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はなまるア・ラ・カルト

02/10
2020

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“経済至上主義”からの呼び戻し!?

先日の無肥料・自然栽培の会「NICO」の10周年
イベントで、久々に木村秋則さんにお会いした。
相変わらず、歯はなかったが、とても元気で、
嬉しく感じた。
(木村さんとは、私が主催する講演会にも出てもらい、
10年以上のおつきあい)

さて、木村さんの語り、またこのイベントのコンセプトから
私の頭に浮かんだキーワードが「経済至上主義からの呼び戻し」だ。

先日紹介した、佰食屋の中村社長の発信する話は、
“働いている人ファースト”だ。
売上向上のために働いている人を犠牲にしてはいけないという。

また五木寛之氏の“成長的下山思想”も、
今は経済優先の時代ではなく、下山の時。
日本が成熟の時に来ており、成長的下山をすべきと発信していた。
これも、ある意味“経済至上主義”からの呼び戻しだ。

さて、木村秋則氏はさまざまな試行錯誤の末、
無肥料・無農薬でおいしいリンゴの生産を実践した。
経済至上主義真っ盛りの時代に、
自然栽培のリンゴ生産が可能であることを実証した人だ。

自然栽培を推奨する訳は、F1種の問題があるからだ。
雑種の1代目は“優性形質”だけが現れるという特性。
すなわち見た目が均一に揃うとか、“雑種強勢”という力も働き、
生育が早まり、収穫量が増大する特質を持つ。
これを応用して作られた種がF1種。
まさに、経済合理性から生まれた種だ。
ところが、このF1種から採取した種からは、
翌年、同じ形質の作物はできない。
実がならなかったり、小さかったりして
売り物には不適格な作物となる。

つまり、農家は安定的な収穫のために、毎年このF1種を
購入せざるをえない状況になっている。
そしてこのF1種の成長には肥料も農薬も活用する。
結果として、F1種を供給するモンサントという会社の言いなりに
ならざるをえないのだ。

目先の収穫量を追い求め、人間の都合に合わせた
F1種の農業を続けていくと、土が次第に汚染され、
土の中のさまざまな菌が活性化しなくなるという。
ロングレンジでみると、目先を追ったことで、大きな課題を
かかえ込んだ状態ということ。

この流れに反して、木村さんは、
その土地の土と自然の営みを活かせば、
無農薬、無肥料でもリンゴが生産可能だと証明したのだ。
木村さんが実践し語っていることは、
本来の摂理に合致した生産とすることの優先であり、
“経済至上主義農業”からの脱却なのだ。
イベントには30~40台の若い自然栽培農業の人も参加し、
この価値の拡がりが感じられた。

“経済至上主義からの呼び戻し“は、このイベントに限らず
様々なところで発生している。
グレタ・トゥーンベリさんが発信しているCO2問題も
自然災害の増加、格差問題、働き方改革、これらはすべて
ある意味“経済至上主義”から発生していると言っていいだろう。
今は、そこからの脱却、すなわち“呼び戻し”現象が起きているのだ。

皆さんもこの流れをとらえ、
皆さんのビジネスのその先に何があるのか・・・。
そういうことをふまえてビジネスを見直してみてはいかがだろうか?

aramain

奇跡のリンゴの木村さん

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「NICO」の10周年イベントが開催

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