09/04
2023
モノからコトへ、コトから意味へ。 令和は“意味の消費”ビジネスに注目!
先日のビジ達で“ロケ地巡礼は意味の消費”と発信したが、
改めてこの時代の「意味の消費」によるビジネスが
どこでどう展開されているのかをシミュレーションしてみた。
北海道十勝の小さな町、芽室町(私の出身地なわけだが…)。
その町の中心から西に16キロ離れたところの上美生地区に
“カントリーブラン”という小さなパン屋さんがある。
みなさんもご存知の北海道帯広市の街中からは約30キロ離れていて、
ほとんど日高山脈の麓といったところ。
なのにこのパン屋さんには多くの客がやってくるのだ。
芽室町の人口は19,000人弱、上美生地区においては180世帯で500人強。
少なくとも芽室町の人たちや近隣の地区から来店してもらわないことには、
パン屋さんとしての商売は成立しない。
なのにコロナ禍も含めて多くのお客さまから支持され、
開業してから今年で21年目だという。
(お友達のお店なわけだが…)
もちろん並んでいるパンは、この店なればこその“こだわりのパン”ばかり。
時には口コミにより100キロ先からもお客さまが来るという。
ガソリン代とタイパを考えると、高価格のパンとなるわけだが…
これも成熟化が進んでいるからこその“意味の消費”時代の現象といえる。
ということで、さまざまな“意味の消費”現象を紹介すると…
【ディズニーリゾートも“意味の消費”】
調べてみるとオープン当時(1983年)の1デイパスポートは3,900円。
そして2023年11月の週末からは1デイパスポートは
ついに10,000円超になるという。(何ということだ?!)
価格に意味がないわけで、まさにあのディズニーのキャラクターたちに囲まれ、
仲間とあの世界を体感することに意味があるわけだ。
【クラウドファンディングは“意味の消費”】
「Makuake」は、クラウドファンディングサービスを展開するブランド。
2013年8月7日に株式会社サイバーエージェント内の
新規事業としてスタートし、すでに東証に上場している企業である。
いろいろな会社のさまざまな商品が扱われているが、
まだ市場に出ていない商品を購入予約すること、そこに投資することは
まさに“意味の消費”である。
【繁盛店“三ん寅”に並び、味噌ラーメンを啜るのも“意味の消費”】
先日などは、とにかく暑かった14時ころ…
もしかしたらチャンスかもと思い、行ってみると
まさかの15分くらいの待ち時間で入店できたのだ。
(素晴らしい!これは最短記録かも?!)
ところが、美味しく味噌ラーメンを啜り外に出てみると
何と15人ほどが行列をつくっていたわけだ。
(絶妙のタイミングだっただけ)
札幌の名店“すみれ”関連のお店で1,000円くらいのラーメンなわけだが、
60分くらいの待ち時間は当たり前のお店は“意味の消費”となる。
【聴覚に障がいのあるパートナーが働くスタバを訪れるのも“意味の消費”】
このビジ達でも紹介したことのある国立駅にある
『スターバックス コーヒー nonowa国立店』。
主なコミュニケーション手段として手話を使用し運営する。
この店舗は、聴者と聴覚に障がいのあるパートナーが共に働き、
多様な人々が自分らしく過ごし活躍できる居場所の実現を目指した、
“ダイバーシティ&インクルージョン”を象徴する店舗の一つ。
【コミケイベントが大繁盛するのも“意味の消費”】
2023年夏のコミックマーケット開催が終わり、
2日で26万人の来場者があったと発表された。
コロナ禍以降、低調な展示会業界でこれ程の来場者を集めるコンテンツは
それ程なく、同人市場の「強さ」を再認させるニュースといえる。
この現象はSNSを含めソーシャルメディアの普及により、
価値観の多様化と共に、エンターテインメントの多様化にも繋がり
結果として多くの人たちの“意味の消費”が進んでいる証といえる。
“モノの消費”でなく“コトの消費”でもない、“意味の消費”が伝わっただろうか。
この地球規模による成熟化により、今後はこの“意味の消費”が
もっともっと進むと予測できるわけだ。
ということで“意味の消費”に関連するビジネスが、
これからは脚光を浴びることになるだろう。