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2023
“カットりんご自販機”で活躍する石田社長の 「人間万事塞翁が馬ism」
「縁は求めざるには生ぜず」というテーマで
先に紹介した“カットりんご自販機”のMVM商事の石田社長。
ついに“月刊CDビジネスイノベーション”に登場してもらった。
(2月号なのでそろそろみなさんの手元に着く頃かもしれない)
私が地下鉄メトロの駅の“カットりんご自販機”に注目して勝手に記事を書き、
そこから1年ほど経った頃、私がパーソナリティを務めるNBCの
Beyond Business Channelの収録にその石田社長が偶然現れたのだ。
という偶然の出会いから「縁は求めざるには生ぜず」となったわけだが…
さて、MVM商事は兵庫県神戸市に本社を置く会社なので、
石田社長には収録のために東京まで出てきてもらうことに。
(石田社長、お忙しい年末にありがとうございました)
やっぱり直にいろいろ話を聴いてみると、
そこには予想だにしなかった経営のストーリーがあったのだ。
今でこそグループ連結で売上高130億円、社員数210人の業容だが、
2001年二代目社長として石田 希世士氏が事業を引き継いだ時点では、
売上高はピーク時(27億円)の約3分の2、債務超過は3億円、
そして社員は12名にまで減っていたという。
1975年創業のMVM商事は高度経済成長期を経て
90年代始めくらいまではその業容は順調に成長していたが、
バブル崩壊と阪神淡路大震災などを経て、1996年頃には倒産の危機にあった。
そこからの企業再生、すなわち借金の返済と債務超過解消には
5年ほどの時間を要したという。
私としては、そもそもMVM商事を知るきっかけになった
“カットりんご自販機”に行き着いたワケをお聴きしたかったわけだが、
様々な紆余曲折を経て今に至っていることがわかった。
やっぱり人生も、経営も“人間万事塞翁が馬”!!
とにかく経営をしていると、
思ってもみない“災い”であり災難は、必ずやってくる。
バブル崩壊もそうだが、阪神・淡路大震災や東日本大震災も、
リーマンショックも、そしてこの“新型コロナウイルス”というパンデミックも。
いやいやそんな大きな災いだけでなく、身近で固有の災難も当然やってくる。
その時、その災いをどう捉えてどう対処するかが
その後に大きく影響する、ということがポイントなのだ。
石田社長曰く、企業再生の5年は厳しかったが、
その後14年間は増収が続いたという。
多分その時の経験が活き、“転ばぬ先の杖”として何らかの対処を
先んじているからなのだろう。
その少し前に“月刊ビジネスイノベーション”に登場してもらった
『シン・メイド・ジャパン』の著者、株式会社セルコの小林延幸会長も
年間売上9割減を経験したと語っていたが、
その経験からいろいろ学び、企業再生して新たな境地として
“シン・メイド・ジャパン“に行き着いているわけだ。
『その“災い”をどう捉えるか?!』
これこそが“運の良い人”と“運の悪い人”との違いなのかもしれない。
ということは、その“災い”をしっかり受け止め、分析し、
“今後にどう活かすか”まで考察する経営者は
「運のいい経営者」と呼ばれるということ。
災いを甘んじて受け止め、これも今後のための“必然”と捉えられるか?!
この極意を中島流では「人間万事塞翁が馬ism」と命名しよう。
この昭和・平成時代と40年~50年継続できている中小企業は
少なからずこの極意「人間万事塞翁が馬ism」を理解しているってことだ。
おっと、我が社“クオーターバック”も創業41年目入ったわけで、
私もすでに“運のいい経営者”の仲間入りをしているのかもしれない。
ふっふっふっ…