これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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2015

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Japan Beautyの創造

“Japan Beauty”と聞いて何を想像するだろうか。

日本の美しい街並み?
掃除されていてゴミが落ちていない道?

いやいや、私にとってこの言葉は、
地方の色々な作物が作られている
田畑やその脇にあるあぜ道、
防風林や四季がめぐる農村…といった
日本の里山を想起させるものなのだ。

いま、少子高齢化による第一次産業の
担い手の減少が問題になっている。
これにより、耕作放棄地が増え、
山林は手入れされなくなり、
良い作物づくりも難しい…という
悪循環に陥っているといっていいだろう。

そんな今だからこそ、
「里山を活用し、地域活性につなげるビジネス」
が求められているのだ。
中島流に言えば
“里山をデザインする”ビジネスということだ。

ではどうやって里山をデザインするか。
そのヒントとなるいくつかの事例をご紹介しよう。

まずは、ビジ達でも何度かご紹介した
小林史麿(ふみまろ)会長が活躍する
「産直市場グリーンファーム」。

ここでは、その地域の農産物や
里山の幸を活かした産直の市場が大盛況だという。
この市場での交流は、
高齢化が進む地域全体の活性化につながっている。

さらに、この産直市場でイキイキとする高齢者を見て、
その家族が後継者になるなど、
地域にソリューションをももたらしている。

また玉村豊男氏が長野県東御市で展開する
「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」。
ここにはワインだけでなく、
その土地の産物を活かしたレストランなどもあり、
連日遠方から多くの観光客が足を運んでいるという。

また、玉村氏は千曲川ワインバレー構想を実践するべく、
千曲川の流域にたくさんのぶどう畑と
ワイナリーをつくることを計画している。
農業と自然の産物が持つ集客力を活かして、
地域の活力にするために奮闘しているのだ。

このように、今の時代だからこその
“里山のデザイン”を実践している
ビジネスはあちこちに存在する。
そのどれもが地域に相乗効果を生み出し、
活性化に貢献している。

まさに、美しい里山を守りながら
地域全体に良い循環を生む、
“Japan Beauty”の演出と言っていいだろう
(う~ん、いいフレーズだ!)。

そこで! このような
“Japan Beauty”の更なる創造につなげるため、
私はある応援部隊を発足しようと考えている。

その名も「日本の美しい里山応援協議会」だ。
“里山のデザイン”をテーマに
地域の活性化を手助けする団体だ。
これにより、日本本来の美しい里山を守ると共に
地域経済の活性化にも貢献することになるだろう。

日本が持つ美しい里山は、
活用することで現代の日本が持つ
様々な課題の解決につながる。
そのためには企業の協力による
“里山のデザイン”が大切なのだ。

“Japan Beauty”の創造は、
日本ならではの魅力の発信にもつながるのだ。

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“里山のデザイン”

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産直市場グリーンファーム

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玉村氏は千曲川ワインバレー構想

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はなまるア・ラ・カルト

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2015

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ベトナムの今こそ、タテのデザイン

この10月、10人ほどの経営者仲間と共にベトナムを訪れた。
ダナン、ホーチミンなどの都市を回り、
パンの缶詰で有名な株式会社パン・アキモトの
ベトナム店の視察もさせていただいた。

先日のビジ達でもご紹介したが、
旅の中で印象的だったのが道路を往来するバイク!
その数と若者の多さに驚いたのだが、
それもそのはず、ベトナムの平均年齢は28歳なのだ。
日本の平均年齢は46~47歳なので、
およそ20歳差ということになる。

さて、私はバイクばかり見ていたわけではなく、
ベトナムの様々な人たちにお話を伺った。

日本贔屓の行政官や、
日本に留学経験がある日本語学校の校長先生、
ベトナムで大学の講師をしている日本人、
そして日本語を勉強している学生たちなどだ。

多くの人たちと触れ合ってわかったことなのだが、
ベトナム人は本当に日本を好いてくれている。
信頼感もそこにあると言っていいだろう。
私の体験した限りでは、そのほとんどの人が
日本に興味を持ち、訪れたいとも思っていたのだ。

このように、日本に好意的で若いベトナム人たち。
日本は先に経済成長を体験した国として、
何を発信し、どう付き合っていけば良いのだろうか?

ファッショントレンド? 技術力?
それとも無形文化遺産の日本食?
日本流のビジネスや経済の活性化のテクニックもあるだろう。

いくつか例を挙げてみたが、こうして見ると
どれもハウツーでしかないことに気付く。
それぞれのやり方を教えるだけで良いのか?
という疑問が浮かぶのだ。

その答えは、私たちが3年ほど前から展開してきた
石門心学・実践講座にある。

数ヶ月前の講座にはベトナムのハノイ大学からの
留学生が参加しており、「石田梅岩」がどんな人物で、
今の日本にどんな影響があるのかを学びに来ていたのだ。

当時はこの留学生がなぜ石門心学を
勉強しているのか不思議だったのだが、
今ならその理由が分かる。

ハウツーではなく、日本ならではの価値観や
優先順位を学んでいたのだ。
日本独自の考え方や価値観こそ、
ベトナムの人たちが日本を信頼してくれている理由であり、
日本が世界から注目されている理由でもあると思うのだ。

現代の日本は、経済優先型できたために
様々なひずみが発生し、
多くの問題を抱える国となってしまった。

日本と同じ間違いを起こさないためにも、
まだベトナムが若い今だからこそ、
“タテのデザイン”を行う時なのだ。

ベトナムが20年後、50年後に
どんな国になりたいのかを今のうちに見据え、
目先ではなくロングレンジで見た行動を起こせば、
少なくとも日本よりも良い国になるだろう。

ん? 未来を見据えて今を考える?
これはまさに鍵山秀三郎氏の
“遠きを慮る”ということでは…?
ベトナムにとってはまさしく今が、
“遠慮”の視点が必要なときと言えるだろう。

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日本の商品がこんなところに

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ショッピングモールも大賑わい

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視察団の皆様

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シャツの柄もわかいね~

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串焼き店があろうとは!

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学生たちとも触れ合う

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フレッシュな笑顔だ

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モバイルショット

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2015

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平均年齢27歳の可能性

とにかく、バイク、バイク、バイク。
現地の人たち流にいえば、
ホンダ、ホンダ、ホンダとなる。

すなわち、ここではバイクのことを
“ホンダ”と呼んでいるという。
(ヤマハのバイクもホンダと呼ばれていた)
その昔の私たちが、
複写機のことを“ゼロックス”と
呼んでいたのと同じ状況だ。(懐かしい…)

雨だろうが、台風だろうが、
みんなホンダに乗っかって
移動しているという。
女性は短パンをはき、
ナマ足をむき出しにして乗っている。

2人乗りはあたり前。3人乗り、4人乗りまで
堂々とやってのける。
聞いたところによると、
子供やお年寄りは乗車人数に数えないという…
(ホント?!)

大きな脚立や抱えきれないような棚まで
ホンダで運んでいるのを目にした。

なぜ、ここまでホンダに頼ることになったのか…
他の移動手段と言えば、あまり自由のきかない
バスくらいしかなかったからのようだ。

とはいえ、ホンダ1台7~8万円
というからかなり高級品。
ベトナムの若者の月給の5~6ヵ月分
ということだ。
(高い~~~!)
なのに、ベトナムの2人に1人が
ホンダを乗り回しているのだ。

このホンダに乗る若者たちを見ていると、
強いエナジーを感じ、ベトナムの
これからのポテンシャルを
伺い知ることができた。

なぜ、ここまで活力を感じられるのか。
実は、ベトナムの平均年齢は何と27歳だという。
全人口9,250万人の平均が20歳代なのだ。
(若~~い!)

そりゃ、その可能性は街を観ても、
話を聴いてもひしひしと伝わってくるわけだ。
そして、その若者たちが日本語を学び
日本に行きたいと言っているという。
(お~嬉しいこと言ってくれるねぇ~)

今回は、ダナンとホーチミンを
訪問させていただいたのだが、
ビジネスの話を伺っても、社会構造を見ても、
現地の若者との会話からも、
これからいろいろと、
いい変化をしていくだろう
ベトナムの今を知ることができた。

この状況を知って、ある人が
“オセロゲームのまだ四角(よすみ)を
とられてない状態”と言ったのだ。
まさに、シロになるのかクロになるのか、
いろいろな可能性を秘めているベトナム。

だからと言って日本人が角を
取りに行っていいのだろうか。
いや違う。
他の外国の人も同様に角を
取りに行ってはダメだとも感じた。

これまで1,000年以上に渡り、中国や近隣の国、
そして、フランスなどさまざまな外圧に
押え込まれてきたベトナムだからこそ、
ここは静かに見守り、その可能性を十分活かして
もらいたいと思うのは私だけだろうか。

ところで、日本の平均年齢は40代の後半。
何とベトナムと20歳の開きが。
さて、そんな日本はどんな生き方がいいのだろうか。
やっぱり、その平均年齢に相応しい
酸いも甘いも知った大人の
生き方が求められているのだろう。

これもタテの発想であり、
“タテの生き方”と言える。

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通勤ラッシュ

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ホンダ・ホンダ・ホンダ

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落ちないか心配

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ぶつかったら危ないと思うけど…

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目からウロコのおすすめ本

11/09
2015

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上橋菜穂子、守り人シリーズ

「なぜ島守り(しまもり)が
 タルシュ帝国の陰謀に加担するのだろ?
 自分で自分の首をしめるようなものじゃないか」

「ヤドカリが、それまでの殻を捨てて、
 大きな殻の下に入ろうとしているようなものでしょう」
 うんうん、いい比喩だこと。

「払っても払ってもくっついて離れない糸屑のように、
 なにをしていても幼いエーシャナの面影が、
 スリナァの脳裏から離れなかった」
 表現も、言い得て妙。

「サルーナはたそがれの光がさしこむ
 小部屋の床にひざまずいて、ひたすらに祈った。
 <海の母>よ、小舟が荒波の隙間をすりぬけるように、
 われらが災いの隙間をすりぬけられますように、と」だって。

いやいや、こんな言い回しをされてしまうと、もう脱帽状態。
これは上橋菜穂子(うえはしなほこ)著の
『虚空の旅人』の一節なのだが、
私はいま珍しく、ビジネス本ではなく
ファンタジー小説を読んでいる。

普段は自己啓発本やビジネス本を優先して読んでいる私だが、
近頃は小説にも手を伸ばすようになった。

そのきっかけは、全国の書店スタッフが
一番売りたい本を選ぶという本屋大賞である。
2013年には百田尚樹著の『海賊とよばれた男』が、
2014年には和田竜著の『村上海賊の娘』がこれに選ばれ、
一躍大ブームを巻き起こした。

もちろん私もこれらを読み、
その流れで今年の本屋大賞受賞作である
上橋菜穂子著『鹿の王』を手にとったのだが、
これがなんとも面白い。

あまりに面白いので上橋氏の他の書籍…
中でも注目の守り人シリーズに挑戦してみたというわけだ。

このシリーズは『精霊の守り人』、『闇の守り人』、
『夢の守り人』という具合に刊行されており、
私も全10巻のうち半分ほどを読破した。

ビジネス本ではないのになぜビジ達でご紹介するのかと言うと、
世界観や文章に高いクリエイティブ性を感じたからなのだ。

精霊の守り人は、この世とは違う世界を行き来できるという設定で、
地球儀に存在しない空間をつくり上げている。

点在していると思われた出来事は、
物語終盤になるとすべてが集約され、
思わず感嘆してしまうラストになっているのである。
その発想力、企画力、構成力は、
ビジネスにも活かせるところなのではないだろうか。

そして何より記事の冒頭でご紹介した一節のように、
比喩や言い回しがクリエイティブなのだ。
(残念ながら私にはなかなかできない芸当。)
とってつけたような言葉の飾りではなく、
その細かな様子を想像しやすい言葉選びである。

このように、すぐれた小説の世界観や物語は
ビジネスの企画にも活用できるし、
文章を書く者として表現の勉強にもなる。

自分自身を高めるためには、
ビジネス本以外にもこのような小説が有効だったのだ。

皆さんもビジネスで思い悩んだとき、
ボキャブラリーを増やしたいとき、上橋菜穂子著の
『守り人シリーズ』を読んでみてはいかがだろうか?

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2016年からは大河ドラマの放映が!

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次の本屋大賞は何かな~。

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選ばれるビジネス

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2015

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「天狼院書店」のポテンシャル

立地が悪いうえに、場所もわかりにくい。
そして、書店としては、
決して広くはない店舗スペースで展開されている。
それにもかかわらず、なぜこの書店は、
多くのメディアに取り上げられているのか。

池袋駅で電車を降りて、地図を頼りに進んでいくのだが…
なぜかその本屋にたどり着けない
(道を間違えたわけではなくて単に道のりが長かったため…)。
それほどの立地なのだ。目的の天狼院書店は、
なんと予想だにしない2階に入り口の扉があった。
広さ15坪程度!? のその店舗は、所狭しと本が並び、
カフェになっている趣のある内装。
この小さな書店が、どうしたらそんなに話題に? と言いたくなる。

実は、天狼院書店には、“天狼院秘本”や“天狼院BOX”と呼ばれるしかけがある。
天狼院秘本とは、店が選んだ1種類の本のタイトルを伏せて販売する方法。
テーマによって、店員が主観で選択した至極の一冊で、
お客さんにドキドキを提供するひと工夫が独特な演出だ。
最近だと、あの糸井重里氏が選んだ“糸井重里秘本”が
1,600冊を売り上げたという
(あの小さな店舗での販売で、
1タイトルだけでの売り上げだからさらにすごい! )。
彼の著名性や、影響力、天狼院書店の話題性が
ここまでの売り上げをたたき出したのだから
ビジネスとしては大成功だろう。

また、天狼院BOXとは、書店の一定利用額を購入したお客さまが
その人流のセレクションにより
オリジナルBOXづくりをして販売をする方法だ。
本好きのお客さまによる参加型の売場づくりと言えよう。

天狼院書店のおもしろいしかけは、
これだけに留まらない。
例えば、“部活”。実際にその道のプロを講師として招き、
技術などを直接レクチャーしてもらうことができる。
その種類は数多く、フォト部をはじめ、
雑誌編集部、英語部、落語部、デザイン部、映画部…など
数えるときりがない。
こうしたプロを招聘するイベントは他にも文化祭と銘打って開催されている。

これらのユニークな展開は、天狼院書店のコンセプトが、
「本を通した体験」を提供することだからなのだ。
このところ本屋産業は厳しい状況が続いているが、
天狼院書店のように、本屋という場をハブとして、
様々な人やスキルを発信していくことはできる。

天狼院書店がみせている展開は、ちょっとした一工夫で、
1冊の本の魅力をより深く、おもしろく伝えている。
それは、本来本を読む人の多くが、本を読むという行為ではなく、
本を通じて得られる知識やスキルの取得を目的としているからだ。
これこそ、本屋が生き残る核となるポイントということ。
だからこそ、開店から2年ほどしか経過していない天狼院書店が
今年9月に福岡と表参道に連続出店を果たすことができたのだろう。

こうしたビジネス展開、工夫の仕方は、
業績が振るわない他の業界においても応用が利く。
だからこそ、天狼院書店のポテンシャルは、
すべてのビジネスに対して、成功するヒントとなるのだろう。


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まさかの2階!? 天狼院書店の入り口

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趣あるカフェでもある店内

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これが天狼院BOX

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天狼院秘本の包装

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