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05/02
2016

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「ばぁばのお昼ごはん」を選ぶ理由

にんじん、ごぼう、かぼちゃ、じゃがいも、
ピーマン、パプリカにキャベツ…
そして半熟ゆで卵が乗せられた、
具沢山のスープカレー。
さらに、大きな器に盛られた北海道産のおいしいお米。

この盛りだくさんなスープカレー定食で、お値段はなんと850円。
先日北海道の芽室町へ行った際に、
「ばぁばのお昼ごはん」という定食屋さんでいただいた。
素材本来の味が活かされた調理法で、
地元の食材がふんだんに使われており、とにかくおいしかった。

だが、しかし!
この定食屋、地元産の食材を使った
おいしい食事を提供するだけでない、
それ以上の意味がある定食屋なのだ!

じつはこの定食屋さんは、
食品加工会社である九神ファームと深い関係がある。

九神ファームは、障がいをもった人たちでも
「働いて生きていく」ことが可能になる環境づくりを目標に、
農業関連事業で継続的な就労支援を行っている事業所だ。
地元に住む障がいのある人を多く雇い、
地元産の野菜を地元の工場で加工し、流通させている。

「ばぁばのお昼ごはん」は、
この九神ファームが加工・生産した製品を活用し、
調理や接客といった職域を、新たに開拓するためにスタートしたのだ。

まさに、これらの取り組みは『里山資本主義』の
著者・藻谷浩介氏が提唱する“地消地産”
を実践しているといえるだろう。

“地消地産”とは、
“地元で消費するものは、地元で生産したものにしよう”という考え方。
生活者が地元で作られたものを選べば地元にお金が回り、
結果的に15~65歳の労働人口が維持されることになる。
さらに、場合によってはその労働人口を増やすことにもつながるのだ。

「ばぁばのお昼ごはん」は九神ファームと連携しながら、
この“地消地産”にプラスして、
地元の障がい者の雇用確保・自立支援という
大変価値のある一歩進んだ取り組みをしているのだ。

中国・春秋時代の宰相であった晏子(あんし)の言葉に
「益はなくとも意味はある」というものがあるが、
私が「ばぁばのお昼ごはん」を選び食事をすることは、
同額を払いチェーン店で食事をするのとは
その意味において大きな違いがあると言えるだろう。

チェーン店を選んでしまうと、地元にお金はほとんど回らない。
生活者自身が主体的に、地域を支えるという観点から
どの店で・誰が作った・どの商品を買うか、
という決断を下すことが、生活者としての権利であり、
意味のある働きかけだと思う。

生活者も地域の経済にみずから関われる手段があることを忘れず、
これからも価格以上の意味がある店を選んでいきたいものだ。


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入り口の様子

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いろんな人がみんなで楽しく働くお店

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大満足のスープカレー!

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地元の食材がふんだんに使われている

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客足の途絶えない店内

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