。
役員が集まって行う会議からマネージャークラスが集まる会議、
テーマを持って担当者が集まる会議、社員全員が集う会議など。

部署やチームなどを超えて連携をとることが、
会社の経営に大きな影響を与える。
そして、一人ひとりの意識を高めてくれるのも会議体なのだ。

まさに、ヒエラルキーの組織(図)より
会議体こそが経営のマトリックスということ。

1つの事例をご紹介しよう。

私が主宰となり、モデレーター役を務めている
“三尺三寸箸会議”。

この会議は、様々な経営者が定期的に集まって、
会社の経営手法についてディスカッションし、
そこで得たものを自社へ持ち帰り、
経営の推進に役立てている。

会議体は、その時代、時期への対応や
現状の問題点の改善など
様々な答えを導きだしてくれる。
すなわち、何かを生み出すマトリックス
となってくれるのだ。

会議体をうまく活かすことが、
過渡期を迎えるこれからの時代の
会社経営には、非常に重要ということ。

経営マトリックスはまさに“会議”なのだ。
会議を制する者は、時代の経営をも制す!

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会議体の重要性

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三尺三寸箸会議

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はなまるア・ラ・カルト

02/16
2015

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農業的個性化時代の到来

私は、ほどほどのものよりも、
徹底されたものを選ぶ。

これはビジネスでも同じことが言える。
中島流“パラダイムシフト75”の中でも、
多々発信してきたことだが、
この2015年を境に、農業的価値観のビジネスが
選ばれる時代になるだろう。

それは、工業的システム化時代
(経済効率ステージ)からの脱却。
そして農業的個性化時代
(ヒューマン効率の時代)への突入を意味する。

これまでの主流だった工業的システム化は、
「1つの規格を大量に」
といったコンセプトで、
マニュアル化して
効率的に生産するのが特徴。

しかし、こうした
仕事のやり方では、ずべての生活者の満足を
満たすことができなくなってきた。

そこで、農業的個性化が
選ばれていくのだ。
なぜなら“ほどほど”ではなく、
1つひとつを“徹底”することができ、
なおかつ個性も活かせるからだ。

ワインを例にとってみよう。
ブドウの産地が違えば、味も、香りも違う。
しかも、畑の土やその年の気候、
仕込み方から樽、熟成の状態などによっても違う。
すなわち、1本1本が異なるのがワインの特徴なのだ。
この違いこそが、本来の地球の営みの証。

農業は人間の思い通りにはいかないもの。
できあがる野菜や果物の大きさや形、
品質もみなばらばら。
しかし、そこにそれぞれの需要や特徴が
生まれてくるもの。
これは、私たち人間の社会においても同じだ。

「嫌な取引先は切ってもよい」という
非常識とも思える方針を打ち出す、
「中里スプリング製作所」という会社がある。
この会社は、個性を見事にビジネスで
体現している。

大企業よりも平均点が低い社員が集まるのが、
中小企業であり、町工場だ。

だから平均点を求めず、100点を取れる
1つのことを求めるという。

地方の中小企業だから、都心のように
多くの人材が集まってくるわけではない。
だから、それぞれが優れた長所を持っている
オンリーワンな人材だけで
スタッフを構成しているのだ。

得意分野では力を発揮し、
苦手な部分は他の人が
補えばいい。

一見不思議な経営方針だが、
こうした個を意識したやり方が活かされ、
全国47都道府県に、1,600社以上の取引先を
持つ優良企業となっている。

これからは、
農業的個性を活かしたビジネスが、
選ばれていく時代になるのだろう。

新パラダイム

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中里社長

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はなまるア・ラ・カルト

02/09
2015

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“ブランド”は世間が育んでくれるもの

我が家にはトラが住み着いている。

キラキラと金色に光るトラが数匹、
いつも手に届きそうなところで黒い紙袋に
貼りつき、整列しながらいる。

もう、お分かりだろうが、
創業約480年の老舗和菓子店
虎屋の紙袋のことだ。

この紙袋は、銀座を歩く御婦人方が、
堂々と持ち歩くほど、
世間の認知度と人気は高い
(私自身は、取材の時以外ほとんど
手にすることのない特別な紙袋だが…)。

人気の理由は、描かれているトラが、
明治時代~大正時代にかけて大活躍した
文人画家・富岡鉄斎が描いたものと
いわれているからか(諸説あるそうだが…)?

いや、私はそうは思わない。

この紙袋の金色のトラには、
虎屋自体が持つブランドイメージが
見事に反映されているからなのだ!!

最近では、書籍や雑誌などに、
「利益を生み出す熱狂ブランドの作り方」など
という言葉を見かける。

そこには、ブランドイメージは戦略的に
確立できるというようなことが多く書かれている。

しかし、私はそう簡単にブランドイメージを
確立することはできないと考えている。

虎屋は約480年の長い時間をかけ、
企業哲学や理念を反映させながら、
コツコツと事業展開を徹底してきた。

そして、そんな虎屋の仕事ぶりを見た
世間の人々による、口伝えや実体験を通じて、
こうした虎屋イメージは
作り上げられてきたのだ。

それは、虎屋がいいものづくりの徹底、
人づくりの徹底を長年追求し続けてきたことに
対して世間が評価し、育まれてきたもの。

すなわち、そのブランドは、
企業がつくったものではなく、
世間がつくってきたもの。

虎屋のマネージャーに伺った話なのだが…
研修を終えた新入社員が
いざ、店頭で働き始めると、
最初は先輩たちのようにうまくはいかない。

そこで、ごひいきのお客様たちが、
その対応に対して助言をしてくださったり、
スタッフも育ててもらっているのだと。

まさに、お客様や、世間が虎屋を
育んでくれているということなのだ。

企業哲学や理念を
事業展開に徹底し、“積小為大”、“先義後利”を
常に意識して歩んできた賜物といえるだろう。

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虎屋といったらこのマーク!

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おしゃれな銀座に虎屋が光る

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全国各地で虎屋はにぎわう!

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誰もが知っている虎屋紙袋!

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