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目からウロコのおすすめ本

01/19
2015

hakkou

『発酵道』寺田啓佐(けいすけ)・著

私がこの本と出会ったのは、
2011年頃だっただろうか。

沖縄で開催された講演会
(もちろん私がゲストスピーカー)の際、
関係者の方から“今年1番の本”として
プレゼントしてもらったのだ。
この方はきっと私の話を聞いて、
価値観が似ていると感じておすすめしてくれたのだろう。
その頃の私の話のテーマは“仕事道”だった
(思わず夢中で読んでしまった)。

先日、池袋にあるバー
「たまにはTSUKIでも眺めましょ(通称・たまTSUKI)」が
主催するバスツアーで、酒蔵・寺田本家を訪れる機会があった。

寺田本家では徹底した自然酒づくりをされていて、
まさに『発酵道』を読んだイメージそのまま!

23代目当主であった著者・寺田啓佐氏は、
ある病気を患ってしまう。
そこで、これまでお金を追い求めて競争を続け、
自分の快楽だけをむさぼって生きてきたことに気付く。
これを正さない限り、
自分が病気に負けてしまうかもしれない。

寺田氏はこの病気を機に、自分の生き方、
そして酒蔵自体の在り方も見つめなおすことになる。

私がこの本を読んで、
一番印象に残っている言葉は“腐敗”と“発酵”だ。

本来酒づくりはあえて菌を投入し、
自分たちの都合を優先させた流れによって同じ味の酒をつくる。
都合を合わせ、利益を追い求めて酒づくりをすることは、
“腐敗”の道を歩んでいるのではないかと思った寺田氏は、
酒づくりを変えていったのだ。

そこで本来の“発酵”に注目し、
無農薬米を使用した酒づくりを始める。
人間の都合によって菌を投入するのではなく、
タイミングをすべて自然にまかせる。

その“自然にこだわった”行程によって
つくられたものは、「自然酒」として販売されている。

今の時代、効率ばかりを求めて
人間の都合に合わせてしまいがちだ。
そんな効率の追求ばかりしていては
「自分だけ、今だけ、お金だけ」
といった価値観になってしまう。

経済効率ばかり追い求めなくとも、
本来の在り方でいれば、
人間に合う自然な歩みになるはず。
それこそが“発酵”ではないだろうか。

理念を通して、自分たちの生活に落とし込む
徹底ぶりを寺田本家では体感することができた。

その結果、いい酒づくりを通して
多くの人々に喜ばれることが、
世の中の“発酵”へとつながっているのだろう。

余談だが、『発酵道』の“道”っていいよねぇ。
日本人らしくって(もちろん、“仕事道”に通じるところがたくさんある!)。


book1

ついに寺田本家を訪問!

book2

酒蔵の中も見学させていただいた

book3

徹底した自然酒づくりを拝見!

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