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目からウロコのおすすめ本

12/24
2013

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『Do You Know What My Name Is?』

邦題は『僕がジョンと呼ばれるまで』。
これは、先日たまたま誘われた試写会で観た
ドキュメンタリー映画のタイトルだ。

私の名前が分かりますか? という呼びかけの言葉。
このドキュメンタリーの中で、主人公となる(?)ジョンが
度々口にする言葉だ。じつはこの舞台は
アメリカ・オハイオ州の高齢者介護施設であり、
入所者のほとんどが認知症を発症している。
こちら側から名前を教えても5分後には忘れてしまうのである。
それでもジョンは入所者にこの言葉を必ず投げかける。

この映画に、エブリンという93歳の女性が登場する。
彼女は外出のたびに化粧を欠かさない人だったが、
認知症を発症してからは当たり前の身だしなみだった化粧もしなくなり、
外出も一切しない日々となってしまったという。
そしてジョンの問いかけにも答えることはできなかった。

どうすればエブリンのような入所者たちの認知症の症状を改善できるか。
施設が取り入れたのは、「学習療法」だった。
これは、薬に頼らず「読み・書き・計算」の学習を通じて、
高齢者の脳機能改善を図るというもの。
実はこの治療法の発祥は日本で。脳トレでおなじみの東北大学の
川島隆太教授や公文教育研究会が中心となって研究したそうだ。

その学習法がもたらした結果とは…。
なんと93歳のエブリンはこの学習療法によって、
認知症の症状がみるみる改善していく。
撮影も終盤に来た頃、撮影スタッフたちを見て
「こんなにたくさんのスタッフがいるわ。ハリウッド並ね。」と、
ジョークを言って笑顔で会話できるまでに回復したのだ。
化粧もバッチリ決まっているし、
手にはマニキュアもつけていたそうだ。
そしてもちろん、「Do You Know What My Name Is?」という
ジョンの問いかけにも、ワンテンポ置いて
「John!」と答えられるようになったという。

この映画の中での、中島流の注目すべきポイントは
認知症改善のための「学習療法」。
これ、何かに似てないだろうか? 非薬物によって行われる療法…。
そう、ビジ達でもたびたびご紹介してきた
「無農薬栽培」に近いものを感じたのだ。

無農薬で育てられた食物はなかなか腐らないのに対し、
通常栽培で育てられた食物はすぐに腐ってしまう。
これは人も同様ではないだろうか。

誰もが自分の親には最期まで「人間らしく」いてほしいと願うもの。
訳も分からず、周りとコミュニケーションをとることもできず、
ただ薬で延命するだけの日々を誰が望むだろうか。
つまり、人も植物も薬に頼り過ぎてはいけないということ。

自分の親に
「Do You Know What My Name Is?」
とは言いたくないからねぇ~。

『Do You Know What My Name Is?』
自分の親のこれから、
そして薬に頼らない生き方を考えさせてくれる、素晴らしい映画だった。
一般公開は2014年3月。ぜひ観ていただきたい。

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薬を使わない治療に感動!

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