これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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先取りビジネストレンド

10/13
2015

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いまどきのソリューションビジネス

最近のビジ達でもたびたびご紹介している、
ソリューションビジネス。
ソリューション(solution)とは、課題解決という意味。

近年、日本では儲けるためのビジネスより、
時代の移り変わりによって浮き彫りとなった問題や
困っている人々の課題の解決に向けたビジネスが増えてきている。
今回はそんな“いまどき”の
ソリューションビジネスをご紹介したい!

新聞を読んでいたときに見かけた、
「不満買い取ります」という文字
(買ってどうするの? と思ってしまった)。
その名も「不満買い取りサービス」!

これは製品やサービスについての不満を顧客から集め、
データ解析を行った上で、その内容を
調査レポートとして対象の企業に販売するというもの。
専用のスマートフォンアプリで不満を集め、
不満の内容は製品にまつわることから接客のことまでさまざまだ。

そして不満を投稿してくれた人には、
Amazonでの買い物に使えるお得なポイントをあげるというもの。
企業と生活者、どちらにも利点のあるサービスとなっている。

ふたつ目のソリューション事例としてご紹介するのは、
「まごころサポートMIKAWAYA21」。
全国に数多くある新聞販売店のうちの約300店舗や、
地域密着ビジネスを行う会社を拠点に、
いま日本が迎えている超高齢化社会のためのサービスを展開している。

例えば、足腰を悪くして切れた電球を取り替えられない、
近所への買い物もままならないなど、シニア層が抱える
生活の中の「ちょっと困ったこと」を手助けしてくれるサービスだ。

新聞購読者が年々減り続ける現代では、
新聞販売店にとっても、これまでのネットワークが
活かせるビジネスとして期待ができるだろう。

そして、よくビジ達でもご紹介している株式会社マイファーム。
ここでは、農業体験ができるレンタルファームや、
週末農学ビジネススクールなど、
農業に興味のある人に向けてのサービスが展開されている。

ソリューションビジネスの鍵となるのは、
耕作放棄地の再生と有効活用の追求で、
これからの日本が抱える問題解決に向けて、
必要な技術を学ぶことができるのだ。

最後にご紹介するのは、
山形県鶴岡市にあるスパイバー株式会社。
世界的にもビッグニュースとなった、
「クモ糸タンパク質」の人工合成と
量産化技術の開発に成功した企業だ。

自然界においても、クモの糸というのは
強さと柔らかさを兼ね備える究極の素材であるが、
この高強度繊維を人工的に作り出し、
我々の生活に役立てることが期待されている。

このスパイバーについては、
改めてこのビジ達で詳しくご紹介する予定なので、乞うご期待!

このように、現在では多方面で
ソリューションビジネスが展開されている。
解決策をビジネスとして社会に提供する企業は、
これからも増えていくかもしれない!

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不満を買い取って有効活用!?

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農業にまつわるさまざまな事業を展開

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選ばれる仕事道

10/13
2015

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D&デパートメントの仕事道

ビジネス番組である、
『カンブリア宮殿』を観ていた時のこと。
私が日々提唱している“タテの発想”を
ビジネス展開する方がまたまた現れた!

それは…デザイナーであり、
プロデューサーのナガオカケンメイ氏である。

ナガオカ氏は若い頃から現在にわたって
モノづくりに関わってきた方だ。
ところがその昔、自身がデザインした椅子が、
発表から1年ほどで人目に触れない場所に
始末されていたのを目撃したという。

その時、「デザイナーは新しい製品を生み出す仕事ではあるが、
もしかしたら無駄なものを生産しているのでは?」
(この表現で合っているかは分からないが…。)
という疑問を抱いたそうだ。

こんな経験から、ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”に対する想いを熱くしていった。

長く使えるということは、
資源を膨大に消費しなくて済むし、
ゴミも少なくなる。
しかも長く使えば愛着が湧き、
さらに大切に使おうと思うもの。

この話を聞いていて頭に浮かんだのが、
“用の美”という言葉。
これは、機能美に加えて、
心を満たす美しさを兼ね備えているということ。

愛着が持てたり、心をなごませたりする
美しさとも言えるだろう。
そう、ナガオカ氏はこの“用の美”を
追求しようとしたのだ。
お~、まさに中島流、“タテの発想”。

その後ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”を世に流通させるため、
「ロングライフデザイン」をテーマにした
“D&デパートメント”を創設。

「その土地らしいデザインの発掘、紹介」を行うのが目的で、
現在は日本で11店舗を展開しているが、
将来的には都道府県ごとに1店舗ずつ設ける目標なのだそうだ。

ナガオカ氏は渋谷ヒカリエ8階の店舗プロデュースも担当し、
そこでも日本全国からセレクトした
“長く使えて良いもの”の販売をしている。

また、ナガオカ氏は地域のガイドブック作りも行っているのだが、
なんとその土地に三ヶ月住んでから
編集に取り掛かるという徹底ぶり。

そこまでの手間と時間をかけた追求こそが、
多くの人を惹きつける要素になっているのだろう。

その先を見据えた、その地域を活かした発想。
まさに“タテの発想”なのだ!
長い目で未来を想像し、
自らの理念を貫いた奥行きある展開を行っている。

そういえば、イタリアンレストランの
アル・ケッチァーノの奥田シェフも同じような理念を持って、
地域を活かしたレストラン学を展開していた。

奥田氏がプロデュースするレストランでは、
地域の在来種である農作物を使い、
農家にはその品種をつくり続けてもらうよう働きかけているのだ。

お二人とも、地域の“良いもの”を活かして
その先に継承するため、“場”を生み出しているのである。

便利であってもすぐ廃れるものでは意味がない。
多少高くても長持ちする良いもの、
愛着の持てるものをその先につなぐという信念が
ナガオカ氏の“仕事道”と呼べるだろう。

そして今後求められるビジネスとは、

そんなタテの発想が基盤となったものなのだ。

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日本の技術が詰まった製品

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店内は賑やかだ

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お! 懐かしいね~

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一周回って新鮮に見えるのか?

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47都道府県制覇を目指して!

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10/05
2015

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300年の功績より、17年の匠

「天が万物に与えている楽しみは
まことにはかり知れない面白さに満ちている。
ここに何ひとつ不足しているものもない」

“見性悟道(けんしょうごどう)”の
境地とはこういうことか…
(まぁ~言い換えれば悟りの境地ってことだけど)
さすが石田梅岩先生。

この世は一片の過剰もなければ、
不足もないと説いているわけで、
約300年前に生物多様性も含め、
私たちの存在意義をも
語ってくれていたということ。
<それにしても、ふく英(はな)さんの
笑顔が思い出される…>

ただし、梅岩先生は“正直”“勤勉”“倹約”
の実践が条件ですよ~と言いたかったのだろう。

今回の石田梅岩先生の歩みを辿っての
京都視察ツアーは、非常に中身の濃いツアーだった。

関係の深い「半兵衛麸」さんを訪ね、
「都鄙問答(とひもんどう)」の原本を見、
そして、半兵衛麸さんの家訓でもある
「先義後利=義を先にして、
利を後とする者は栄える」の掛け軸を
改めて確認させてもらった。
<とにかく、ふく英さんは誰にも優しかった…>

清水寺に近いところの「石田勘平之墓」を
訪ね、そして梅岩先生の最初の講席跡も。

二日目には京都亀岡市の生家にも
お邪魔し、その血筋を持つ
“石田二郎(いしだ・にろう)氏”の
お話も聴かせてもらった。
<ふく英さんは、おじさんたちとも
笑顔でうたってくれる…>

もう「石門心学・実践講座」は25回目、
すなわち2年半を迎えようとしているが、
今回の京都視察ツアーで、改めて石田梅岩先生の
功績を確認することができた。

その当時、何の後ろ盾もない梅岩先生が44歳で
商家の番頭を辞め、無料の講席を開くということは、
どういうことだったのか…
いろいろと考えさせられる機会となった。

なのになのにだ。
これ程、私は梅岩先生に
しっかり触れたいと思っているのに…
今回の一番の記憶はなんと舞妓の
“ふく英さん”。

梅岩先生の講席跡でも、石田勘平之墓でも、
亀岡の生家でもなく、揺れる簪(かんざし)と
あどけなさの残る笑顔のふく英さんなのだ。

17歳とは言え、そのお客様対応の
素晴らしさに驚嘆してしまったと
言っていいだろう。
これぞ日本の「お・も・て・な・し」
なのではと思ったほど。

梅岩先生、すみませんでした。
まるで梅岩先生をダシに使って、
茶屋遊びを楽しんできてしまったような…

実は茶屋遊びは、今回が初めてでは
なかったのだが、とにかくふく英さんの
笑顔とそのツボを心得たアイコンタクトには
恐れ入ってしまった。

いっしょに行ったおじさん方も
目尻は下がりっぱなし。
300年の功績より、17年の匠に心を奪われてしまった次第。

まさに、天が万物に与えている楽しみは
まことにはかり知れない面白さに満ちている…

うんうん、梅岩先生、おっしゃる通りです。

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ふく英(はな)さんの笑顔

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お墓

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二日目の亀岡

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都鄙問答 原本

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10/05
2015

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タテにデザインする

“タテの経営”に、“タテの発想”。
近頃のビジ達にタテを多用していること…
皆様気付かれただろうか?

この場合のタテというのは、
過去や未来、今などの時間軸を基本に、
哲理哲学や理念を長い目で見据えることだ。

この“タテ”という概念の
重要性について考えていたところ、
とある人物を思い出したのでご紹介したいと思う。
宮大工の西岡常一棟梁である。

西岡棟梁は法隆寺の昭和の大修理に参加され、
薬師寺の大伽藍の復元工事に一生を捧げた方だ。
職人としての技術だけに留まらず、
人間性も含めて多くの人たちから認められている。

私の記憶だと、あのNHKのドキュメンタリー番組、
『プロジェクトX』にも早くに登場していたと思う。

これほど偉大な功績を持つ西岡棟梁なら、
数多くの仕事が舞い込むと思うものだが…。
実は、代々法隆寺の宮大工を務める西岡家では、
大工の仕事だけでなく稲作や畑作も行っているという。

神社仏閣では何百年に一度の修復や災害による破損があるものの、
そう頻繁に宮大工が手をいれる機会は少ない。
そこで宮大工としての仕事が無い時は畑や田んぼを耕していたそうだ。

超一流の腕がありながらも、西岡家では
神社仏閣以外の建築物を手がけることはなかったという。
その理由は、ずばり「手が荒れる」から。

つまり、一度楽なものを造ると
腕が鈍ってしまう…ということのようだ。

ビスや釘を用いた簡便な工法に慣れてしまうと、
それまでの釘を一本も使わない、
千年ももつような木を組む技が廃れてしまう。

したがって西岡家の宮大工たちは民家などを造らず、
その技術を保ってきたというわけだ。

これはまさに“タテの発想”。
この発想を貫くからこそ、
その技が次の世代に継ぐことができる。

すなわち西岡棟梁は“タテの発想”で
自らの人生をデザインしてきたのだ。

以前ビジ達でご紹介した「吉田カバン」の創業者、
吉田吉蔵氏も“タテの発想”だと言えるだろう。

国内での職人育成を重視し、
コストの安い海外での生産を行わなかったお陰で、
現在まで国内での鞄作りの技術が受け継がれているのである。

吉田氏もタテの発想をし、
タテの生き方を意識したのではないだろうか。

他にも老舗と言われる企業は
“タテの発想”が基礎にあることが多い。
例えば高級フルーツ店の千疋屋総本店には家訓があり、
不変の価値観をつなぐことを徹底している。

それは「勿奢、勿焦、勿欲張」だ。
この価値観だからこそ、代々続いて来れたとも言えるのだ。

石川酒造も代々の当主が記した日記により、
過去の先達たちを想い、自らの役割を考え、
“タテの生き方”を実践しているのだ。

拡大ではなく継続を目指したことが、
長く続く企業の秘訣なのだろう。

このようなタテの発想の生き方やビジネスに反映させることを、
私は“タテにデザインする”と表現したい。
私の肩書き“経営デザイナー”にもあるように、
ビジネスや生き方を“デザインする”という発想はとても重要。

ここで改めて自分の生き方が、そしてビジネスが
“タテ”になっているかどうか考察してみてはいかがだろう?
そしてタテに再デザインしてみよう!

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西岡棟梁の著書

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選ばれるビジネス

10/05
2015

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ピンを知っての追求

まず、湯飲みを4つ用意し、1つに熱湯を注ぐ。
次に、その湯を他の湯のみに1つずつ注ぎ変え、
湯冷ましにする(目安は湯飲みを手で持ち続けられる温度)。
そして、できた湯冷ましを
10グラムの茶葉が入った急須に注ぎ、きっかり1分20秒。
温めておいた湯のみへ最後の1滴まで注ぐ。
すると… えっこれがお茶?
甘~くて丸~い味が口の中に広がるのだ。

これは、京都に行った際に
一保堂茶舗にてレクチャーされた、
100グラムで1万円という
最高級玉露「天下一」の淹れ方だ。

このようなひと手間かけて
淹れた玉露を一口飲んでみる。

すると、いままで味わったことのない
苦味のないまろやかな味わいが広がり、
目からウロコの状態だった
(いままで飲んでいたお茶は何だったのか…)。

ここでふと思い浮かんだのは
「ピンからキリまで」という言葉。
“ピンキリ”なんてよく聞くが、
これは「最大から最小まで(最高から最低まで)」
という意味がある。
それに例えるなら、
この玉露はまさに“ピンのお茶”といえるだろう。

このように、“ピン”を知ることは、
同時にその他のさまざまなものを知ることにつながる。
“ピンのお茶”を知ることで
今までのお茶のレベルを知ることができるし、
逆に“ピンのお茶”を知らなければ
お茶について語ることはできないのだ。

さて、この“ピンキリ”というハナシは
ビジネスにも同じことが言える。
私は経営デザイナーとして様々な企業を訪ね、
経営者の話を聞いているが、
やはり多くの人たちから選ばれる
素晴らしい企業は存在する。
すなわち、一流企業であり、
“ピンの企 業”ということだ。

例えば、ビジ達でも何度も紹介している大里綜合管理。
会社の規模や売り上げよりも地域貢献や、
社員や組織の成長に重きを置き、
実質的な成長を目指している。

また、世界からも視察者が訪れる
産業廃棄物処理の石坂産業。
これまでの考えや常識にとらわれず、
その在り方を追求し、
常に新しい取り組みを発信し続けている。

これら以外にも私の知っているだけでも
“ピン企業”と呼べる企業は存在する。
そして、このような経営者とのやりとりを続ける中で、
自分の会社をポジショニングすることができるのだ。

つまり、「ピンを知ることで己を知る」ということ。
自分の足やメディアを使い、
“ピンの現場”を見て・聞いて・体感する。

そうすることで、自社の現状の立ち位置を知り、
次なる高みを追求する指標となるのだ
(逆に言えば、“ピン”を知らなければ
自身の次なる成長を推し量ることは難しいだろう)。

先に紹介したように、普段何気なく飲んでいるお茶をとっても、
“ピンキリ”の実感は大きい。
企業やビジネスならばもっと実感できるだろう。

ビジネスの“ピン”を知り、
自身の成長につなげることこそ、
多くの人から選ばれる“ピン企業”への道となるのだ。

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“ピン”のお茶を体験!

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淹れ方にも作法と手順がある

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適温で淹れる!

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香りも色もすばらしい

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ビジネスにも通じる“ピンキリ”

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