01/27
2025
すべてが加速する今だからこそ、 敢えて“二宮金次郎”の哲学から学ぶ。
「小学校の校庭に必ずと言っていいほどあった、金次郎像。
薪を背負って勉学に励んだあの少年が、
その後、600以上の村の復興を手がけたことをご存知だろうか?
200年くらい前に金次郎が辿り着き、守り抜いた思想の数々は、
今も変わらず、私たちの中に生き続ける」
というプロローグのフライヤーを渡され、
映画「二宮金次郎」の上映会に誘われたのだ。
この映画は通常の映画とは違い
映画館ではほとんど上映しない映画なのだという。
せっかくの機会だったので、鑑賞させてもらったわけだが
いい映画を観させてもらった気分で帰路に着くことができた。
この“ビジネスの達人”でも、“二宮尊徳翁”は、
すでに何度か登場した人物。
私が繰り返し発信したのは
その1、「道徳を忘れた経済は罪悪であり、
経済無視した道徳は寝言でしかない」
(この言葉は二宮尊徳とも、内村鑑三とも言われているが…)
その2、「積小為大」
その3、「至誠」(きわめて誠実なこと、まごころ)
改めて言うが…この“ビジネスの達人”は、
常に移り行く時代に“選ばれるビジネス”実践のための
“不易流行”を発信している。
【二宮金次郎から学ぶ“積小為大”そして“至誠”】
日本の江戸時代に生まれ、成長する一人の少年。
幼少期、彼は幾多の困難に直面していた。
父を失い、生活は決して豊かではなかった。
それでもその少年、二宮金次郎は希望を失わず、
日々の小さな努力が大きな成果を生むことに気づく。
それが「積小為大」。
一歩一歩積み重ねることで
大きな目標を達成できるという価値観。
彼は一生懸命生きる日々の中で、身をもって学んでいった。
桜町領(栃木県)の財政再建を依頼された二宮金次郎だが、
ある事件によって迷いが生じ成田山新勝寺へ。
その修行は、彼のその後の人生に大きな影響を与えた。
修行を通じて彼は「至誠」という理念を深く理解するようになった。
誠を尽くし、真心で事に当たることは、
人間関係や社会全体の根幹にあると気づいたという。
二宮尊徳(金次郎)の名前が歴史に刻まれるきっかけとなったのが、
この桜町領の復興である。
荒廃した土地を見て、彼は農業の可能性を信じ、
地域の人々と共に汗を流した。
彼の指導の下、次第に土地は蘇り、
桜町領は再び活気を取り戻していく。
この成功を端緒に、二宮尊徳は全国各地の復興、
再建活動に尽力し、多くの人々の生活を向上させていった。
【令和の時代に二宮尊徳翁から、何を学ぶのか?!】
技術の進歩が次々と進み、全てが加速するこの時代だからこそ、
彼の教えはより重要なのかもしれない。
小さなことを積み重ねる「積小為大」の精神は、
大きなプロジェクトや長期的な目標達成において、
今も変わることなく通用する普遍的な考え方だ。
また、“至誠の心”で物事に取り組むことは、
デジタル化が進む社会においても、人と人、
企業と社会をつなぐ絆として不可欠だ。
技術がどれほど進化しても、人間関係の基本は変わらない。
真心をもって接することにより、信頼関係が築かれる。
二宮尊徳の生涯にわたる教えは、ただ時代を超越するのみならず、
現代における新しい価値観を築くヒントにもなる。
私たちは日常の中で、小さな積み重ねを大切にし、
誠実さを忘れずに生きることが、
持続可能な未来を築く道なのではないだろうか。