これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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先取りビジネストレンド

01/15
2013

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時速75kmの“北斗星”の楽しみ方

1214.9km……。
この果てしない道のりを、
あえて時間をかけて旅をした。

先日北海道から帰京する際、「北斗星」を活用した。
もちろん北の空に浮かぶ七つの星ではない。
かの有名な寝台特急の話だ。

月が照らす雪景色の中に佇む閑散とした駅舎。
霞む街の明かり。その北国らしい趣。

そんな景色を堪能しながら、フレンチを嗜む。
食後は席に戻り、現地で買った
赤ワインとおつまみに舌鼓を打つ。
(そのへん、抜かりなく用意する私はさすがだなぁ)

気が付けば白銀の世界から顔を出す日の光。
後半は雪から野へと変わっていく景色をも楽しんだ。

北斗星は1日1便のみの運行で、
札幌・上野間の1214.9㎞を
約16時間かけて走行する。
(今回は17時間かかったが……)

16時間を1200kmで割ると、
時速約70~80kmの速さということになる。
時速約300kmの新幹線の1/4程度の
スピードにもかかわらず、
席によっては飛行機よりも高い。

効率的な交通手段が多々ある中、
わざわざお金と時間をかけて……と
お思いの方もいるかもしれない。
しかし、この一見非効率とも思える行為は、
“時間を楽しむ”という発想1つで
価値あるプロセスへと昇華されるのだ。

スピードや安さ、便利さを最優先する時代から
“プロセスを楽しむ時代”へ
少しずつ変わってきている昨今。

今回のような“移動時間”も、 ただの“手段”と
考えると無駄な時間で終わってしまうが、
そのプロセスの楽しみ方を模索することで
かけがえのない“生きた時間”となる。

このような発想の転換における“価値創造”が、
新しい時代では求められるのではないだろうか。

もちろんスピードや安さ、便利さが価値基準となる
場面はこれからもあるだろう。
しかし、これまでのようにすべてがそこに
集約されることはないと見ている。

ますますデジタル化が進み、効率化が
加速しているが、その一方で、あえてゆっくり
プロセスを楽しむことによって心の豊かさを育む、
“生きた時間”を楽しむ需要が
急激に高まっているからだ。
そんな時代の変化を裏付けるように、
北斗星も今かなりの人気を博している。

北斗星で過ごしたひとときは、これからの生き方、
そしてビジネスの在り方を改めて考えさせられる
貴重な体験だった。

(北斗星に持ち込むワインは1本がいい!
持ち込み過ぎは、北斗星の旅の良さを
打ち消す可能性が……)

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雪の中 威風堂々 北斗星

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いよいよ乗車

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上野までの道のりは長い

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テンション上がって途中駅でパシャリ

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雪はやんだが、さめやらぬ興奮

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