これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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03/31
2015

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里山づくし“朴の森”

うんうん、美味しい。
もう少し、あの煮物食べてみたいねぇ。
デザートにおはぎもあるんだぁ。

いっしょにいった掃除の会の先輩方が、
こんなことをつぶやきながら
美味しそうに食べていた。

ここは、“朴(ほお)の森”「一隅の里」。
有機野菜にこだわった自然食レストランだ。

休日とはいえ、何組かのグループが
行列をつくっている様子を見ると、
すでに地域に知れた繁盛レストランで
あることが伝わってくる。

一方、こちらの瀟洒な建物の入り口には、
いい色の大根やホウレン草、
ミカンやお米までもが並ぶ「恵みの里」が
用意されている。
ここでは地元産の有機野菜を販売しているという。

もう一歩、建物の中に踏み込んでみると
天井の高い大広間が広がっているのだ。
中央に位置する囲炉裏がゆったりと
いい雰囲気を醸しだしている。
(囲炉裏を囲んで一杯やりたくなる雰囲気だ)

その先の部屋には、鍵山相談役の書籍や
DVD、CDがところ狭しと飾られている。
ここを訪れる人たちの多くが、
手に取り読み始め、そして買って行かれるという。

おっ! 掃除に学ぶ会のトイレ掃除ビデオが
モニターで紹介されている。(ほ~~)
その横には、ポケットブックも
広げられているではないか…
さすが抜かりない。
ここは心を育む「耕心の里」
という名前がつけられている。

とにかく、この“朴の森”は思った以上に
既にいろいろな試みが実践されているのだ。
そして、もう暫くすると健康増進をテーマにした
「元気の里(体育館)」も竣工するという。

鍵山相談役は普段から「本物とは言っていることと、
やっていることが一致すること」と語っている。

まさにこれからの日本に必要な「理念」を
この“朴の森”で実践しようとしているのだ。
私がここを訪れて一番ラポール(共鳴感)を
感じたのは“里山”。

“朴の森”すべてに日本の里山を活かした
構想が展開されているからだ。

その名も一隅の里、恵みの里、耕心の里、
元気の里まさに“里山”づくし。

これからは、私たちの生活でもビジネスでも
“里山”を取り込まないでのロングレンジの
成功はないだろう。

多くの人たちが、山口県山口市のこの里山
“朴の森”の引力に引きつけられるのは
間違いないだろう。

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おぉ~!いい雰囲気が出てますねぇ

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おなかいっぱいです

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7

野菜も買える

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03/31
2015

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「人間万事塞翁が馬」の革新

このところビジ達でもたびたび紹介している
「人間(じんかん)万事塞翁が馬」。
その諺にあるように、
幸、不幸が予想のしようがないのは、
ビジネスにおいても同じだろう。

それでも目の前の困難に
立ち向かわなければならないのが
ビジネスの常だ。

振り返れば、今までお会いした経営者の方々は、
多くの実績を残した経営者ほど、
多くの困難に遭遇してきたといえるかもしれない。

そして、それを機に“革新”ともいえる
大きな決断をして成功につなげているのだ。

例えば、東北に本社を置き、
震災に遭いながらも昨年上場を果たした
株式会社ホットマン(伊藤信幸社長)。

ここは、イエローハットを中心に、
ガリバーやTSUTAYAなどの
様々なブランド店舗を運営する
メガフランチャイジー企業だ。

以前はカー用品店を営み、
東北を中心に数十店舗まで店舗拡大を行っていたという。
しかし、事業について道路交通法の観点から
いろいろと修正(行政処分?)を求められ、
それをきっかけに店舗数を半分に削減。

結果、多くの退職者が
他企業に流れていくことになってしまったという。

そこで決断したのが、
イエローハットの傘下(フランチャイジー)になることだった。
これにより、イエローハットの創業者であり
「日本を美しくする会」の相談役でもある
鍵山秀三郎氏と「掃除」に出会い、
自身を見つめ直すきっかけになったという。

この道路交通法の問題や大震災などの大きな困難がなければ、
メガフランチャイジーとしての現在も、
上場を目指すこともなかったかもしれないのだ
(そして、鍵山相談役との出会いによる掃除哲学の学びも…)。

また、自然酒づくりにこだわっている
酒造として注目されている寺田本家。

ここでは効率的な酒づくりではなく、
本来の“発酵”を大切にした、
“自然”に寄り添う酒づくりをモットーとしており、
酒造業界が低迷している中、
右肩上がりの業績を記録しているという。

ここの23代目当主であった寺田啓佐氏は、
病気になったことをきっかけに、
自身の生き方や酒造自体の在り方を見つめなおしたという。

それまでの利益を求めた効率的な酒づくりをやめ、
食材が持つ本来の力を活かした酒づくりへとシフトチェンジしたのだ。
そして、それらが結果として他の酒造にはない、
「選ばれる酒造の要素」にもなっているのだ。

このように、様々な困難は、一見不幸に見えても、
それをきっかけに、“change”と言える大きな決断を行い、
“革新”を図ることで、成功に結びつけられるのだ。

冒頭でも話したとおり、ビジネスにおいて
さまざまな困難は必ず遭遇するものであり、
いろいろな対応が求められる。

だが、それらにいかに対応し“革新”へと昇華させるかが、
これからのビジネスにおいて選ばれる大きな要素になるだろう。

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ホットマン:伊藤社長

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03/31
2015

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「松陰先生のことば」朗唱!

この間、心から「素晴らしい!」と
感動したことがあった。

それは、山口県萩市にある
明倫小学校の子どもたちのこと。

日本を美しくする会の関係者と、
山口県を訪れたのだが、
この明倫小学校のことは以前から聞いており、
一度は訪問したいと思っていたのだ。

山口県萩市といえば、
幕末の偉人である「吉田松陰」ゆかりの地であり、
最近では大河ドラマ「花燃ゆ」で注目を浴びている。

明倫小学校は、
吉田松陰が教鞭を執ったという
明倫館の跡地に建つ、
松下村塾とも深い関係を持つ小学校だ。

だからこそ、全学年の生徒が声高らかに
松陰先生の教えを朗唱する時間を、
毎日確保しているという。

小学校にお邪魔すると、
校長先生自ら校舎を案内してくださり
(校長先生もこの小学校のOBなんだとか)、
そこで1年生と5年生の朗唱を拝聴することに!

30年以上続くこの朗唱は、
学期ごとに言葉が決められており、
6年間で18の教えを朗唱するそうだ。

一緒に訪れた経営者の方々も、
朗唱する子どもたちの姿に大感激!

私が以前から知っていた朗唱の言葉は、
3年生の2学期に用意されている
「志を立てて もって万事の源となす
書を読みて もって 聖賢の訓(おしえ)をかんがう」。

この言葉は、何をするにも、
志を持つことが第一であり、
書物を読むことで聖人や賢人の教えを参考として、
自分の考えをまとめることが大切だという意味だ。

さらに孟子の言葉を引用した
「誠は天の道なり 誠を思うは人の道なり
至誠(しせい)にして動かざるは
未だ之(こ)れあらざるなり 誠ならずして、
未だ能(よ)く動かすはあらざるなり」

という教えからは、すべての元となる
誠の心を持ち続けることに達しよう、
至ろうと説いている。

松陰の言葉には、よく“志”や“至誠”
といった言葉が登場する。

子どもたちが大人になったとき、
日々繰り返し朗唱した言葉を
思い返すときがやってきたのなら。

まずは、志や至誠を持つことが大切だということに
改めて気付くだろう。
そして、本を読むことも忘れないだろう。

声を発し、身をもって学んだことは、
その後の人生に何かしらの
いい影響を与えてくれるはずだ。

今回の訪問を通し、校長先生をはじめ、
先生方の素晴らしさも垣間見ることができた。
こんな教育と経験を与えてくれた萩という地域と、
明倫小学校には、誇りが生まれ、帰属意識も高まるだろう。

よく環境は人をつくると言われるが、
まさにこの教育環境は、
日本一といっていいのかもしれない!

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やっと来れた明倫小学校

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大きな声で朗唱してくれました!

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学年と学期ごとに言葉が違う

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元気な生徒たちの姿に感動!

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選ばれるビジネス

03/31
2015

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石坂典子流 “三角コーン力学”

工事現場などで見かける三角コーン。
私はその形から発想した“三角コーン力学”を
提唱してきたが、証明をしてくれる企業がまた1つ現れた。
以前ビジ達でもご紹介した産廃処理会社、
石坂産業株式会社である。

ここで“三角コーン力学”をざっとおさらいしよう。
三角コーンの大きな口部分を上に向けていれば、
当然多くの雨が降り注ぐ。
そしてその雨は、先端部分に集まってくるのだ。
すなわち、より広いところ(=外部)で発信することによって、
狭い部分(=社内など)にその効果が現れるということ。

これこそが“三角コーン力学”!

現在、石坂産業では産廃処理会社としては
異例の現場見学会を行っている。
地域住民や子どもたち、他企業の視察も含め、
なんと月の見学者数は500人以上だという。

こうした見学者たちに、実際に現場を見てもらうことで
石坂産業の取り組みを発信し、
結果として社内のやる気を刺激し、
活性化につなげる=“三角コーン力学”を
作用させているのだ。

この他にも、石坂産業では自社の取り組みを
積極的に外部へ発信している。
たとえば、地元住民への配慮として、
処理施設を建屋で覆い、ホコリ・騒音を漏らさないよう
細心の注意を払っていること。

さらには持ちこまれる産業廃棄物の
リサイクルに取り組み、平均して
95%の減量化・再資源化率を実現していること!

他にもまだまだあるが、
こうした多くの取り組みによって石坂産業が
「おもてなし経営企業」に選出されたことはご存知の通り。
そして、外部の評価の高まりとともに、
社内のやる気もアップしていったのだとか。

素晴らしい取り組みを発信し続けたことで
社員が会社に誇りを持ち、
会社に相応しい仕事をしようと意欲を持つ。
つまり、帰属意識が高まったことで
会社全体の結束力・実行力が大きく向上したのだ。

メディアへの積極的な出演、本の出版などによって、
地域のための活動を積極的に発信している石坂産業。
会社を「見える化」して認知度を上げたことで
“三角コーン力学”を作用させた、
素晴らしい一例と言えるだろう。

石坂社長の素晴らしい取り組みをご紹介する
『BUSINESS LAB/』は4/5と4/12、日曜日の朝6:00から放送予定!
この機会にぜひ、石坂典子流
“三角コーン力学”を聴いていただきたい。

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目からウロコのおすすめ本

03/31
2015

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『モンベル 7つの決断 アウトドアビジネスの舞台裏』 辰野勇・著

モンベルと言えば、1975年の設立から40年で、年商600億円、
従業員約800名の規模にまで成長した注目の企業。
その規模だけではなく、製品の質の高さ、
登山界全体に貢献するイベントや雑誌の主宰によっても知られている。

登山に関心がなくても、
辰野氏ならではのビジネスに対する
姿勢には関心があるはず!
徹底した商品開発の秘密や、
モンベルが今日のような企業に成長するまでの
軌跡を語ったのが、この本なのだ。
「成功者となるためには3つの“かく”が必要。
汗をかく、恥をかく、そして義理をかく…」

これはアウトドアビジネスの雄、
モンベルグループの創業者である
辰野勇氏との話の中で出て来た言葉。
ん? 汗と恥は分かるけど…義理をかく??

これは辰野氏がたまたま乗った
タクシーの運転手から聞いた言葉だという。

当然、辰野氏も最初は「えっ!?」と思ったが、
いろいろと頭をめぐらせてみると、
思い当たるところがあったという。

モンベルが今日に至るまでには、
辰野氏曰く「7つの大きな決断」
(本の中では8つの決断が紹介されているのだが…)
があったのだという。
それぞれの詳細についてはぜひ本を読んでいただきたいのだが、
特に私の心に響いたのが、1991年の直営店出店のエピソードだ。

当時は、製品が消費者の手に届くまでに
「生産」「卸」「小売店」という
3つの段階を踏む3層構造が当たり前だった。
しかしメーカーであり、卸もしていたモンベルは、
とあるショッピングモールから誘いを受けたことをきっかけに、
直営店の出店を決意した。

しかし、出店予定地のすぐ隣には、
自社商品を扱っている小売店が既に存在していたという。

ここで直営店を隣に出せば、
小売店との「義理を欠く」ことになってしまう。
だが、辰野氏はアメリカですでに3層構造がくずれ、
直営店が多く出店している現実を見ていた。

やがては日本でもそのスタイルが
当然になる日が来ることを見越し、
一時義理を欠くような展開となっても、
業界のため、そしてモンベルのために
直営店出店の決断を下したのだ。
その結果は、皆さんもご存知のとおりだ。

いや~、内心思うところもあっただろう!
(私も三十数年の経営者生活を通して、その気持ちはよく分かる!)
しかし、辰野氏は、“決断”の定義を
「将来を見据え、あえて困難な一歩を踏み出すこと」としている。
その定義に沿った決断が、現在のモンベルを作り上げたのだ。

思えば、私の発案した“選ばルール7”の中には
「大胆で潔い」という項目がある。
辰野氏の7つの決断もまさにそれ。
経営者たる者、迷った時こそ大胆に潔く、
あえて困難な道を選ぶことが必要なのだ。
そんなことを実感させてくれるこの本、
ぜひぜひ読んでいただきたい!

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