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03/18
2019

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才能じゃなく、粘り!隈研吾の仕事道

「僕はもともと、コンクリートの壮大な造形美に憧れていた」
え!と驚いたのは、この発言者が隈研吾氏だったから。

隈研吾氏といえば、寺院建築を思わせる木材の使い方で、
伝統と革新の調和を目指す建築家。
私の住む神楽坂近くにある商業施設「la kagu」も、
青山の根津美術館も、建設中の新国立競技場も、
木材であり、木調を活かしたデザインが印象的なのだ。
その人が「コンクリートの壮大な造形美」
だなんて・・・驚きの一言。

隈氏によると、転機は70年代。
オイルショックや公害が話題になった時代、
「建築はこのままでいいのか」と考えたのだそうだ。
コンクリートの造形美に熱狂していた
自分への反省もあり、一方で自然の大切さを実感したことも…。

ちょうどその頃に米国のコロンビア大学へ
留学する機会があり、
木材を使った建築の魅力に目覚めたという。
この留学がなければ今の隈研吾はなかったというが、
その後がもっとすごい。

バブルの終わり頃、初めて自分の設計事務所を
構えた時には、独立したての隈氏のもとにも
好立地の設計依頼が舞い込んできたそうだ。
ところが、バブル崩壊後の10年間は都心での依頼は激減。
そして、ゼロになったという。

それならば・・・と、地方の町や村を回り始めた。
そして隈氏が辿り着いたテーマが、
“田舎の木を活かした建築”。
その地方に溶け込む設計をすること。
一見、華々しい仕事がなかった10年間で、
現在のスタイルが確立されていったのだ。

さらに私が驚いたのは「建築っていうのは、
才能じゃなく粘り」の一言。
東大の建築学科を出て「才能じゃなく」?!
なんて思っちゃうけど・・・
実は、ナカジマ流でも「仕事は、才能じゃなくて粘り」。
凡事徹底、と何度繰り返しているように、
粘りで掴めるものがあると信じているのだ。
それを、まさか隈研吾氏から聞くとは!

隈氏の代表的な建築思想に「負ける建築」というものがある。
周囲を威圧する高層建築ではなく、
地域の風土に溶け込み、時には施主の経済事情を汲み取り、
様々な条件を「受容する建築」ということ。
(たぶんこんなこと…)

つまり、隈研吾氏の中に、
「自分の才能だけで仕事する」という発想はないのだ。
様々な条件を受容しながらも、そこから生まれる
新しい価値観こそが、環境との調和をも生み出すと
言いたいのだろう。

仕事のない10年間にコツコツと培ったものが、
現在の活躍を支えていること。
こうした方が「才能ではなく粘り」と
語っているわけで・・・う~ん、嬉しいですねえ。

隈研吾氏とナカジマの間に、年齢(同い年です!)
以上の共通点が見つかったというお話でした。

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この建物も…

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この建物も…

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そしてこの建物も隈氏の設計

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隈研吾氏とナカジマは同い年!

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