これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

10/24
2022

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金曜日の“アジフライデー”で、 スーパー“オオゼキ”を語る

先日、浅草の食品スーパーオオゼキの“アジフライデー”で、
久しぶりにアジフライを2匹もいただいた。
やっぱり繁盛しいているスーパーのアジフライは美味しい。
特にオオゼキのアジフライは間違いなく美味しい。
私の“集客アジ理論”は健在である。

久々にこのビジ達でアジフライの話を発信するわけだが
“集客アジ理論”を創って早10年は経つだろうか。
スーパーマーケットの良し悪しや繁盛店かどうかを知りたい時は、
そのお店の“アジフライ”で分かるという理論だ。

鯵(アジ)のような足がはやい魚を美味しい惣菜にするためには、
新鮮で良質なアジの仕入れと、手間のかかった仕込みと調理が必要になる。
そこに人やコストを投資するということは…となるわけだ。

よって、お惣菜の中でも特に“アジフライ”は、
その店の販売する商品や、お客さまに対する姿勢が分かる。

さて、なぜここで“集客アジ”の話になったかというと、
弊社が浅草にオフィス移転したことで“オオゼキ浅草雷門店”が
身近になったから。そして相変わらずの繁盛店なわけだ。

今や東京、神奈川、千葉に41店舗を展開していると聞くが
売上高はなんと1,000億円を超す。
利益率もスーパーマーケットの中では間違いなく上位。
そしてプロにも支持される豊富な品揃えが売りで、
一坪当たりの売上高は日本一ともいわれている。

オオゼキではお客さまの声に敏感になるようすべての従業員が
教育されているという。
その3つのポイントは、オオゼキの強みであり繁盛店のわけでもあるのだ。

1.お客さまの声を集め続ける
2.一人一人に任せる
3.自分で考えるクセをつけさせる

売り場のあらゆる場面で、多くの社員が耳をそば立てて
一人一人のお客さまの声を集め対応しているという。
だからこそ、あの豊富な品揃えとなり、常連客が多くなるのだ。

創業者(故)佐藤達雄氏の「お客さまを大切にする」という
企業理念に関する逸話はあれこれ聞いてきたが、社員教育については…
「失敗を怖がらせて社員が冒険しなくなるほうが怖い。
何かの商品が一つダメになるよりも人間をダメにすることのほうが怖い。
だから、うち(の会社)は何にも分からない新人にも
仕事をどんどん任せるんだよ」と言っていたという。

“任せること、信じること”がスタッフを成長させ、
どうすればお客さまに喜んでもらえるかを自ら考えてくれるわけだ。

また、オオゼキのポイントカードも人気で、
貯まったポイントを現金に換えられるのだという。
10万ポイントを超すお客さまは各店結構いるようだが、
少し前になんと、160万円の換金があったというのだ。

100円で1ポイントとして単純計算すると
1億6,000万円分も買っていることに。
(まぁ、ポイント5倍のキャンペーンもあると聞くが…)
とにかくファンも多く、愛されているスーパーマーケットであることは
間違いない。

まずは最寄りのオオゼキに出向き、アジフライを食べてもらいたい。
そして普段行くスーパーマーケットのアジフライと比較して欲しいのだ。

ちなみに、スーパーマーケット以外でも、お店や会社を選ぶときに
アジフライのような分かりやすい“決め手”があるといいんだけど…

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東京、神奈川、千葉に41店舗

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09/26
2022

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石坂典子社長流の意味の創出経営

石坂典子社長は30歳のお試し社長からの数年は
会社としての明確な課題が多く、
その課題にどう対応するかがテーマだった。
すでに課題があり、それに対応するための経営だったということだ。
ところが、ある時点からの経営は、
“問題を発見して、意味を創出する”というビジネスステージに
入ったように思えてならない。

これに気づいたのは、この9月大里綜合管理で開催された
“ネット99夢フォーラム”での石坂社長の講演会に
参加させていただいたときのこと。
ちなみに、大里綜合管理の野老会長と石坂社長は、
2012年“おもてなし経営企業選”で一緒に選ばれた経営者仲間なのだ。

今回のフォーラムで改めて1999年の
ニュースステーションでの誤報による廃業の危機から
“石坂産業逆転劇”の顛末を聞きながら、
まさに石坂社長は私がこのとことろ発信している
“意味の創出”経営をずっとやってきたと気づいたということ。

社長になって数年は世間からのすさまじい逆風に立ち向かいながら
建設して間もない大きな溶鉱炉を撤去し、
新たなプラント造りを決断することで
多額の借金を抱えることになった。
当然それなりの稼ぎがなければならないわけだ。
そうしているうちに、ある時点から、
石坂社長は課題対処と並行して、その先を見据えた
“意味の創出”展開をし始めるのだ。

◆2億円もかけ見学通路を造った件
などは、課題解決のためだけでなく、“意味の創出”と言えるだろう。
もちろん廃棄物処理プラントに見学通路は必須のものではなかった。
だが、これにより見学者も増え働く人たちの意識も変わり、
働き甲斐のある会社へとつながっていく。
→ “2億円も”ではなく、“2億円で”会社の信頼感(透明性)と
従業員のモチベーションも高めたということ。

◆雑木林を清掃整備して憩いの森“フォレストパーク”にする
→まちづくりと地域貢献

◆広い敷地を整備して遊具やベンチを持ち込み
“アミューズメントパーク”とする
→地域貢献とブランディング

◆“くぬぎの森交流プラザ”や“くぬぎの森カフェ”を開設し
自社農園で生産された産物を活かした食事を提供

◆廃棄される海洋コンテナをリユースしたエシカル雑貨ショップ

結果としてこれらのアプローチは多くのメディアでも扱われ
海外含め年間5万人以上の人たちが視察に来る石坂産業となった。
新卒採用でも多くの就職希望者が集まる会社になったのだ。
さらに新たなチャレンジをし続け、最近は作る段階から
廃棄物を少なくするノウハウを蓄積して、
大手メーカーとも関係を築きつつあるという。
もはや産業廃棄物処理を主事業とする会社とは思えない
未来産業的“石坂産業”になろうとしている。

石坂社長はその感性思考も活かした
新たなチャレンジの繰り返しにより
時代に先駆けた“意味の創出経営”をしているということ!


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新たなチャレンジで“意味の創出”を実践

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08/01
2022

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石坂典子流“しなやか経営”へ

~“しなやか経営デザイン研究所”を設立へ!?~
一時は存続すら危ぶまれていた石坂産業を再生し、
日本では無くてはならない存在につくりあげた
石坂産業の石坂典子社長がその実績とノウハウを生かし、
新たに“しなやか経営デザイン研究所”を設立した。
→これはビジ達流フェイクニュースだ!

というのも、先日のリーダーズセミナーで
石坂産業を訪問した際に、石坂社長との
トークセッションの時に私のアタマに浮かんだ発想。
石坂社長は、クリエイティビティやデザイン性も
非常に高く、哲学的であり、挑戦的かつ戦略的で
素晴らしい感性をもっているということを改めて感じた。

このノウハウや感性を、全国の中小企業に対して指南する
“しなやか経営デザイン研究所”を設立してほしいという
私の願望からの、フェイクニュースだ。

石坂典子社長は、約20年前に
代表権のない社長に就任したわけだが、
“父の想いの可視化”をテーマに
産業廃棄物処理の仕事をどう知ってもらい、
地域に安全安心の会社であることを発信できるか
ということに注力したそうだ。

この時期にはNHKやテレビ東京など
色々なテレビに出演し、能動的に発信した結果、
多くの人に興味を持ってもうことができたということだ。

また、経営者としても大胆にチャレンジして
素晴らしい成果をもたらしている。

例えば、15億円かけて造った、出来て間もない焼却炉を捨て、
40億円をかけて、焼却炉のない新しいプラントを設立。
さらに追加で2億円をかけて見学通路を設置し、
視察研修の受け入れを始めた。

今までの「産業廃棄物は見せられない業界」
というイメージを払しょくし“どう見せ、どう魅せていくか”
ということに力を注いだ。

他にも、雑木林の清掃整備をし、里山の再生に尽力した他、
森の整備や公園、神社の設置から、
レストランとして皆さんが集まれる場所として
“くぬぎの森交流プラザ”の開設など、
多くの人が興味をもち、集まってくれる施策を
いつも展開している。

そして現在は温泉を掘り、温泉施設の建設を計画しているが
ここにも戦略的なものがあると聞いている。

石坂社長の言う、“経営はデザインするもの”
という概念を実践しているわけだ。

どんどん変化する令和の時代では
人のモノの見方や、業界への見方の変化にも敏感になり
自分たちの存在理由も常にシフトしていかないといけないということ。

“しなやか”であるということが経営にとって
重要なキーワードになることは間違いないだろう。

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石坂産業でのトークセッションの様子

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07/19
2022

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M&Aキャピタルパートナーズの その“パーパス”が選ばれる理由

先日の動画番組“Business Today”に登場してもらった
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社の
代表取締役社長 中村 悟氏。
NBCのメンバーでもあるので会社が大変な時期も知ってはいるのだが…
なんとこのコロナ禍でも業績を伸ばしたという。

すでに1部上場企業なわけだが…
2021年9月決算では売上高 151億円、経常利益はなんと65億円。
成約件数 172件に及び、いずれも過去最高だという。

上場してからも順調(?)に成長し、
今やM&A仲介大手3社の一角だが
他2社とはM&Aとの向き合い方が違う。
M&A仲介会社の多くは、銀行、証券、会計事務所など
提携先からの案件が多い一方で、“M&Aキャピタルパートナーズ”は
そのほとんどが直接オーナーのところに通って関係を築く泥臭いスタイルだ。

先にビジ達でも語ったことだが、
日本においては中小企業のM&Aを進めることが
人材の確保や新規事業への取り組みなど
事業スピードを上げるためにも重要な展開なのだ。

そして、日本企業の9割以上を占める中小企業の2/3は
後継者がいないと言われていて、
経営者の高齢化による事業譲渡ニーズが増えているという。

さて中村社長だが…
1973年福岡生まれの49歳。
大手ハウスメーカーの営業をしていた時、
土地オーナーが所有する店舗や会社の譲渡について多く相談を受け、
次第にM&Aに関心を持つようになっていった。
そこで中堅・中小企業の後継者問題の解決と発展的事業承継を考え
M&A業界への転職を決断したが、金融未経験という壁が大きく、
なかなか採用してもらえる会社に出会えず、
結果として、起業の道へ進むことになったという。

そこで設立されたのがM&Aキャピタルパートナーズ。
金融機関を介さずに、中小企業にアプローチする形で
マンパワーを増やし営業活動をした結果、
人件費に対して案件獲得が追いつかず
倒産寸前まで追い込まれる事態にもなることが。
どうにか、ベンチャーキャピタルから資金調達によって
その難は逃れることができたという。 
当然のことだが、順風満帆に上場まで漕ぎ付けることはまず無いようだ。

“未来を見据えて目標や夢を持ち、愚直に実現を追求する”というのが
中村社長流のワークスタイル。
このワークスタイルが、まだ企業ブランドもできていなかった頃には
足かせとなり、厳しい環境を強いられることに。
だからこそ上場を目指し、信用とブランド力の獲得に向けて努力していくわけだ。

1部上場企業となってからは、例の擬人化したライオンのCMを発信し、
テレ東系の“ガイアの夜明け” “カンブリア宮殿” “WBS”など
中小企業の社長が見る時間帯に流して、ブランディングを試みている。

中村社長の創業の理由
“後継者のいない事業者の力になりたい”
言い換えると
“中堅・中小企業の後継者問題の解決と発展的事業承継への支援”ということ。
この“パーパス”こそが、多くの中小企業の経営者から選ばれる理由となっている。

“明確なパーパス”を持つことが信用につながり、
結果的に多くの人に選ばれる理由となるということだ。

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中村 悟氏@Business Today

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05/23
2022

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100年続く企業小野株式会社4代目のチャレンジ精神!

今書店に行くと、
『何があっても潰れない会社』―100年続く企業の法則―
という経済ジャーナリスト田宮寛之著の本が平積みされている。
“今こそ老舗企業から学ぼう”というプロローグから
始まるのだが、そのトップに紹介されているのが、
大型手芸専門店“ドリーム”を展開している小野株式会社。
この小野株式会社の小野兼資社長は4代目で、月刊CD
ビジネスイノベーションにも登場してもらっている。
私の友人でもあり、香川NBCに所属する仲間でもある。
そして、ビジネスイノベーションを10年以上(?)
聴いてくれている受講者なのだ。

小野株式会社は、明治44年創業、今年で創業111年目。
初代の小野耕作氏は、香川県財田大野村出身。
33才のときに熨斗(のし)や贈答品を扱う“小野だるま堂”を開業。
1945年に空襲で店が全焼し、土地を売却。
2代目が高松市にて手芸用品の問屋として事業を復活させる。
戦後は洋服や身の回りの品は手作りがあたりまえだったこともあり、
問屋業としても発展。
3代目小野耕一氏は、勉強熱心で勤勉で、
2代目が脳梗塞で倒れたこともあり、
介護しながらも事業拡大を図った。

そして4代目の小野兼資氏。3代目からは、
「仕事だけに集中できる環境に感謝しなさい」と言われたという。
そして、問屋業は今後厳しくなると予想し、BtoCの店舗展開を始めることに。
ただ、香川で問屋商売をしていた手前、
あえて一号店は瀬戸内海対岸の岡山県で、田んぼの中にオープンさせた。
店名は手芸センター“ドリーム”。
手作りの夢や、スタッフの夢をのせてこのネーミングにしたという。
そして今や、関東・関西・中四国に展開し97店舗まで拡がった。
多店舗展開によりオリジナル商品も増加し、利益向上にもつながり、
それが次なる店の出店へと。
信用が信用を生んでの約100店舗の規模となったという。

私が着目したいのは3代目の体験だ。
本社ビルを建てる予定で進めていた矢先に
土壇場でメインバンクからの融資の話が消えてしまうことに…。
最終的にあきらめるか? というときに
銀行が貸してくれることになったというが…
そんな経験から
「お金はいつでも儲けられる。あせるな。信用を失うな」と。
3代目は商売で重要なことは“信用”だと常に言っていて、
これが迷ったときの小野家の判断基準となったようだ。

3代目のときにバブル時代が到来したが、
信用を考え、財テクに手を出さなかった。
成功しても失敗しても本業に精を出し、
現在もその価値観を大切に商売を続けている。
これからも100年以上にわたり受け継がれた価値観が
5代目、6代目へと繋がっていくのだろう。

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本書では手芸専門店“ドリーム”について触れている

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