これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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01/19
2015

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“必然的偶然”のなせるワザ

4年前頃、ある方から沖縄での
講演会を依頼され、「仕事道」を
テーマに熱っぽく話をさせていただいた。
(毎回、私の話は熱っぽいのだが…)

そのあとの関係者との懇親会の場で、
ある経営者が一冊の本をプレゼントしてくれた。

「私にとって“今年一番の本”です」と
言いながら渡してくれたのが『発酵道』という本。

著者は「寺田本家」当主 寺田啓佐と書かれていた。
多分、私の話と近い価値観を感じ、
持っていた本を思わずプレゼントしてくれたのだろう。

この本との出会いが思わぬ相乗効果を
もたらしてくれることになるとは…。
その後の経緯を考えると、
この本との出会いはあくまでプロローグだったのだ。

ある情報誌でオーガニックバー「たまTSUKI」の
ことを知り、すぐさま連絡をして訪問。
すると「寺田本家」のお酒が置いてあるのだ。
「え~! これって千葉の寺田啓佐さんのところの…」
(すでに本を読んでいただけに感動的な出会い!)

また、掃除の会で知り合った「自然回帰」の大西社長。
木村秋則氏から学んだ自然栽培で育てた米を、
「寺田本家」で自然酒醸造してもらっているというではないか。
(何本も私のワインセラーに眠っている)

そして今回参加した“寺田本家訪問”バスツアーは、
オーガニックバー「たまTSUKI」が企画したもの。

必然的、偶然。

本も沖縄で偶然手元に。
そして「寺田本家」なる酒造を知ることに。
「たまTSUKI」もたまたま知ったわけだし、
木村秋則さんだって…。

掃除の会だって、大西社長だって…。

すべてはあくまで点だったのだ。

一見、ただの偶然のように思えるが、
時代の流れや価値観を追求するうちに、
私にとって必要な情報を自然と呼び寄せたのだろう。

点と点が線になり、相乗効果をもたらす。
その相乗効果は、時代に影響する大きな流れとなるのだろう。

そう考えると、日々を過ごす目も変わるかも!?

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この本との出会い

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必然と偶然

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寺田本家にお邪魔してきた!

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選ばれる仕事道

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たまTSUKIの仕事道

池袋駅から徒歩10分。
路地にひっそりと佇むオーガニックバー
「たまにはTSUKIでも眺めましょ(通称たまTSUKI)」は、
こんなところに?と思うような静かな場所にある。
このビジ達でも何度かご紹介したのだが、
オーナーの高坂 勝(こうさか・まさる)氏は
『減速して自由に生きる(著作のタイトルでもある!)』という
独特のスタイル“ダウンシフターズ”を発信している方だ。

ということから、お店は土・日・月の週休3日!
年中無休を掲げるチェーン店が多い
現代では驚きのスタイルだ。

私が先日、高坂氏が企画する年一度の
酒蔵「寺田本家」見学バスツアーに参加したところ、
参加人数はなんとバスいっぱいの60名!
補助席まですべて出す人気ぶりだった。

実はこのバスツアー、参加にあたっては
「たまTSUKIに来たことがある」
「一度もこのバスツアーに参加した経験がない」
という条件が付いている。
つまり、誰もが最初で最後のバスツアー参加ということ。

う~ん、とはいえこの大盛況ぶりはスゴい。
参加している方のお話を伺うと、
退職したばかりの方、退職を考えている方、
NPO法人を立ち上げている方、など様々。
お店のファンであることはもちろんだが、
皆、高坂氏の想いに共感されての参加だ。

独自の経営方針で
ファンを掴んでいる「たまTSUKI」だが、
高坂氏も初めからこうした生き方を
選んでいたわけではない。

元は大手流通企業で、バリバリの企業戦士として
働いていたとのこと。
しかし、その生き方にふと疑問を覚えて2000年に退職し、
2004年に「たまTSUKI」をオープンした。
それも最初のうちは週休1日だったのだが、
あっという間に繁盛店になったこともあり、
「これではダウンシフトしていない!」
と感じて2009年には週休2日に。

さらに、2012年には週休3日にしてしまった。

週休3日とは言っても、
その間遊んでいるわけではない。
ご自分で農業を行ったり、
“ダウンシフターズ”に関する講演・執筆活動を
行ったりして、自営と自給を勧める(?)
活動に勤しんでいるのだ。

「たまTSUKI」の役割は、
ただ美味しい料理とお酒で
お客様をもてなすことだけではない。
健康で仕事を楽しみ、多くの人と触れ合うこと。
それによって人生を腐敗ではなく
“発酵”させていこう!という考え方を、
広めることにもあるのだ。

これこそがまさに「たまTSUKI」の“仕事道”。
利益のみを追求しなくても、
存在意義のある店・人は必ず継続できるという
お手本のようなものだろう。

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寺田本家にて、Mr.セイージ!

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バスツアーは大盛況!

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ここでもMr.セイージ大活躍!高坂さんと♪

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この人気の秘密とは!?

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はなまるア・ラ・カルト

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2015

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“仕事道の決断”ができるか?!

ビジネスは常に選択の連続である。

しかし、1つの判断の誤りが、
会社の存続を脅かす事態を招くことも…。

では、こうした選択の落とし穴に
落ちないためにはどうすればいいのか。

優れた決断を下した、
3つの事例を紹介しよう。

1つ目は、群馬県に本社を置く
「中里スプリング製作所」の
社長・中里良一氏から伺ったお話。

ある時、大口の取引先から
「このバネは数が出るから
 専用の機械を購入して欲しい」
と持ちかけられ、1,600万円もの
設備投資を行った。

さらに、その打ち合わせは、
半年間も要したのだ。

しかし、生産を始めて半年が過ぎたところで、
「設計変更で仕様が変わった」
と告げられ、さらに500万円の機械を
購入して欲しいというのだ。

「このままでは、会社の経営が揺らいでしまう!」
そう感じた中里社長は、
なんと、大口の得意先だった
その取引先を断ったのだ。
まさに損切りの決断。

2つ目は、スコットランド・エジンバラで
農場経営をする、
「クレイジンズファーム」の代表のお母さん
(通称:ジャムおばさん)が語っていたエピソード。

その農場では、現地で採れた食材から、
手作りのジャムなどを作り、
直接販売していたのだが、
ある時、イギリスの大手流通会社から、
ジャムを取り扱わせて欲しいとの
話が舞い込んだそうだ。

しかし、ジャムおばさんはその話を断った。

「そんな話に乗ると、大きな投資を強いられる」
「私たちは、町の人に喜んでもらえる
 ジャムを作りたいだけ」と語ってくれた
(か、かっこいい…)。

3つ目は、鍵山秀三郎氏が、
自身が創業した“イエローハット”で
社長として活躍していた時に起こった事例。

当時、自社の売り上げの6割を占める大口取引先から
納品後に赤伝票を発行されたなどの、
ひどい仕打ちを何度も受けたことで、
ついに関係を打ち切ったという。

しかし、鍵山氏が関係を絶った理由は、
決してお金のためだけではなかった。

そこに「社員たちの流した汗と努力が無駄に
なってしまうビジネスには先がない」
という思いがあったからだ。

これら3つに共通するポイントは、
大手流通や大口の取引先との関係を絶つという
勇気ある決断を下したことだ。

大きな儲けに繋がる話には
つい飛びつきたくなるが、
ここに“選択の落とし穴”があるのだ。

大切なのは、会社が継続できる仕事か、
スタッフが気持ちよく仕事ができるのか、
社会的な存在意義があるか。

大手の取引先に言われようが、
“儲けるビジネス”に目を奪われず、
経営者はロングレンジで捉える
「勇気ある決断」を
下していかなければならないのだ。

つまり、ビジネスにおいての
自分の身の丈をしっかり理解し、
“仕事道の決断”をすることが
求められているということ。

経営者は小さな決断も多くあるが、
このような大きな決断こそ、
経営者としての一番のチカラの発揮どころだろう。

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「中里スプリング製作所」の中里社長

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「クレイジンズファーム」の代表のお母さん

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「イエローハット」創業者の鍵山氏

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シナジースペシャル

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2015

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JIRYUついに500号

WEBサイトやメルマガなどで発信していた
時流キーワード“JIRYU”が、ついに500号を達成!

基本的に週1回(7つのキーワードを紹介)
配信しているので、
約10年続けていることになる(ビジ達は約12年だ)。

昨年から「時流ウム」としてリニューアルスタートし、
星空に浮かぶ時流キーワードをクリックすると
その内容を確認することができるようになっている。

さて、ここで
「なぜここまで“時流”にこだわっているのか」
と思う人もいるかもしれない。
それは、今後の時代の流れを読むためには、
時流が欠かせないからだ。

というのも、一つ一つの時流キーワードは、
ある商品や現象、時代の流行の象徴や
人を紹介している“点”のようなもの。

しかし、それら“点”をつなげて“線”にし、
さらに束ねて“面”として物事を見ると、
今の時代の流れを捉えることができ、
今後の展開も予測することができるのだ。

さて、私が時流に
注目することになったのは、
約20年ほど前のこと。

当時の私が出した考え方に
「三つ子の魂 百までライフスタイル」
というものがある。

周知のとおり「三つ子の魂百まで」という諺は、
人は3歳ごろまでに受けた教育によって形成した
性質・性格は100歳になってもその根底は
変わらないという意味だ。

だが、私の解釈・捉え方は少し違う。
小・中・高時代などの多感な時期に
体験したことや夢中になったものは、
習慣や価値観としてその後の人生に作用し、
その人の行動に大きく影響するというものだ。

それを如実に現している事例がある。
それが、最近注目されている「大人のお菓子」だ。

これは子どもに人気の
「キットカット」や「トッポ」など、
既存のお菓子を大人向けに味付けし、
パッケージを変えたお菓子のこと。

かなり多くの人気お菓子ブランドが、
大人向けに販売されているという。
これらのお菓子を
小さい頃に食べていた世代(30~40代)は、
懐かしさや“大人の”という言葉に惹かれて
ついつい買ってしまうのだ。

これは、大人になっても
引きずってしまう価値観を利用した、
各メーカーの戦略といえるだろう。

人は小さい頃に流行したモノ・コト、
体験したことによって価値観や
ライフスタイルがつくられていく。

そして、それらをベースに
その後の社会に関わっていくため、
その価値観を反映した現象・流行が生まれるのだ。
まさに、「三つ子の魂 百までライフスタイル」は
時流と密接な関係があるといえるだろう。

このように、時流は様々な角度から
次の世代に相乗効果を持って影響する。

どういうものが流行していた世代が、
どのようなビジネスやお金の使い方をして、
次なる時代をつくるのか。

それらを読み解くことが、
ビジネスチャンスにもつながるだろう。

JIRYUが500号を迎えたように、
私も60歳という節目を迎えたわけだが、
もちろん、600号を目指して
今後も時流を発信し続けるつもりだ!

今後もぜひ「時流ウム」や
メルマガで時流をチェックし、
ビジネスのヒントに役立てていただきたい。
時流ウムはこちら!

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時流から全体を俯瞰することが大切!

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目からウロコのおすすめ本

01/19
2015

hakkou

『発酵道』寺田啓佐(けいすけ)・著

私がこの本と出会ったのは、
2011年頃だっただろうか。

沖縄で開催された講演会
(もちろん私がゲストスピーカー)の際、
関係者の方から“今年1番の本”として
プレゼントしてもらったのだ。
この方はきっと私の話を聞いて、
価値観が似ていると感じておすすめしてくれたのだろう。
その頃の私の話のテーマは“仕事道”だった
(思わず夢中で読んでしまった)。

先日、池袋にあるバー
「たまにはTSUKIでも眺めましょ(通称・たまTSUKI)」が
主催するバスツアーで、酒蔵・寺田本家を訪れる機会があった。

寺田本家では徹底した自然酒づくりをされていて、
まさに『発酵道』を読んだイメージそのまま!

23代目当主であった著者・寺田啓佐氏は、
ある病気を患ってしまう。
そこで、これまでお金を追い求めて競争を続け、
自分の快楽だけをむさぼって生きてきたことに気付く。
これを正さない限り、
自分が病気に負けてしまうかもしれない。

寺田氏はこの病気を機に、自分の生き方、
そして酒蔵自体の在り方も見つめなおすことになる。

私がこの本を読んで、
一番印象に残っている言葉は“腐敗”と“発酵”だ。

本来酒づくりはあえて菌を投入し、
自分たちの都合を優先させた流れによって同じ味の酒をつくる。
都合を合わせ、利益を追い求めて酒づくりをすることは、
“腐敗”の道を歩んでいるのではないかと思った寺田氏は、
酒づくりを変えていったのだ。

そこで本来の“発酵”に注目し、
無農薬米を使用した酒づくりを始める。
人間の都合によって菌を投入するのではなく、
タイミングをすべて自然にまかせる。

その“自然にこだわった”行程によって
つくられたものは、「自然酒」として販売されている。

今の時代、効率ばかりを求めて
人間の都合に合わせてしまいがちだ。
そんな効率の追求ばかりしていては
「自分だけ、今だけ、お金だけ」
といった価値観になってしまう。

経済効率ばかり追い求めなくとも、
本来の在り方でいれば、
人間に合う自然な歩みになるはず。
それこそが“発酵”ではないだろうか。

理念を通して、自分たちの生活に落とし込む
徹底ぶりを寺田本家では体感することができた。

その結果、いい酒づくりを通して
多くの人々に喜ばれることが、
世の中の“発酵”へとつながっているのだろう。

余談だが、『発酵道』の“道”っていいよねぇ。
日本人らしくって(もちろん、“仕事道”に通じるところがたくさんある!)。


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ついに寺田本家を訪問!

book2

酒蔵の中も見学させていただいた

book3

徹底した自然酒づくりを拝見!

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