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09/25
2018

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“存在理由”メイキング

都会の真ん中でありながら、昔ながらの情緒をあわせ持つ街、神楽坂。
私はよくランニングだったり、
自転車で走り回ったりしているのだが、
ある時ふと目に止まったものがあった。

それは、裏路地の一角に佇む「魚屋さん」だ。
店先に発泡スチロールに入った魚が並び、
老夫婦が店番をしている、
まさに昔ながらの店舗なのだ。

改めて探索してみると、ラーメン屋さんに本屋さん、
肉屋さんに八百屋さん、そして花屋さんというように
「◯◯屋さん」というお店がここ神楽坂にはまだ残っている。
極め付けは、銭湯だ。
風情溢れる外観に、タオルと石鹸を持った
お客さんが入っていく。
まさに昭和からの風景がそこにあるのだ。

だが、少し気になって調べてみると、
都内の公衆浴場の数は年々減少している。
ここ30年ほどで、1/3以下になってしまって
いるというではないか。
それは、「◯◯屋さん」にも同様のことが言える。
コンビニやスーパーがいたるところに進出し、
ネットショップも台頭してきている。

それは、「買う側の論理」に寄り添った
サービスが普及していることが原因だろう。
時間や手間を省く、ワンストップで買い物が
できるという利便性を感じるからこそ、
買い手は新しいサービスへ移行するのだ。

では、昔ながらの店舗が存続していくには
どうしたらよいのか。
その方法を示してくれたのが、
以前もご紹介した神楽坂駅近くの『かもめブックス』だ。
カフェとしても利用できる環境に加え、
店舗のセレクトした本をオススメすることで、「楽しむ」空間を提供している。
(あ~天狼院書店もあったねぇ~)

ここには“存在理由”がある。
そして“存在理由”は創り出すものなのだ。
ユーザーの立場になって、「行きたい理由」を
創造することによって変化し、存続していく。

場合によっては、風前の灯火が燃え盛る炎へと
育っていくことも可能なのだ。

というわけで、懐古主義で言っているわけではない。
街の文化を感じることができる、
そんな場所は“存在理由メイキング”をしつつ
その先の時代へ存在し続けてほしいと思うのだ。

きっとこれは、「◯◯屋さん」だけではなく、
ビジネスにも通じる部分があるだろう。
受け手の視点になって、必要とされるための
理由を考える“存在理由メイキング”。
ぜひみなさんも、自分の在り方を一度
見つめ直してみてはいかがだろうか。

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裏路地にある昔ながらの魚屋

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銭湯は減少の一途をたどっている

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売るだけではなく存在理由が必要だ

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