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06/03
2013

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くだらなく、ないミドリムシ

「くだらない仕事なんて無い」。
株式会社ユーグレナの出雲充社長はそう強調した。
彼の“くだらなくない仕事”とはミドリムシの研究と培養だった。

出雲社長は、世界で初めてミドリムシの野外大量培養に成功した方だ。
ミドリムシとは、藻の仲間であり微生物の一種。
そのわずか0.05mmの小さな体の中には
53種類もの栄養素が含まれており、世界中から注目されている。

現在、ユーグレナでは大手企業の協力も得て、ミドリムシの可能性を
食・医療・燃料など様々な分野に展開し(途上?)、
昨年は東証にも上場した。

出雲社長の話を聞くと、この“くだらなく、ないミドリムシ”が
本当に私たちを、これからの地球を
助けてくれるような存在になるのではと思えてきた。

なぜ“ミドリムシ”だったのだろうか。
きっかけは、学生の頃に訪れたバングラデシュにあったそうだ。

今から数年前、現地の子供たちは毎日3食食べられるにもかかわらず、
栄養失調に陥っていたという。
それは炭水化物に偏った食事が原因だったのだ。

それを知った出雲社長は、帰国後に出会った
“ミドリムシ”の豊富な栄養素に注目。
この2つの出会いを結びつけ、栄養失調に苦しむ人たちを
救いたいと思い、研究・培養を志したのだ。

しかし、そこには大きな壁が…。
研究を始めた当時、ミドリムシには天敵も多く、
そう簡単には大量培養を実現することはできなかったのだ。

多くの科学者たちがチャレンジしても突破できなかった大量培養に、
当時務めていた銀行の役職をやめてまで
あえてチャレンジする姿を見て、
あちこちから“くだらない”を連発されたのだろう。

だが、出雲社長は「ミドリムシで世界を救う」という
大志を持った覚悟を決め、協力してくれる人々と共に
野外培養研究に集中することを決断したという。

そしてついにその努力が実を結び、
世界初の野外大量培養の成功によって
この研究が“くだらなくない”のだと世間に対し証明したのだ。

そして、そのミドリムシはいまや様々な食品に生かされて
市場に出まわり始めている。実は食品だけではなく、
飛行機のバイオジェット燃料となる可能性も出てきているという。

やっぱり「覚悟の決断」をしなければ
何かを成し遂げることはできない、ということ。

何度も「くだらない」と言われた研究を、
科学的な知恵と裏付けで証明した出雲社長も、
大志を持っての覚悟だからこそ成し遂げられたのだ。

そしてこの覚悟がなければ、
大手企業の協力を得ることもできなかっただろう。

自分の仕事や役割に覚悟を持って取り組む。
Good Jobは覚悟がないと実現できないということ。
私も“くだらなく、ないミドリムシ”に出会ってみたくなった。

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この緑の微生物に大きな可能性が…

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ミドリムシで世界を救うことを決めた出雲社長

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一つ一つの言葉に覚悟が感じられる

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