07/29
2024
「パリ五輪」のブランディングと我らが“文化資本経営”のブランディング
この7月27日、第33回の“パリ五輪”が始まった。
セーヌ川を各国の選ばれし選手たちが
船に乗って入場行進するという初の“船上パレード”により
雨の中ではあったが華やかにスタートした。
オリンピック・シンボルが飾られた輝くエッフェル塔に向かって、
6,800人のアスリートを乗せた85隻の船が
セーヌ川を約6キロにわたって行進する光景は、パリ市民はもちろん、
世界の人々の記憶に残るパレードとなるに違いない。
(今後パリを訪れる人々は、船でそのコースを辿りたいはず!)
さて、この“ビジ達”の発信のタイミングには…
柔道では、すでに角田選手に続き阿部一二三選手が金メダルを獲得。
(So Good!私の中では予想通りの結果ではあったが…
まさか阿部 詩選手が泣くこととなるとは?!)
男子の永山選手は不可解な判定により準々決勝で負けたが、
敗者復活戦によりどうにか銅メダルを獲得した。
(私も柔道アスリートの現役時代は、この永山選手の60キロ級だった)
ということで、今日試合予定の選手たちが
どのような戦いを見せてくれるかワクワクしてしまう。
さて“ビジネスの達人”としては、
そんなメダル獲得の有無を取り上げ一喜一憂したいわけでなく、
今回のパリ五輪の主張するシンボルマークであり
ブランディング展開について発信したいのだ。
パレードも記憶に残るが、空中に浮かび上がる“バルーン聖火台”。
電気だけを用い五輪史上初めての燃料を使わない聖火台。
直径7メートルの台座から霧状にした水と光で
炎を演出しているという。
この意味を持っての幻想的演出も、私たちの記憶に残ることだろう。
ということで、さまざまな演出でありデザインにより、
パリ五輪はParisでありフランスのブランディングを意識した
展開がされているということ。
【パリ五輪の“マリアンヌマーク”によるブランディング!?】
そこで、私のお気に入りの大会の“マリアンヌマーク”について。
聖火の炎に口らしきものを入れるだけで
こんなにも雄弁なマークになるとは?!
パリ五輪組織委員会によると、このマリアンヌマークは
“シンプルでありパワフルである”
三つのシンボルによって構成されていると。
【その1】スポーツのシンボルとしての金メダル
【その2】五輪とパラリンピック運動の象徴である聖火
【その3】フランスのイメージであるマリアンヌ
これらのシンボルは、人々を五輪の中心に据えるという
われわれの思いを具現化する顔を示している。
ということで2024年パリ五輪のシンボルマークは、
その緻密なデザインと深い意味によって、
スポーツの祭典が持つ壮大なビジョンを映し出していという。
まず、“金メダル”は勝利のシンボルであるだけでなく、
アスリートたちが目指す頂点であり、その努力と献身の報酬。
次に“聖火”はオリンピックとパラリンピックの運動そのものの象徴。
聖火は古代オリンピックからの伝統を受け継ぎ、
平和、連携、共生の思想を表している。
そして、フランスの象徴である“マリアンヌ”は、
自由と平等、そして博愛の精神を表現している。
ちなみに私は、ドラクロアにより描かれたフランス国旗を掲げた
『民衆を導く自由の女神』を思い出すわけだが…
↓ ↓ ↓
というように、シンボルマークはもちろんだが
パリ五輪はさまざま意味でブランディングを意識した展開が
されているということ。
オリンピックはまさに“文化資本経営”の
象徴のようなものなのかもしれない。
これからの時代、“文化資本経営”を実践することも重要だが、
それをどう表現して発信していくのかも重要ということだ。