これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

01/19
2015

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“仕事道の決断”ができるか?!

ビジネスは常に選択の連続である。

しかし、1つの判断の誤りが、
会社の存続を脅かす事態を招くことも…。

では、こうした選択の落とし穴に
落ちないためにはどうすればいいのか。

優れた決断を下した、
3つの事例を紹介しよう。

1つ目は、群馬県に本社を置く
「中里スプリング製作所」の
社長・中里良一氏から伺ったお話。

ある時、大口の取引先から
「このバネは数が出るから
 専用の機械を購入して欲しい」
と持ちかけられ、1,600万円もの
設備投資を行った。

さらに、その打ち合わせは、
半年間も要したのだ。

しかし、生産を始めて半年が過ぎたところで、
「設計変更で仕様が変わった」
と告げられ、さらに500万円の機械を
購入して欲しいというのだ。

「このままでは、会社の経営が揺らいでしまう!」
そう感じた中里社長は、
なんと、大口の得意先だった
その取引先を断ったのだ。
まさに損切りの決断。

2つ目は、スコットランド・エジンバラで
農場経営をする、
「クレイジンズファーム」の代表のお母さん
(通称:ジャムおばさん)が語っていたエピソード。

その農場では、現地で採れた食材から、
手作りのジャムなどを作り、
直接販売していたのだが、
ある時、イギリスの大手流通会社から、
ジャムを取り扱わせて欲しいとの
話が舞い込んだそうだ。

しかし、ジャムおばさんはその話を断った。

「そんな話に乗ると、大きな投資を強いられる」
「私たちは、町の人に喜んでもらえる
 ジャムを作りたいだけ」と語ってくれた
(か、かっこいい…)。

3つ目は、鍵山秀三郎氏が、
自身が創業した“イエローハット”で
社長として活躍していた時に起こった事例。

当時、自社の売り上げの6割を占める大口取引先から
納品後に赤伝票を発行されたなどの、
ひどい仕打ちを何度も受けたことで、
ついに関係を打ち切ったという。

しかし、鍵山氏が関係を絶った理由は、
決してお金のためだけではなかった。

そこに「社員たちの流した汗と努力が無駄に
なってしまうビジネスには先がない」
という思いがあったからだ。

これら3つに共通するポイントは、
大手流通や大口の取引先との関係を絶つという
勇気ある決断を下したことだ。

大きな儲けに繋がる話には
つい飛びつきたくなるが、
ここに“選択の落とし穴”があるのだ。

大切なのは、会社が継続できる仕事か、
スタッフが気持ちよく仕事ができるのか、
社会的な存在意義があるか。

大手の取引先に言われようが、
“儲けるビジネス”に目を奪われず、
経営者はロングレンジで捉える
「勇気ある決断」を
下していかなければならないのだ。

つまり、ビジネスにおいての
自分の身の丈をしっかり理解し、
“仕事道の決断”をすることが
求められているということ。

経営者は小さな決断も多くあるが、
このような大きな決断こそ、
経営者としての一番のチカラの発揮どころだろう。

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「中里スプリング製作所」の中里社長

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「クレイジンズファーム」の代表のお母さん

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「イエローハット」創業者の鍵山氏

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